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【2+1】
⑥
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少し嫌な感じがした。
「アイちゃん、和田くんと仲良かったよね」
「別に。幼馴染みなだけです」
「だよね。よかった。じゃあさ、テスト勉強、僕と一緒にどう? 僕が教えてあげるよ、アイちゃんに。きっと成績上がるよー? 和田蓮太より教えるのうまいと思うんだよね、僕って。どうかな」
少しでも興味を持ちそうになった私がいけない。無駄なエネルギー消費をしてしまうところだった。『伝説のあんぱん』の残りで、再生エネルギーを補充する。
うるさいうるさいうるさい。
息継ぎもせずにまくし立てる真中くんの言葉が、だんだん遠のいていく。
あー、あんぱん美味しい。
「ファミレスとかカフェとかで勉強する? 夕ご飯も奢るよ。お母さんいないと大変でしょ?」
「……え?」
唐突に。
ほにゃららの霹靂。
自然で聞き逃しそうで。真綿の輪が首に掛かるような、穏やかな、声。
「片親だと子供も大変だよね。お父さんもなかなか帰ってこないんでしょ?」
「……いや、父は仕事で……」
「長距離ドライバーだっけ。いつもひとりぼっちだもんね。その環境だとそんな風になっちゃうよね。それじゃあアイちゃんがほんとにかわいそうだ」
かわいそう。
そうかな。そうなのかな。
これは検証が要るんじゃないかな。
「アイちゃん、和田くんと仲良かったよね」
「別に。幼馴染みなだけです」
「だよね。よかった。じゃあさ、テスト勉強、僕と一緒にどう? 僕が教えてあげるよ、アイちゃんに。きっと成績上がるよー? 和田蓮太より教えるのうまいと思うんだよね、僕って。どうかな」
少しでも興味を持ちそうになった私がいけない。無駄なエネルギー消費をしてしまうところだった。『伝説のあんぱん』の残りで、再生エネルギーを補充する。
うるさいうるさいうるさい。
息継ぎもせずにまくし立てる真中くんの言葉が、だんだん遠のいていく。
あー、あんぱん美味しい。
「ファミレスとかカフェとかで勉強する? 夕ご飯も奢るよ。お母さんいないと大変でしょ?」
「……え?」
唐突に。
ほにゃららの霹靂。
自然で聞き逃しそうで。真綿の輪が首に掛かるような、穏やかな、声。
「片親だと子供も大変だよね。お父さんもなかなか帰ってこないんでしょ?」
「……いや、父は仕事で……」
「長距離ドライバーだっけ。いつもひとりぼっちだもんね。その環境だとそんな風になっちゃうよね。それじゃあアイちゃんがほんとにかわいそうだ」
かわいそう。
そうかな。そうなのかな。
これは検証が要るんじゃないかな。
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