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37 会いたかった人
鬼ごっこは嫌い、追われるのが恐いから。でも今は鬼より恐い犯罪者が追ってきてる。ガシャーン、ガシャーンと子気味よく聞こえる落下物にまぎれて、男の呻き。
陶器の鉢植えが男の頭に落ちて、男が目を押さえてる。よし、目を潰した!!
「おーい、鬼さんこっちだよ」
「くそっ、待ちやがれ」
目を押さえながらヨロヨロこちらへ来る男の顔面に、落ちてた木の棒を投げつける、ガコーンと当たって、男は般若みたいな顔になった。怒り心頭といった感じ。そりゃぁ、こんだけバカにされたら誰だってそうなるよね。
「このやろう、バカにしやがって、殺してやる」
「捕まえてみろよ、おばかさん」
理性失ってくれてありがとう、このまま大通りに誘導してやる。こっちこっちと、煽りながら、曲がり角を曲がったとき、ドンっと柔らかな何かにぶつかった。一瞬、敵かとゾワッとする。
「いたっ」
「わ!!」
「大丈夫か、あれ?君は」
僕は三人の騎士にぶつかったみたい。そしてその三人は、あの時僕を追いかけてきた三人の騎士様だ!!よしついてる!!僕は目の前の騎士様に必死で訴えた。
「王様が捕まってるの!!」
「なんだって!?」
「それで、悪いやつが今から来るから、お兄さんやっつけてよ」
「悪いやつ?うわっ!!」
ビュンと、僕達に向かって、さっき投げた枝が飛んできた。騎士様達が剣を抜く。瞬時に理解してくれてありがとう、そいつだよ悪いのは。騎士様に後ろへと匿われ、だが1人が僕に背後を指差した。
「君はこの先へ行きなさい、ラクロア様がいる」
「ありがとう!!」
僕は走った。たった1人の僕の愛する、この世で一番会いたかった人の所へ。
狭い通路を走り抜け、明るい大通りに出ると大勢の騎士を指揮しているラクロア様がいた。あぁ、神様ありがとう。
僕はもうへとへとだったけど、最後の力を振り絞って走った。
真っ白な服はボロボロだったけど、騎士達の中では目立つ、僕を見つけた騎士達が、一人、二人とどんどん道を開けてくれる。僕とラクロア様を繋ぐ道が出来ていった。
ラクロア様が馬から飛び下りてこちらにかけてくる。大きな手が僕をしっかりと掴んで、抱き締めてくれた。
「ラクロアさまぁ」
「ニャリスっ!!なぜ、ここにいるんだ!?」
「王様が危ないの、川沿いの倉庫に捕まってるの、地下通路にオルレラの兵士が入ってくるの」
「なっ!?」
僕の説明足らずな言葉を瞬時に汲み取って、ラクロア様は近衛騎士達に指揮を飛ばした。
「王宮が危険だ!!カシルっ、半数を引き連れ王宮内へ戻れ」
「ハッ」
「第一、二隊長、地下道に兵を配置、戦闘になるなら増員急げ」
「ハッ」
「第三、五速やかに川沿いの倉庫に王がいる救出に向かえ」
「ハッ」
ラクロア様の的確な指示に近衛騎士達がバタバタと動き出す。あぁ、よかった。
「ニャリス、しっかりしろ」
「ラクロアさま、僕もう、くたくたなの」
「無茶な事をするからだ、あぁ、お前は……そういうやつだったな、いつだって勇気のある猫だった」
ラクロア様がしっかりと抱き上げてくれて、僕は顛末まで付き合えなくて申し訳ないと思ったけど、猫だもん許してくれるよね。すうっと、意識を手放した。
陶器の鉢植えが男の頭に落ちて、男が目を押さえてる。よし、目を潰した!!
「おーい、鬼さんこっちだよ」
「くそっ、待ちやがれ」
目を押さえながらヨロヨロこちらへ来る男の顔面に、落ちてた木の棒を投げつける、ガコーンと当たって、男は般若みたいな顔になった。怒り心頭といった感じ。そりゃぁ、こんだけバカにされたら誰だってそうなるよね。
「このやろう、バカにしやがって、殺してやる」
「捕まえてみろよ、おばかさん」
理性失ってくれてありがとう、このまま大通りに誘導してやる。こっちこっちと、煽りながら、曲がり角を曲がったとき、ドンっと柔らかな何かにぶつかった。一瞬、敵かとゾワッとする。
「いたっ」
「わ!!」
「大丈夫か、あれ?君は」
僕は三人の騎士にぶつかったみたい。そしてその三人は、あの時僕を追いかけてきた三人の騎士様だ!!よしついてる!!僕は目の前の騎士様に必死で訴えた。
「王様が捕まってるの!!」
「なんだって!?」
「それで、悪いやつが今から来るから、お兄さんやっつけてよ」
「悪いやつ?うわっ!!」
ビュンと、僕達に向かって、さっき投げた枝が飛んできた。騎士様達が剣を抜く。瞬時に理解してくれてありがとう、そいつだよ悪いのは。騎士様に後ろへと匿われ、だが1人が僕に背後を指差した。
「君はこの先へ行きなさい、ラクロア様がいる」
「ありがとう!!」
僕は走った。たった1人の僕の愛する、この世で一番会いたかった人の所へ。
狭い通路を走り抜け、明るい大通りに出ると大勢の騎士を指揮しているラクロア様がいた。あぁ、神様ありがとう。
僕はもうへとへとだったけど、最後の力を振り絞って走った。
真っ白な服はボロボロだったけど、騎士達の中では目立つ、僕を見つけた騎士達が、一人、二人とどんどん道を開けてくれる。僕とラクロア様を繋ぐ道が出来ていった。
ラクロア様が馬から飛び下りてこちらにかけてくる。大きな手が僕をしっかりと掴んで、抱き締めてくれた。
「ラクロアさまぁ」
「ニャリスっ!!なぜ、ここにいるんだ!?」
「王様が危ないの、川沿いの倉庫に捕まってるの、地下通路にオルレラの兵士が入ってくるの」
「なっ!?」
僕の説明足らずな言葉を瞬時に汲み取って、ラクロア様は近衛騎士達に指揮を飛ばした。
「王宮が危険だ!!カシルっ、半数を引き連れ王宮内へ戻れ」
「ハッ」
「第一、二隊長、地下道に兵を配置、戦闘になるなら増員急げ」
「ハッ」
「第三、五速やかに川沿いの倉庫に王がいる救出に向かえ」
「ハッ」
ラクロア様の的確な指示に近衛騎士達がバタバタと動き出す。あぁ、よかった。
「ニャリス、しっかりしろ」
「ラクロアさま、僕もう、くたくたなの」
「無茶な事をするからだ、あぁ、お前は……そういうやつだったな、いつだって勇気のある猫だった」
ラクロア様がしっかりと抱き上げてくれて、僕は顛末まで付き合えなくて申し訳ないと思ったけど、猫だもん許してくれるよね。すうっと、意識を手放した。
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