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第二章
51 葉月ちゃん、やめて…
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キャンプ場目の前の川に、葉月が、ちょんと足を浸けた。
「うわっ、冷たい!!鉄堅、鉄堅っ、早くこいよー。めちゃ気持ちいい」
「あ、うん、葉月ちゃん、川の中は、苔で滑るから気をつけてね」
鉄堅もジャボッと足を浸ける。山から涌き出た水は清涼で、ヒヤリと足を突き刺すように冷たい。火照った身体から、急激に体温を奪われ、ぶるりと震えた。よく見れば、川の流れに逆らう様に小さな魚がチョロチョロ泳いでる。
足を動かす度に、川石がゴロゴロ動いて上手く歩けない。細い小さな川だから、流される事はないと思うけど、引っくり返りそうで冷やひやする。
葉月は、大きめの岩に登っている、実に楽しそうだ。
全体的に深くても腰くらいだから、飛び込んだりはできない。
「鉄堅もこっちこいよ」
「うん、うわっ、石が滑る」
「この岩が温かくて気持ちいい~」
葉月が、仰向けで岩にべたーっと寝た。ようやく岩に登ってきた鉄堅はその姿に転げ落ちそうになった。ほぼ、裸で、岩に寝ている葉月の、なんたる白い肌!
「*※※♯♯※*!」
「は? 何て?」
「葉月ちゃんっ、そんなとこで寝ないで」
鉄堅の目が、動揺で泳ぎまくる。
「えーーだって、ホカホカで気持ちいいし、お前も隣で寝てみ」
何と無邪気な。鉄堅は、葉月以外誰も居ないことは解っていたが、念のため、キョロキョロと周りを確認した。大丈夫、誰も居ない。
心臓がばくばくと波打ち、葉月が差し出す手を取り、隣に座って無心をこころがける。確かに座った尻が一瞬でホカホカで気持ちいい。
葉月は、鉄堅が隣に来たのでまたごろーんと寝転ぶ。
Tシャツくらい着ろと言うべきだった。木漏れ日に照らされた肌は、陶器の様に白く滑らかで、健康そうな吐息を漏らす胸は、薄いピンクの乳首が……。
「うっ」
「あ? わぁ、お前、血が、どうした、のぼせたのかよ、わぁぁぁ、血がやばい」
「あ、ごめ」
鼻と口を押さえるも血がどんどん出てくるので手が赤く染まってく。
「ちょ、仰向けで寝ろって」
鼻血が出たときは、上向きは良くない! が、葉月に言われるままに鉄堅は岩にごろっと、上を向いて寝た。背中が熱い。血が喉に入ってきて気持ち悪い。
上から葉月が覆い被さるようにして、手を伸ばしてきた。
「ほら、鼻柱押さえて」
「!!!!」
この姿勢は色々とまずい! 目のやり場がなくなる。
葉月を押し退けようとしたら、手についてた鼻血が葉月の胸についてしまって、慌てて、拭き取ろうと、したが、余計に広がってしまって……。
「は、葉月ちゃ、ごめっ、血がついた」
「え、あぁ、良いよ、て、あはっ、くすぐったいから、良いって」
「!!!!」
思わずふいた手が葉月の胸元をくすぐってしまったようで、葉月がその手を押さえる。
鉄堅の中の理性の糸がブチっと切れた。
❬カブリツキタイ❭
獰猛な獲得欲が胸を支配していく、この美しい人を今すぐに組強いて、その華奢な首筋に自分の歯を突き立てて……。
「鉄堅、鉄堅てば、大丈夫?」
「あ……う、うん、ごめん」
鉄堅は、サッと青ざめた。今しがた、自分が考えた事に絶望する。それなのに身体が熱い。どうしようもなく、葉月を欲しいと思ってしまう。
鉄堅は、くるっと身体を反転させて、岩から降りて、ざぶっと、川の中に顔を浸けた。バシャバシャと顔を洗う。冷たい水が身体の熱を奪っていった。
「お前、そんな乱暴に」
「大丈夫、もう止まったよ、葉月ちゃんも、血がついてるからこっちきて洗って」
「うん」
差し出した手を掴んで、葉月がぴょんと岩から降りた。胸元に着いた自分の血を洗い流している姿を、鉄堅は無言で見つめた。
「うわっ、冷たい!!鉄堅、鉄堅っ、早くこいよー。めちゃ気持ちいい」
「あ、うん、葉月ちゃん、川の中は、苔で滑るから気をつけてね」
鉄堅もジャボッと足を浸ける。山から涌き出た水は清涼で、ヒヤリと足を突き刺すように冷たい。火照った身体から、急激に体温を奪われ、ぶるりと震えた。よく見れば、川の流れに逆らう様に小さな魚がチョロチョロ泳いでる。
足を動かす度に、川石がゴロゴロ動いて上手く歩けない。細い小さな川だから、流される事はないと思うけど、引っくり返りそうで冷やひやする。
葉月は、大きめの岩に登っている、実に楽しそうだ。
全体的に深くても腰くらいだから、飛び込んだりはできない。
「鉄堅もこっちこいよ」
「うん、うわっ、石が滑る」
「この岩が温かくて気持ちいい~」
葉月が、仰向けで岩にべたーっと寝た。ようやく岩に登ってきた鉄堅はその姿に転げ落ちそうになった。ほぼ、裸で、岩に寝ている葉月の、なんたる白い肌!
「*※※♯♯※*!」
「は? 何て?」
「葉月ちゃんっ、そんなとこで寝ないで」
鉄堅の目が、動揺で泳ぎまくる。
「えーーだって、ホカホカで気持ちいいし、お前も隣で寝てみ」
何と無邪気な。鉄堅は、葉月以外誰も居ないことは解っていたが、念のため、キョロキョロと周りを確認した。大丈夫、誰も居ない。
心臓がばくばくと波打ち、葉月が差し出す手を取り、隣に座って無心をこころがける。確かに座った尻が一瞬でホカホカで気持ちいい。
葉月は、鉄堅が隣に来たのでまたごろーんと寝転ぶ。
Tシャツくらい着ろと言うべきだった。木漏れ日に照らされた肌は、陶器の様に白く滑らかで、健康そうな吐息を漏らす胸は、薄いピンクの乳首が……。
「うっ」
「あ? わぁ、お前、血が、どうした、のぼせたのかよ、わぁぁぁ、血がやばい」
「あ、ごめ」
鼻と口を押さえるも血がどんどん出てくるので手が赤く染まってく。
「ちょ、仰向けで寝ろって」
鼻血が出たときは、上向きは良くない! が、葉月に言われるままに鉄堅は岩にごろっと、上を向いて寝た。背中が熱い。血が喉に入ってきて気持ち悪い。
上から葉月が覆い被さるようにして、手を伸ばしてきた。
「ほら、鼻柱押さえて」
「!!!!」
この姿勢は色々とまずい! 目のやり場がなくなる。
葉月を押し退けようとしたら、手についてた鼻血が葉月の胸についてしまって、慌てて、拭き取ろうと、したが、余計に広がってしまって……。
「は、葉月ちゃ、ごめっ、血がついた」
「え、あぁ、良いよ、て、あはっ、くすぐったいから、良いって」
「!!!!」
思わずふいた手が葉月の胸元をくすぐってしまったようで、葉月がその手を押さえる。
鉄堅の中の理性の糸がブチっと切れた。
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「鉄堅、鉄堅てば、大丈夫?」
「あ……う、うん、ごめん」
鉄堅は、サッと青ざめた。今しがた、自分が考えた事に絶望する。それなのに身体が熱い。どうしようもなく、葉月を欲しいと思ってしまう。
鉄堅は、くるっと身体を反転させて、岩から降りて、ざぶっと、川の中に顔を浸けた。バシャバシャと顔を洗う。冷たい水が身体の熱を奪っていった。
「お前、そんな乱暴に」
「大丈夫、もう止まったよ、葉月ちゃんも、血がついてるからこっちきて洗って」
「うん」
差し出した手を掴んで、葉月がぴょんと岩から降りた。胸元に着いた自分の血を洗い流している姿を、鉄堅は無言で見つめた。
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