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第二章
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魚を捕まえようと、葉月が せっせと石でダムを作って、そこへ入ってきた魚を鉄堅が掬うという遊びをしばらく楽しんだ。
チョロチョロ逃げる魚に翻弄れて、追い回すうちに二人の頭がゴチンてなって、爆笑。めちゃくちゃ楽しい。
丸いスベスベの平な石を見つけて拾っては、投げてみたり……トントンボチャッ、3回続けば良い方で、投げ方を工夫しているうちに手首が疲れてきた。
手首をふるふるとふりながら、葉月がぼやく。
「なかなか続かないな、むずい」
「石が大きい方が良いのか、小さい方が良いのか、単純に力が足りないのか、奥深い」
「ぷっ、そんな真面目に考え込むなよーー」
ケラケラ笑う葉月に、鉄堅は内心ホッとする。さっきの自分の気持ちがばれなくて良かった。正直自分でも動揺してる。
葉月のことがずっと好きで好きでたまらなかった。だが、一度その想いが消え、空っぽになった心に再び、再燃した想いは止まることを知らない。どんどん加熱していって。心だけじゃ、もう足りないくらいに自分の中で膨れ上がっていた。
葉月よりも先に大きく身体が成長して、それに伴って性的な部分もおそらく葉月より早く育った。そもそも葉月はどうなのだろう。精通がきたかなんて聞ける訳がないけれど。
(葉月ちゃんて……性欲とか無さそう)
キスはしてくれるけど、それ以上先があることを知っているのだろうか? 保健体育の授業で知っている筈だし、さすがにいくら鈍くても知っているとは思うが……だが葉月である。
鉄堅は悩ましげにため息をはく。自分は待つつもりだ、葉月がそういった感情を自分に持ってくれる日まで。
何年でも、幾年でも待つつもりでは有るけれど、小学生のように純情な葉月に、果たしてそんな日が来るのだろうか。
(一生こなかったらどうしよう……気が狂いそう)
大切にしたい、ほんの少しも傷つけたくない、大事すぎて苦しい。
水を滴らせながら、前を歩く背中を熱くみつめる。こんな目でみていては、バレてしまう……。鉄堅は、そっと視線を外した。
そろそろ日が陰ってきたので、二人は、川遊びをやめることにした。
「あぁ、最高に楽しかった、川って泳げなくても遊ぶこといっぱいあるな」
「だね、魚があんなにいっぱいいるとは思わなかった、捕まえられなかったけど」
「俺は一瞬掴んだ、ぬるって指の間ぬけちゃったけど、魚めちゃ早いな、急加速ブースト半端ねぇ、今度は、魚捕まえて焼いて食べてみたいな」
「鮎とか、美味しそうだよね炉端焼き」
「良いなーー、腹減ってきた、パン食べよ」
「うん」
葉月にタオルを渡して、自分の身体も水気を拭き取る。葉月が視界にはいらないようにして着替えた。
日が本格的に落ちると、真っ暗になってしまう。まだ薄暗い程度で、周りが見えるが、真っ暗になったら何もできない。ちょっと怖い。
簡易テントに蚊帳をかぶせて、寝袋をひいた。小さな小さな秘密基地みたいなテントの中に二人は座った。
葉月は、ちらっと鉄堅をみた。蚊帳に隙間ができないように石で重しを置いてる。
「なぁ、暗くなると、もしかしてこれ真っ暗にならない?スマホの充電もつかな」
「ちょっとまってね」
鉄堅は、鞄からごそごそと、懐中電灯とさっき買った、1リットルのペットボトルを出した。
石を土台にして、懐中電灯を立てると、その上にペットボトルを置いてスイッチを入れる。
すると、下から照らされたペットボトルは、パァッと、光を拡散して、辺りが明るく照らされた。
「すげぇ! ランタンじゃん」
「夜はつけっぱなしにしとこうか」
「うん、明かりが有るって安心する、実はちょっと不安だったけど、平気になった、お前って凄いね」
「不安だった? 何があっても守るよ」
「熊とか来たらどうしよう」
「僕が傘で戦うから、葉月ちゃんは逃げて」
「ばか、お前を置いて逃げるとか有り得ないだろ、嘘だよ、熊なんか来ない」
「うん」
それでも、何かあったら絶対に葉月ちゃんだけは逃がす。絶対に。それだけは小さな頃からの自分の掟みたいなものだから。
隣で、もそもそとパンを食べてる葉月を愛おしく見つめながら、鉄堅もパンを食べた。
いつの間にか空には星が輝いて、だけれど、木が沢山あるせいで、穴から上を見上げる程度しか星空が見えなかった。
「なんか、もっと1面の星空が有るのかと思ってた」
葉月がボソッと呟く。
「ほんとだね、穴の中に居るみたいだ」
「まぁ、お前と二人なら穴でも」
「え?」
「穴でも楽しい」
「葉月ちゃん!」
どうしてこの人は何度も心を撃ち抜くような言葉を。必死で静めてる気持ちを刺激しないで欲しい。鉄堅は、隣に寄り添うように座ってる葉月の肩にそっと手を回した。
葉月が甘えるみたいにもたれ掛かってきて、心臓がどうにかなりそうだと思った。
チョロチョロ逃げる魚に翻弄れて、追い回すうちに二人の頭がゴチンてなって、爆笑。めちゃくちゃ楽しい。
丸いスベスベの平な石を見つけて拾っては、投げてみたり……トントンボチャッ、3回続けば良い方で、投げ方を工夫しているうちに手首が疲れてきた。
手首をふるふるとふりながら、葉月がぼやく。
「なかなか続かないな、むずい」
「石が大きい方が良いのか、小さい方が良いのか、単純に力が足りないのか、奥深い」
「ぷっ、そんな真面目に考え込むなよーー」
ケラケラ笑う葉月に、鉄堅は内心ホッとする。さっきの自分の気持ちがばれなくて良かった。正直自分でも動揺してる。
葉月のことがずっと好きで好きでたまらなかった。だが、一度その想いが消え、空っぽになった心に再び、再燃した想いは止まることを知らない。どんどん加熱していって。心だけじゃ、もう足りないくらいに自分の中で膨れ上がっていた。
葉月よりも先に大きく身体が成長して、それに伴って性的な部分もおそらく葉月より早く育った。そもそも葉月はどうなのだろう。精通がきたかなんて聞ける訳がないけれど。
(葉月ちゃんて……性欲とか無さそう)
キスはしてくれるけど、それ以上先があることを知っているのだろうか? 保健体育の授業で知っている筈だし、さすがにいくら鈍くても知っているとは思うが……だが葉月である。
鉄堅は悩ましげにため息をはく。自分は待つつもりだ、葉月がそういった感情を自分に持ってくれる日まで。
何年でも、幾年でも待つつもりでは有るけれど、小学生のように純情な葉月に、果たしてそんな日が来るのだろうか。
(一生こなかったらどうしよう……気が狂いそう)
大切にしたい、ほんの少しも傷つけたくない、大事すぎて苦しい。
水を滴らせながら、前を歩く背中を熱くみつめる。こんな目でみていては、バレてしまう……。鉄堅は、そっと視線を外した。
そろそろ日が陰ってきたので、二人は、川遊びをやめることにした。
「あぁ、最高に楽しかった、川って泳げなくても遊ぶこといっぱいあるな」
「だね、魚があんなにいっぱいいるとは思わなかった、捕まえられなかったけど」
「俺は一瞬掴んだ、ぬるって指の間ぬけちゃったけど、魚めちゃ早いな、急加速ブースト半端ねぇ、今度は、魚捕まえて焼いて食べてみたいな」
「鮎とか、美味しそうだよね炉端焼き」
「良いなーー、腹減ってきた、パン食べよ」
「うん」
葉月にタオルを渡して、自分の身体も水気を拭き取る。葉月が視界にはいらないようにして着替えた。
日が本格的に落ちると、真っ暗になってしまう。まだ薄暗い程度で、周りが見えるが、真っ暗になったら何もできない。ちょっと怖い。
簡易テントに蚊帳をかぶせて、寝袋をひいた。小さな小さな秘密基地みたいなテントの中に二人は座った。
葉月は、ちらっと鉄堅をみた。蚊帳に隙間ができないように石で重しを置いてる。
「なぁ、暗くなると、もしかしてこれ真っ暗にならない?スマホの充電もつかな」
「ちょっとまってね」
鉄堅は、鞄からごそごそと、懐中電灯とさっき買った、1リットルのペットボトルを出した。
石を土台にして、懐中電灯を立てると、その上にペットボトルを置いてスイッチを入れる。
すると、下から照らされたペットボトルは、パァッと、光を拡散して、辺りが明るく照らされた。
「すげぇ! ランタンじゃん」
「夜はつけっぱなしにしとこうか」
「うん、明かりが有るって安心する、実はちょっと不安だったけど、平気になった、お前って凄いね」
「不安だった? 何があっても守るよ」
「熊とか来たらどうしよう」
「僕が傘で戦うから、葉月ちゃんは逃げて」
「ばか、お前を置いて逃げるとか有り得ないだろ、嘘だよ、熊なんか来ない」
「うん」
それでも、何かあったら絶対に葉月ちゃんだけは逃がす。絶対に。それだけは小さな頃からの自分の掟みたいなものだから。
隣で、もそもそとパンを食べてる葉月を愛おしく見つめながら、鉄堅もパンを食べた。
いつの間にか空には星が輝いて、だけれど、木が沢山あるせいで、穴から上を見上げる程度しか星空が見えなかった。
「なんか、もっと1面の星空が有るのかと思ってた」
葉月がボソッと呟く。
「ほんとだね、穴の中に居るみたいだ」
「まぁ、お前と二人なら穴でも」
「え?」
「穴でも楽しい」
「葉月ちゃん!」
どうしてこの人は何度も心を撃ち抜くような言葉を。必死で静めてる気持ちを刺激しないで欲しい。鉄堅は、隣に寄り添うように座ってる葉月の肩にそっと手を回した。
葉月が甘えるみたいにもたれ掛かってきて、心臓がどうにかなりそうだと思った。
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