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第一章
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幼かったあの頃、アルファってだけで嫌ってた。小さい頃から葉月の事を好きだった鉄堅からしたら、それは毎日ナイフを投げつけられるようなものだっただろう。
傷つけていた、長い間、知らなかったとはいえ、ずっと自分が思っていた以上に、言葉と態度でずっと。
葉月は、青ざめうつむいた。
「ごめん」
「もう……昔の、子供の頃のことだよ」
「俺、もし知ってたらそんなこと」
言わなかったと言い切れるだろうか。幼かった自分にとって、アルファは格好のサンドバックだった。何を言っても母親を奪った憎い奴と、同じというだけで、全部のアルファが敵にみえてた。
鉄堅が自分もアルファだなんて言えるわけない。好きな人に更に嫌われると解ってて言えるわけない。
ひどく落ち込んだ気持ちになった。特定しない暴言だったはずなのに、知らず知らず鉄堅に全部ぶつけていたなんて。
鉄堅は、どんな気持ちで耐えていたんだろう。文句も反論も一つもせずに、ただ雨に打たれるみたいに降り注ぐ暴言に、じっと耐えて、それでも俺を好きでいたなんて。
「お前……おかしいよ、普通俺のこと嫌いになるだろ、そんなん、どうやって好きなままで居られるんだよ」
(やっぱり俺を好きなんて嘘なんじゃ?)
「嫌われてても、僕は葉月ちゃんのことが好きだった、今も昔も、これからも、それは少しも変わらないむしろ、どんどん好きになってくから、どうして良い解らなかった、好きな人に嫌われるのは何でだろうっていつも解らなくて、踠いてた。でも、それは葉月ちゃんのせいじゃない、僕が不甲斐ないから、好きになってもらえなかったから悪いんだ、だからどうか昔のことは気にしないで。今こうして、葉月ちゃんと喋れるだけで幸せ。だけどずっと好きだから、それだけはごめん」
「……っ」
なんだそれ、こんなの、こんな感情が恋なのか? こんな何もかも許すみたいな、何もかも捧げるみたいな感情が恋なの? もうこんなの、こんなに想われたらどうしたら良いんだよ。
ぽたりと、葉月の瞳から涙が落ちた。
こんな綺麗な感情知らない。
汚く醜く汚れた俺の暴言を、そんな風に許せる鉄堅はすごい。
「泣かないで葉月ちゃん、ごめんね」
「……ぅあ、お、おま……えっ」
なんで、お前が謝るんだよ。謝るのは俺なのに。
葉月はもう、我慢できなくて拳で目を押さえて嗚咽を漏らした。こんな、ずっと長い間、一途に自分だけを想ってくれた鉄堅に報いたいとおもった。この綺麗な感情を持つ、俺に全部を捧げるみたいな幼馴染みに報いたいと。たとえいつか消えても良い。こんな最悪な俺で、こいつが満足するなら、向き合いたい。
カタンと椅子が動く音がして、鉄堅が帰るのかと思ったが、顔を上げられなかった。
しかし、鉄堅は立ち上がり、葉月の側にきて、そっと労るように、葉月を抱き締めた。
「ごめんね葉月ちゃん好きになって……ごめんね、泣かないで、昔の話だよ、今はなんにもつらくないよ、大丈夫だよ」
「ばか…やろ……」
あぁ、もうこの優しい男を手離せない。もう、嫌という程解った。
(俺は……俺も鉄堅が好きなんだ)
せっかく解ったのに、声が震えて言葉がでない。出るのは嗚咽ばかりで。鉄堅の優しい腕に抱かれて、葉月はしがみついて子供みたいに泣いた。
傷つけていた、長い間、知らなかったとはいえ、ずっと自分が思っていた以上に、言葉と態度でずっと。
葉月は、青ざめうつむいた。
「ごめん」
「もう……昔の、子供の頃のことだよ」
「俺、もし知ってたらそんなこと」
言わなかったと言い切れるだろうか。幼かった自分にとって、アルファは格好のサンドバックだった。何を言っても母親を奪った憎い奴と、同じというだけで、全部のアルファが敵にみえてた。
鉄堅が自分もアルファだなんて言えるわけない。好きな人に更に嫌われると解ってて言えるわけない。
ひどく落ち込んだ気持ちになった。特定しない暴言だったはずなのに、知らず知らず鉄堅に全部ぶつけていたなんて。
鉄堅は、どんな気持ちで耐えていたんだろう。文句も反論も一つもせずに、ただ雨に打たれるみたいに降り注ぐ暴言に、じっと耐えて、それでも俺を好きでいたなんて。
「お前……おかしいよ、普通俺のこと嫌いになるだろ、そんなん、どうやって好きなままで居られるんだよ」
(やっぱり俺を好きなんて嘘なんじゃ?)
「嫌われてても、僕は葉月ちゃんのことが好きだった、今も昔も、これからも、それは少しも変わらないむしろ、どんどん好きになってくから、どうして良い解らなかった、好きな人に嫌われるのは何でだろうっていつも解らなくて、踠いてた。でも、それは葉月ちゃんのせいじゃない、僕が不甲斐ないから、好きになってもらえなかったから悪いんだ、だからどうか昔のことは気にしないで。今こうして、葉月ちゃんと喋れるだけで幸せ。だけどずっと好きだから、それだけはごめん」
「……っ」
なんだそれ、こんなの、こんな感情が恋なのか? こんな何もかも許すみたいな、何もかも捧げるみたいな感情が恋なの? もうこんなの、こんなに想われたらどうしたら良いんだよ。
ぽたりと、葉月の瞳から涙が落ちた。
こんな綺麗な感情知らない。
汚く醜く汚れた俺の暴言を、そんな風に許せる鉄堅はすごい。
「泣かないで葉月ちゃん、ごめんね」
「……ぅあ、お、おま……えっ」
なんで、お前が謝るんだよ。謝るのは俺なのに。
葉月はもう、我慢できなくて拳で目を押さえて嗚咽を漏らした。こんな、ずっと長い間、一途に自分だけを想ってくれた鉄堅に報いたいとおもった。この綺麗な感情を持つ、俺に全部を捧げるみたいな幼馴染みに報いたいと。たとえいつか消えても良い。こんな最悪な俺で、こいつが満足するなら、向き合いたい。
カタンと椅子が動く音がして、鉄堅が帰るのかと思ったが、顔を上げられなかった。
しかし、鉄堅は立ち上がり、葉月の側にきて、そっと労るように、葉月を抱き締めた。
「ごめんね葉月ちゃん好きになって……ごめんね、泣かないで、昔の話だよ、今はなんにもつらくないよ、大丈夫だよ」
「ばか…やろ……」
あぁ、もうこの優しい男を手離せない。もう、嫌という程解った。
(俺は……俺も鉄堅が好きなんだ)
せっかく解ったのに、声が震えて言葉がでない。出るのは嗚咽ばかりで。鉄堅の優しい腕に抱かれて、葉月はしがみついて子供みたいに泣いた。
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