美智子先生と花子

蔵屋日唱

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花子と僕と美智子先生

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僕は学校の休みの日、自宅近くの松永湾に釣りに行く。僕は瀬戸内海にある松永に住んでいる。生まれも育ちも松永だ。祖父母、両親、妹の5人家族だ。釣りは、父から学んだ。瀬戸内海にある松永は、江戸時代、塩田で栄えた。何故、栄えたか。それは松永特有の気候だ。穏やかな気候、つまり大雨、台風などの被害がない。その理由は北は中国山脈、南は四国山脈に囲まれているからだ。両山脈が台風の進路を阻むからだ。そんな気候と緑に囲まれた大自然で、小学6年まで過ごした。後、10日で僕の好きな夏休みだ。宿題は嫌いだ好きな釣りができる。父と一緒に釣りができる。父は船を所有しているので、沖釣りができる。魚が沢山いる魚場のポイントに行ける。魚がよく釣れる。魚釣りの醍醐味、それは沢山魚が釣れることだ。
さて、今日は今から学校に行く。学校では、僕はいつも後ろの窓側の席だ。窓の外側は溝だ。水が流れているため、カニやメダカ、ザリガニがいる。僕は授業中でもよく、窓から溝の中の生き物を見る。たまに美智子先生に注意される。美智子先生は、僕のクラスの担任だ。僕は少しませている。それは父親の影響だ。僕の父親は小企業の会社を経営。仕事は土建業だ。従業員は20代から50代の人夫、10人だ。いつも親父は、忙しくしている。最近は釣りに連れて行ってくれない。僕は最近、好きな女子が出来た。寺田花子さんだ。僕と同じクラス。席は僕の隣。今年の四月、席替えがあり隣同士になった。以前から好意を持っていた。花子さんは目が二重で、歯並びもよく、おカッパ頭がよく似合う子だ。僕は彼女の笑顔が大好きだ。彼女の実家は牛乳店を営む。僕の家にも彼女の店の牛乳を配達してもらっている。彼女もそのことを知っているらしく、よく話題になる。
花子「うちの牛乳美味しい」
僕「うん」
花子「もっとなんか、言ってよ。美味しいとか、甘いとか、新鮮とか。いつもそうなんだから。」
僕「だって、僕苦手だもの。何を言っていいのかわからないよ」
花子「ばか。それだから私の気持ちもわからないのね。どうなのよ。私のこと。どう思ってるの」
僕「どうて。なんで答えていいかわからないよ」
花子「ばか」
僕「バカでないよ。僕、算数も国語も好きだよ」
花子「私、そんな意味に言ってないよ、浜ちゃんに」
僕「じゃ、どういう意味なの」
花子「浜ちゃんが鈍感という意味よ。この意味わかる」
花子はちょっと興奮気味に言った。あまりにも
浜ちゃんが自分の本音を言わないから花子は「バカ」と言ったのだ。
浜ちゃんは、やっと花子のばかの意味がわかった。
チャイムが鳴った。算数の授業だ。美智子先生が教室に来た。
今日の美智子先生は素敵だ。7月に入り、暑い日が続いている。白のブラウスがやけに輝いていた。まるで美智子先生は僕のエンジェルだ。花子と比べて、大人の色っぽさがある。
僕はませているのだろうか?
親父の影響なのだろうか?
僕の家庭は、祖父母、両親、妹と僕の5人家族だ。父は、土建屋を経営している。人夫が10人いる。
父は主に得意先確保に挨拶周りをしている。母は会社の経理を任されている。
父は学歴もなく、経理があまり得意でなかった。母は高校で簿記を習っていた。
そのため、父は母を頼りにしている。
父の趣味は魚釣りだ。船の操縦の資格を取り、小型の船を所有している。父が暇な時は僕を海に連れていってくれた。
父と魚釣りに行く時は必ず、僕を釣り具店に連れて行く。
父と一緒に魚の釣り針や浮などの仕掛けを探すのが好きだ。父に仕掛けについて、聞くと詳しく教えてくれる。そのため、僕もある程度の知識がある。 
父と行けないときは、その知識を一緒に行った人に披露する。
最近は、美智子先生とよく釣りに行くようになった。
美智子先生も松永で生まれ、育ち、地元の今津小学校の教師になった。
教室で見る美智子先生は、近寄り難い。なぜなら教師という立場で、生徒に接するからだ。
でも休日一緒に行く魚釣りの時の美智子先生は、近寄り安いし穏やかで、思いやりがあり素敵だ。僕は美智子先生が好きだ。
少しませているかもしれないけど、好きだ。
僕は自宅で父と母の仲の良い様子をよく見ている。父も母も同い年の33歳。
今でも二人はラブラブだ。僕の自慢は、両親がとにかく仲の良いこと。これに尽きる。ある日、学校から僕が帰ると父と母が縁側で寝転がっていた。まるで、猫が寝ているように。
僕は部屋にランドセルを置いて、庭に出た。庭に出て、土に穴を9箇所掘った。
庭に出来た野球盤に見立てた。
穴は、ホーム、ピッチャー、ファースト、セカンド、ショート、サード、ライト、センター、レフトの9箇所だ。しばらくして、近所の井上正樹が遊びにきた。
「浜ちゃん、来なよ」
正樹君とは、よく僕の家の庭で野球ゲームをする。
今日のように庭に野球盤のような穴を堀り、ビー玉と箸を加工して作ったバットで遊ぶ。
正樹君と僕はじゃいけんで、先攻と後攻を決めた。
「最初はグー、じゃいけんホイ」
僕はパー、正樹君はチョキ。正樹君の先攻だ。僕はピッチャーの位置にビー玉を置き、右の人差し指でビー玉を跳ねた。
正樹君はそのビー玉をバットで跳ねた。上手くバットに当たりセンターに飛んだ。
そのビー玉は運悪くセンターの穴に吸い込まれた。
「アウト。センターフライ」と僕は声をだした。
正樹君、「しまった。もう少し左を狙っていけばよかった」
この野球ゲームで、1時間が過ぎた。
正樹君は、そろばんの塾があると言って帰宅した。
僕は縁側に目をやった。まだ、両親は寝転がっている。
僕は母の乳房に手をかけている父を見た。
僕は父に言った。
「お父さん、そんなことしはないで、仕事いったら」
「何を」と凄い形相で、庭に降りて来た。僕は泣きながら庭の中をかけた。しかし、父に捕まってお尻を叩かれた。
「お父さん、痛いよ。もう許して」
僕は泣きながら父に訴えた。
父は、我に返り叩くのをやめた。僕はその場を離れて、外に遊びに行った。
僕は父と母のあのような光景を見て、思った。
お母さんは、何故、お父さんに怒らないのだろうか?と思った。
僕には男女が触れ合うという行為は男女で、冬に運動場でするおしくらまんじゅうか、フォークダンスくらいだ。女子の体に触れることはないし、触れたいと思ったこともない。
でも、テレビのNHKの”ダーウィンがやって来た”という番組で、チンパンジーのオスとメスがよりそい、メスの体を手で触るシーンをよく見た。父も母もチンパンジーと同じだなと思った。
次の日、僕は母に尋ねた。
「お母さん、昨日、父さんにオッパイを触られて気持ちよかったの」
「お前も大きくなったら分かるから。そんなことに興味持たなくていいよ。母さん、父さんが仲の良い証だよ」
「分かった。チンパンジーと同じだね」
母は無言で笑った。
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