出涸らし令嬢は今日も生きる！

第一章 出会い編

閑話 影達の東奔西走

※皇帝陛下の影達の会話集です。
本編裏話のようなので飛ばしてもokっす！

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ーレイランドルフ伯爵領地ー



ー『イール、皇帝からの指示はなんと？』

ー『レイランドルフ伯爵にまつわる“全て”を調べることだ、アール』

ー『領主か……。何かあるのか？我らが皇帝陛下に仇な恐れがある、とか』

ー『いやわからん。とにかくかなり早急との念押し入りだ。心して取り掛かれ』

ー『了解』

ー『それからウール、エール、オールの三人は王都に向かえ。ガルディアス騎士団長も直々に任務を言い渡されたらしく、先程早駆けで向かった。連絡役兼王都の情報収集に当たれ』

ー『『『了解』』』



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ートリアドス王国　王都・城下街の路地裏ー



ー『おいオール。貴様ガルディアス騎士団長と接触してそのまま陛下へ連絡に走るのではなかったのか？』

ー『エールか、ちょうど良いところに。…お前はそのガルディアス団長のところに行って使いを頼まれてやってくれ。任務達成の為、駒が一人欲しいらしい』

ー『どういうことだ？団長単独での達成が困難な程の任務なのか？……なんかオール貴様、顔色悪くないか』

ー『あ、ああ。やはりわかるか』

ー『当たり前だろ！我らの中でも一番のポーカーフェイスな貴様の顔色が優れなくなるほどのこと…はっきりと言って異常だ。一体何が』

ー『……ここだけの話、任務にはあの花が関係しているらしい』

ー『あの、花？……てもしやあの！？』

ー『ああそうだエール。名前は出すなよ、あの花だ。団長の任務の目標が被害を受けていたらしい』

ー『………な、なんて事だ。よもや今回我らが皇帝の来訪にあわせての！！』

ー『いや、どうやらその心配は殆ど無いそうだ。が、しかしだ。万が一という事もあるからと先んじてウールにはこの城下街を拠点にきな臭い事案がないか探るよう伝えてある。だからエールは気にせずガルディアス団長の指示に従ってくれ。
俺はそれを含めて団長よりの情報を一刻も早く、陛下に届けねばならんのでな』

ー『……そんな話の後で気にするなと言われてもな。だがまぁ、了解だ。…情報ことが情報ことだ、道中気を付けろ』

ー『ああ、わかっている』


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ーレイランドルフ伯爵領地ー



ー『アール……進捗状況は？』

ー『イールか。かなりのところまではな。だが、全ての情報に若干不明瞭さが残って嫌に気になる。王都からの連絡はまだ無いのか？些細なことで良い。情報の擦り合わせがしたい…でなければ陛下には到底報告など出来ん』

ー『何、昨日の今日とはいえ、たかが他国の一領主の情報収集程度でお前が二の足を踏むなど。……やはり只事では無いな、今回の任務は少々慎重を期す必要があるかもしれん…』

ー『いやどうも、そうも言ってられないらしいぞイール』

ー『？なんだ、どういう事だ』

ー『陛下の守り専属の一人でキール、いるだろう？そいつ、先程見かけた際に随分青い顔しててな。どうしたのか聞くと王都からの繋ぎとここの調査はどうなっている！と鬼気迫る表情で詰め寄ってきてな…。
途中経過で良いのならと伝えようとしたら、中途半端な情報では駄目だ！これでは陛下が暗黒面ダークサイドに…とかブツブツ呟いて去って行きやがった』


ー『は？』

ー『……それに何やらどこぞの娘の治療道具が、衣服がとかも言っていてなぁ。何のことだかわからんがとにかく急いだほうが良さそうだろ？』

ー『一体何が起きているというんだ…』

ー『同感だな。全く一体全体今回の任務はなんなのだ……！』





文句を言いつつ今日も彼らは、敬愛する皇帝陛下(上司)から与えられた任務達成の為に駆けずり回るのだった。