11 / 50
出会い〜ツガイ編
10話 ジレウス視点
しおりを挟む
(Side:ジレウス)
………エラい物拾ってきちまった。
衣服を着させるためにコーキを部屋に残してズンズンと階下へと降った俺は、
何とも複雑極まる境地でキッチンへと向かい、再度深いため息を吐いた。
何が問題かといえば、コーキのあの自覚なき容姿の暴力。
100%自分を信じてますと言わんばかりの真っ直ぐな眼差しでもって、
新しい服をすぐに用意されるより俺の衣服を強請ったり。
はたまたそれを与えられることをあんな破壊力満点な笑顔で喜びを弾けさせたり。
もうどうしてくれようかというほどの愛くるしさ!
……加えて。
(く……っ、やはりか)
ジトリと自身の下半身へと目をやり、嫌なものを認識してしまったと脱力する。
あの愛くるしさ満点な生き物の類稀なる色を帯びた瞳が喜びに潤んだのを目にした瞬間から、嫌な予感はしていたのだが……。
汚れなんてまるで知りませんといった風情なのに、
時折突然垂れ流される妙な色気。
彼が少年でなく成人していたなら間違いなく手を出しているに違いない、
俺の理性を試しているのかと、あの瞬間声を大にして叫びたかった。
ーーつまりぶっちゃけ、勃起った。
夕食の用意を言い訳にあの場を辞さなければならなかった自分の情けなさに、俺の精神ってこんなに脆かったっけとその場に蹲み込んで悶絶する。
彼が、コーキがこの世界における性事情をどう認識しているかは不明だが(そもそも精通という言葉すら知っているかも怪しい)、かなり性に対するモラルは緩い。
同じ種族は勿論、多種族、それも雄と雄、雌と雌、雄と雌、ようは何でもありなのだ。
更に種の繁栄、つまり子作りに関して言えば、
どの組み合わせであろうとも繁殖可、そこに例外はない。
(まぁ……アレを食べなければ妊娠の確率もそんなに高くはないんだが)
そうー、子作りに適したとある果実を食さなければ、
やたらめったら妊娠することはない。
しかし……問題は獣人。
俺を含め、人間以外の種族には発情期が存在する。
発情期時の交わりはその獣人個人の魔力や生命力の強さに比例する、
要は強ければ強いほどその相手は子を孕みやすいのだ(逆に例外もあるが)。
発情期は人間の女性の生理と違って年齢によって衰退するものではなく、
一生周期的に訪れるもの。
独身ならば娼館で発散させるか、家に引きこもって一人で処理し続ける。
だからこの世界で夫婦となった者らは皆子沢山が多い。
(幸いなことに俺の発情期はこの間済んだばかり…暫くは大丈夫な、はず)
今まで特定の相手を作らず、娼館に行っての処理も体外へと放出するからといって避妊も絶対ではないことを知っている俺は独り立ちして家を買ってからは、後者の家での引きこもりを選択し続けてきた。
これでもかと一人で発散する日々をほんの1週間前に終えたばかり。
ばかりだというのに……
(っ何で、反応してんだよっ……!)
眼前で大きくテントを張る己の下半身から無理やりに目を背け、
早く萎えろと呪詛を吐く。
しかしそこが性に於けるままならぬところ。
こんな時に限って一向に萎える気配を見せない自身の分身を忌々しげに押さえ、
前屈み姿勢でノロノロと浴室へと足を向けた。
『は、は……くっ、ふ………っ!』
くぐもった声を漏らし、どうかコーキに気付かれることがないようにと切に願いながら、手早く自身の劣情を鎮める処理に勤しむジレウスなのだった。
大の大人の、劣欲を伴った情けなさ過ぎる懊悩は、
中々声が掛からなくて不安に駆られたかの少年が
階下に姿を現す少し前まで続いたー。
===================================================
※ジレウスにショタっ気があることが判明してしまった1話でした(笑)
………エラい物拾ってきちまった。
衣服を着させるためにコーキを部屋に残してズンズンと階下へと降った俺は、
何とも複雑極まる境地でキッチンへと向かい、再度深いため息を吐いた。
何が問題かといえば、コーキのあの自覚なき容姿の暴力。
100%自分を信じてますと言わんばかりの真っ直ぐな眼差しでもって、
新しい服をすぐに用意されるより俺の衣服を強請ったり。
はたまたそれを与えられることをあんな破壊力満点な笑顔で喜びを弾けさせたり。
もうどうしてくれようかというほどの愛くるしさ!
……加えて。
(く……っ、やはりか)
ジトリと自身の下半身へと目をやり、嫌なものを認識してしまったと脱力する。
あの愛くるしさ満点な生き物の類稀なる色を帯びた瞳が喜びに潤んだのを目にした瞬間から、嫌な予感はしていたのだが……。
汚れなんてまるで知りませんといった風情なのに、
時折突然垂れ流される妙な色気。
彼が少年でなく成人していたなら間違いなく手を出しているに違いない、
俺の理性を試しているのかと、あの瞬間声を大にして叫びたかった。
ーーつまりぶっちゃけ、勃起った。
夕食の用意を言い訳にあの場を辞さなければならなかった自分の情けなさに、俺の精神ってこんなに脆かったっけとその場に蹲み込んで悶絶する。
彼が、コーキがこの世界における性事情をどう認識しているかは不明だが(そもそも精通という言葉すら知っているかも怪しい)、かなり性に対するモラルは緩い。
同じ種族は勿論、多種族、それも雄と雄、雌と雌、雄と雌、ようは何でもありなのだ。
更に種の繁栄、つまり子作りに関して言えば、
どの組み合わせであろうとも繁殖可、そこに例外はない。
(まぁ……アレを食べなければ妊娠の確率もそんなに高くはないんだが)
そうー、子作りに適したとある果実を食さなければ、
やたらめったら妊娠することはない。
しかし……問題は獣人。
俺を含め、人間以外の種族には発情期が存在する。
発情期時の交わりはその獣人個人の魔力や生命力の強さに比例する、
要は強ければ強いほどその相手は子を孕みやすいのだ(逆に例外もあるが)。
発情期は人間の女性の生理と違って年齢によって衰退するものではなく、
一生周期的に訪れるもの。
独身ならば娼館で発散させるか、家に引きこもって一人で処理し続ける。
だからこの世界で夫婦となった者らは皆子沢山が多い。
(幸いなことに俺の発情期はこの間済んだばかり…暫くは大丈夫な、はず)
今まで特定の相手を作らず、娼館に行っての処理も体外へと放出するからといって避妊も絶対ではないことを知っている俺は独り立ちして家を買ってからは、後者の家での引きこもりを選択し続けてきた。
これでもかと一人で発散する日々をほんの1週間前に終えたばかり。
ばかりだというのに……
(っ何で、反応してんだよっ……!)
眼前で大きくテントを張る己の下半身から無理やりに目を背け、
早く萎えろと呪詛を吐く。
しかしそこが性に於けるままならぬところ。
こんな時に限って一向に萎える気配を見せない自身の分身を忌々しげに押さえ、
前屈み姿勢でノロノロと浴室へと足を向けた。
『は、は……くっ、ふ………っ!』
くぐもった声を漏らし、どうかコーキに気付かれることがないようにと切に願いながら、手早く自身の劣情を鎮める処理に勤しむジレウスなのだった。
大の大人の、劣欲を伴った情けなさ過ぎる懊悩は、
中々声が掛からなくて不安に駆られたかの少年が
階下に姿を現す少し前まで続いたー。
===================================================
※ジレウスにショタっ気があることが判明してしまった1話でした(笑)
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
4,270
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる