その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第21話 怪しい気配

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妹ちゃんは実はかなりの天才魔法使いの才能を秘めていた。
そんな驚愕の真実を目の当たりにして小一時間。
俺と戦士ちゃんは盗賊ちゃんに様々な戦闘技能を学びながら山の割と上層にまで近付いていた。

今のところここに来るまでに特に変な様子はなかった。
ウサギの魔物 キラーラビットや狼型の魔物 ヴォルフ、他に中型のイノシシ型魔獣のワイルドボア…。
この山なら割といるような魔物ばかりとの事だった。
ワイルドボアはC級ダンジョンならボスとして君臨するような魔獣とのこと。
これを難なく倒せるかがC級とD級の分かれ目なんて言われてたりもするらしい。

ここに来るまでに約4匹ほど出くわした。
せっかくなのでそれぞれの討伐の記録を思い出してみる…。

1人1匹づつ倒していこうと言う話になり、まずは盗賊ちゃんが手本として瞬歩で背後に回り込み、首を切り落として1匹。
次に俺がレーヴァテインで丸焼きにして2匹。
ちなみにこの2匹目はそのままさばいて道中で食った。
盗賊ちゃん曰く、ワイルドボアの肉は元気が出る美味い肉としてギルドの食堂でも良く提供されてるらしい。
3匹目は魔法使いちゃんが擬似太陽光の熱線で脳みそを打ち抜き即死。
最も鮮度が良さそうと言うことでそのままさばいて生肉にして持ち帰ることになった。
最後に4匹目…。
これは戦士ちゃんの担当だった。
戦士ちゃんもここにたどり着くまでに瞬歩を習得し、他にも様々な剣技スキルを解放していた。

 この世界では修練や沢山の戦闘経験で目覚める技能系スキルと、何度も使うことでより強力になる魔術スキルの大まかに二種類があるらしい。

技能系スキルは使い方を学んでいたとしても身体がそのコツを覚えないと使うことが出来ないのに対し、魔術スキルは知識を得た上で一度基礎スキルが使えるようになれば、あとは何度も使っていくうちに複合スキルに目覚めるのだとか。

特徴としては、技能スキルは極めれば極めるほど使用者特有の専用スキルに覚醒していく。
ちなみにS級スキルは技能スキルしか存在してないらしい。
魔術スキルに関しては良くも悪くもコツを覚えれば誰にでも使えるものなのだ。
要はこれの組み合わせや使い方だと技能スキルの一つになるらしい。
これは魔女さんの使う熱線や地面の砂を鋭利な岩に作り直して放つ技などが技能スキルに当たるらしい。

つまり、魔女さんはあの時はまだS級スキルを使っていない…。
どうやら俺はまだまだあの2人の本気を見せてもらえてないようだ…。
ちなみにギルマスちゃんの使っていたあの変身スキルは種族スキルの一つ、ビーストモードと言う物の派生形らしく、あれもS級スキルではないらしい。

とまぁ、スキルの説明はこの辺で置いといて…。

4匹目のワイルドボアだが、これは戦士ちゃんがこのクエスト中に習得した剣技スキルにより倒された。

スキル名 神速絶刀。

彼の父親が使っていたA級剣技スキルだったらしい。
その剣に触れたものの命を絶つ神速の刃。

正確には、剣に気を込め一振りすることで、無数の気功の刃で目の前の敵を一瞬で何度も切り裂く必殺技らしい。
戦士ちゃんはこれに瞬歩を合わせることで、擦れ違い様に敵を何度も切り裂く上位版へとアップグレードしたらしい。

かくして、4匹目のワイルドボアはこのスキルにより一気に大量の肉片となった。

ちなみに先の3匹もこのスキル習得の練習台として全てさばいてもらっていたのであった。

「賢者の作ったこの剣…ほんと良く切れるわね…。
お父様の剣は切るよりも叩くって感じだったからなんか不思議な感じ。」
「うーん、しかもその剣、所謂経験値ブーストの作用もあるのかもだな。
元々、戦士の姉ちゃんは父親の剣技を何度も見て覚えてたんだよな?
それ故に頭ではスキルを知っていたがそれを使える身体が出来上がってなかった。
だが今回、実践の中でその見て覚えた物を何度も試すうちに完成させていったと…。
それにしたって普通に考えて早過ぎるんだよ。」

こいつに入れてる石は今は十勝石と琥珀。
恐らくは琥珀の持つ『緊張を解きほぐしリラックスして最大の力を発揮しやすくする】意味合いなどが、効果を生み出しているのか…?
いや、そういや十勝石ことオブシディアンには【求める結果にたどり着くスピードを早める】なんて意味合いもあるんだったな。

「色々と考え込んでるが、合点がいってる顔だなご主人様。実際、その効果があるってところか?」
「あぁ、俺の世界における石の意味合いを改めて確認したらそう捉えられなくもない意味合いが書いてあった。ほら、ココ。って読めないよな…。
えーっと、ここに書いてあるのはだな…。」
「大丈夫だ。オレのスキルに読解スキルがある。
初めて見るような文字もあらかた癖を見て読み取ることが出来るし、数分でそのクセから解読できるんだ。
えーっと…。【めるにたどりくすぴーどをめる】
何だこりゃ…。今まで見た文字の中でもずば抜けて訳ワカンねぇ…。」

漢字が読めないようだ…。ま、仕方ない。

「あ、なるほど。この妙に画数の思い文字は一部は何かしらの象していた形が変化したものなんだな…。ふむふむ。なるほど…。
【求める結果にたどり着くスピードを早める】であってるか?ご主人様!」
「うわ凄い。大正解。
俺の世界でも、他の国の人にはなかなか読めないこの世で最も難解な言語なんて言われてるのによく読めました♪
ご褒美になでなでしてあげよう♪」
「やりーっ♪ あ、優しく撫でられると逆に感じやすいかもだから、たまには激しくペットにするみたいになでなでしてみてくれないか?」
「こう…か?よーしよしよしよしよしよしよし」
「ひゃぁあぁあんっ!やぁあっ!コレ、ヤバイっ
いつものなでなでよりヤバイのぉぉっ!
はぁはぁ…しゅごかった…。えへへ…。」

くそ…!エロい!!無駄にエロい!

「ねぇ、賢者…。たまには私にもなでなでしてよ。私も頑張ったもん。イノシシ倒してさばいたもん。夕飯のおかずの材料用意したもん…。」
「勿論だ。どんな風に撫でる?優しく?激しく?抱き寄せて?」
「ん…。じゃあ…抱き寄せて…。
じゃなくって!勢いに任せてな、な、な、何言わせてんのよばかっ!ばぁか!」
「んじゃ、せっかくなので抱き寄せてみる。」

ふわりと胸元に抱き寄せて優しくなでなで。

「よく、頑張りました。すごいね戦士ちゃんは…。」
「あ、ありがと…。でも、たぶん今汗臭いからあまり抱き寄せられると恥ずかしい…。
女としては…。」

たしかに、天気もいいから汗だくだなぁ…。

「あ、そういえば俺の世界の汗拭きウェットティッシュがあるんだった。使うか?」

○ャッツビーの汗拭き系のウェットティッシュは本当に不着心地が良い。
ひんやり感もたまらんし。

「ひゃぁあぁあ!なにこれなにこれっ!すっごーい!身体がひんやりして気持ちいい~!
ほんと、賢者の世界のものにはおもろしいものが沢山あるのね!」
「はにゃぁぁぁ…。きもちーですぅ…。
ひんやり…。」
「あぁぁぁ…。これはヤバイなぁ…。
ていうかこれでご主人様に体中拭かれてぇ…。」
「盗賊ちゃん?この1日でほんと何があったのかなっ?色々と目覚めちゃったかな?大丈夫かな?」

ギルマスちゃんには「コレは罰だから」と頑なに奴隷紋の解除を拒否られたがほんと色々とマズイ…。

「ほんと、ギルマスちゃんに奴隷紋の解除お願いしないと…。」
「いやだ!!これは絶対に解除させない!
いいか?コレは俺がご主人様の所有物で、愛されてるって証みたいなもんなんだよ!オレにとっては…。
これのおかげで、その…ご主人様の気持ちもわかるから、なんかこう…繋がってるって感じがして安心できるんだ…。
それに…他の女が持ってないものを持ってるって言う優越感にも浸れるし。」
「おい、最後。
まぁ…。盗賊ちゃんが嫌じゃないっていうなら…もういっか…。」


愛されてる証…か。
この子も、愛に飢えている…。
孤独が怖いから何かにすがりたいんだろう…。
俺だってそうだ。
こうやって若い女の子達に囲まれてると、なんか微笑ましくもあるし…。

「ムラムラもしてきますか?」
「そう、ムラムラしてくる。ってオイィィイッ!
誰だ今のぉぉぉおっ!」
「やぁっ♂」
「すみません、挨拶の時に男性器を模した記号が見えるのは私の気のせいですか。
て言うか皇国のギルマス…。こんな所に居たんですか…。」

こいつ…人の心を読んでとんでもないことを女子3人の前で言い放ちやがって…。
約1名また悶々としてるじゃねぇか…。

「あなたたちも来ていると聞いていたので探していたんですよ。
結局今日の今日まで我が剣技を教える事が出来ていませんでしたからね。
どうです?私も同行いたしますので、このままダンジョンの奥まで行ってみませんか?」
「ご主人様のために言っとくが、暗闇の中でご主人様のケツに触ってきたらお前、本気でその股間のショートソード切り落とすからな。」
「ハハハハハ。怖い怖い…。」

あ、そだ。その前にだ。

「そだ、そろそろ弁当食おう。
なぁ、皇国のギルマスさん。なんかいいスポットある?」
「あぁ、勿論だ。ここは冒険者たちの修練スポットとしてかなり整備されてるからな。
ほら、あそこを見ろ。」

目線の先にあったのは…。

「冒険者しか入れないこの山に、冒険者のために作られた冒険者による店と飲食スペースだ。」
「色々と準備良すぎない?と言うかそれ儲かるのか…?」
「ちなみに、出勤する為にここら近隣に巣食う魔物を討伐して行かねばならないので、この店の店主は何気に強いんですよ。
まぁ元々は私の部下なんですがね。」

そだ。そう言えばこの人も強いんだった。
その人の部下なんだから当然弱いわけがないよな…。
さて、ではお弁当を食べるか…。

「私は、ワイルドボアのステーキでも注文してきますよ。ここでも人気なんですよアレ。
精が付くので♂」
「おい、盗賊ちゃん。こいつの股間のショートソード、いつでも切り落とす準備を頼む。」
「任せろご主人様。せめてもの慈悲だ。苦痛もなく切り落としてやる。」
「アハハハハハハ…。冗談だよ冗談…。まぁ精が付くと言うか色んなところがいろんな意味で物凄く元気になるとか、ステータスアップのブースト効果があるのは本当なんだけどね。」

盗賊ちゃんの方を見る。
目を逸らされる。

「ハハハハハ。若いっていいねぇ。」
「おい、今あんた盗賊ちゃんの心の声聞いたろ。なんて言ってた正直に話せ。」
「アハハハハハハ、話したら今度こそ股間の剣を切り落とされちゃうよー。アハハハハハハ。」

適当に誤魔化された。

「しかし、ここのカフェスペースは展望エリアにもなってるんだな…。景色が綺麗だなぁ…。
あとでみんなでまた写真撮ろうよ。」
「時間を切り取って紙に写し取る物…だったね。
たくさん収めておくと良い。君の世界にはないこの世界のものを、思い出を沢山集めておくんだよ。大人になると色んなものを思い出せなくなっていくからね…。
忘れたくない事、沢山あったはずなのに今の僕は本当にたくさんのことを忘れてしまった…。」

この人も色んな人との別れを経験してるんだろうな…。
どっちの意味でも…。
いや、茶化すわけじゃないが人の死ってのも慣れるもんじゃない…。
忘れたくもない。
ただ、時間と共に大切な人の声すら思い出せなくなっていくんだよな…。
俺ももう祖父母の声は思い出せなくなってきている…。
時々夢の中で出てきた時ですら、もう喋ってくれなくなってて…。
すごく寂しいんだよな…。

「ありますよね。そう言う夢。私も時々見ますよ。死んだ仲間たちの夢。
おっしゃるように少しづつ声や顔を思い出せなくなっていくんですよね…。
その道具は、画像だけでなく音も記憶できるんですね。
それが私たちの世界にもあれば…。
今はそう思いますよ。」
「なら、せめて俺が忘れない為にも今のこの瞬間を撮らせてくれよ。」

みんなでお弁当を食べながら俺はスマホでムービーを撮っていく。
みんなと一緒に、確かにこの時間を過ごした思い出を記憶していく。
綺麗な景色、色とりどりのおかずの入ったお弁当、みんなの素敵な笑顔。
どれも今の俺には宝物だ。

元の世界も恋しくないわけじゃないが、今は願わくばこの世界がずっと続いて欲しいと思う。

「これは…なかなかに面白い物をお持ちで…。
もしや貴方が最近、冒険者の方達が話題にしている【大賢者】様であらせられますか?」

背後から声がしたので振り返ってみる。
サーっと血の気が引く感覚、急に張り詰めた空気、剣に手をかける皇族のギルマス…。
こいつ…この世界に来て今まであった奴ら全員の比じゃない…!何者だ…?

「戦闘体制は解いて頂いて構いませんよ?
私はあなた方に危害を加えるつもりも、ここにいる人たちを襲うつもりもありませんよ。
そもそも、東の魔女ならまだしも、私があなた方のようなただの人間達に倒せるなどあり得ませんが。
あぁ、でもそちらの大賢者様なら傷を負わせる程度はできるかも知れませんねぇ…。」

危害を加えるつもりがない…?
それなのにこの覇気と殺気…?
そんなバカなことがあるのか…。
ギルマスは剣に手をかけることは出来てたが、俺は全く動けないってのに…。

「ふむ…。いやはや驚きました。
私が背後を取られる日が来るとは…。
貴女も何者ですか?」
「妾はそこの主様のおいなりさんじゃ。
主様を傷付ける物は妾が許さぬ…。
して、お主…何者じゃ?」

いつのまにか俺のカバンから飛び出したおいなりちゃんが相手の首に鉄扇を向けている。

「私は魔王様の配下の魔物が1人、ベヒーモスですよ。
大賢者様、先日は暴走したミノタウロスの討伐やアーマードドラゴンの討伐もして頂いたようで誠にありがとうございました。
アレは、私が魔王様に頼まれて用意していたものの1つです。
強きものを生み出すこと。
それが魔王様の願いでしたので。
少々、ダンジョンのハザードレベルを上げて冒険者様達を育成させて頂いていました。
私自身は冒険者の皆様が死なないように気を張って居たのですが、私以外の一部のものが暴走した結果、魔力無効化スキル持ちのアーマードドラゴンを生み出すわ駆け出し冒険者向けのダンジョンにミノタウロスを生み出すわ、A級冒険者向けダンジョンに雷虎 ラグナロクパンサーを生み出すわ…といくつか失敗を重ねてしまいました…。
ここは他の物を代表し、上に立つものの一人として謝罪させて頂きます。」

魔王の配下…。そしてやっぱ居たのか…魔王…。

「それってつまり…私たちのお父様もお母様も…最初に一緒に冒険してくれた先輩冒険者の人たちも…その魔王の願いのせいで、その傲慢な願いが生み出した事故で死んだって言うの…?
冗談じゃないわ…!だったら…あんたが責任とってその首で償いなさいよ!」

戦士ちゃんがスキル 神速絶刀を放つ。
が、その刃はベヒーモスに傷1つ付けることは叶わなかった。

「…っ!!」
「言ったでしょう?人間の剣では私に傷1つ負わせることは叶いませんよ?人の身を…捨てぬ限りは…。
ですが、貴女の怒りはごもっともです。
失礼ながら貴女の記憶を覗かせていただきました。
本当に申し訳ない事をしてしまいました…。
失われた命を戻す術を、私たちは持ち得ません…。
ですので、私は私の出来うる最大限の方法で貴女に謝罪させていただきます。
こちらを…。」

ベヒーモス、というかどう見てもただのイケオジ執事さんが戦士ちゃんに水晶玉を1つ渡す。

「こちらは記憶の宝玉。
貴女の中の記憶を保存して何度でも映し出せる水晶です。
これがあれば、私の部下のせいで貴女が失ってしまったご両親や先輩方の記憶を失う事なく保存して閲覧することが出来ます。
私には…この程度のことしかできません。
此度の事は、誠に申し訳ございませんでした…。」

そう言ってベヒーモスイケオジ執事おじさんはひざまづき頭を下げる。

「…………。到底許せるものではないわ…。
でも…、貴方にもきっとその部下さんの失敗を代わりに償いたい理由とかも…あるのよね?
私たちにとって、今ここにいるみんなや、失った仲間や家族が大切であるように、貴方にも…。
なら…。私は今はひとまずは…許す…。」
「ご理解が早くて助かります。
仰る通りです。失敗したのは…私の大切な家族…。
私の妹です。魔王様の意に反する失態…。
自らが手を下したわけではなくとも、人を殺めたと言う失態は…。
人と友好を深めたいと言う魔王様の意に反する…。
まぁ、その魔王様もその前に力試しをしたいなる大変矛盾した思いを抱いているのもまた事実ですが…。
ひとまず、魔王様は仰いました。
人が許すなら我もその罪を許すと…。
人が許さぬならお前もその身をもって罪を贖えと…。
貴女が許してくれてよかった…。お陰で私たちは救われました。」

普通、どう考えても許せるようなものではないだろう…。
なんで戦士ちゃんは…許したんだ?

「私は…貴方の誠意に答えただけよ…。
真実を知って怒りに震えた筈なのにね…。」
「優しいんだな。戦士ちゃんは…。」
「少なくとも、アレだけきちんと謝罪されたら怒る気も失せるってものよ…。
そしてそれ以上に、怒りを向けても私の力じゃ一切届かないって言う悔しさ…。
それもあったからよ。勘違いしないで。」

それを聞くとベヒーモスさんが一言。

「そう、私には届きません。
人の身を捨てた力でもなければ…ね。
我ら魔族を倒せるのは、同じ魔族か人の身を捨てた人ならざるものか…。
そこに限りなく近いのが、そちらの大賢者様にあらせられます。
そして…もう一人…。世界が生み出した存在が居ます。
人はそれを…【勇者】 そう呼ぶそうですね?」

勇者…。まぁ、魔王がいたら普通居そうなものだよな…。

「勇者…ですか…。
約1名心当たりがありますが…、いや…と言ってもアレはそもそも自称ですし…いやしかしですねぇ…。
たしかにS級スキル習得に伴いS級冒険者に昇格させましたが…。」

ベヒーモスさんはその勇者にも興味があるらしい。

「私は大賢者様、貴方の力を試させて欲しいんですよ。
魔王様とお戯れ頂けるほどのものかどうかを…ね。
それが私が今ここにる目的ですので。
とりあえず、ここではなんですのでそちらのダンジョン奥の私の部屋で戦いましょう。
貴方たちの言うボス部屋というやつです。
ささ、どうぞこちらへ…。」
「はぁ…貴方ですね…。私のところの自称勇者をたぶらかし、北の大地の魔王様の元へ行くよう促した老紳士というのは…。」

皇国のギルマスが大きなため息をついてうなだれる。

そして、俺たちは言われるがままにダンジョン奥のボス部屋へと案内されるのであった…。

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