132 / 137
ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。
第103話 思い出を取り返す旅へ
しおりを挟む
かくして私たちはエステレラさんと共にセントラルを抜け、隣国に支配された西の都とセントラルの国境付近まで来ていた。
「ここに来るのも、あの戦い以来になるなぁ~!それにしても強かったな!隣国の王は!私たち全員があっさり負けたからな!」
「その結果、お父さんが納める予定だったこの国はそのまま隣国に支配された…。でも、なんで隣国はそのままセントラルまで侵攻しなかったんだろう?」
「私もその件については正直理由が推察できない!何せ頭が良くないからな!」
「あ、はい。それはよく知ってます。」
途端、剣の持ち手で頭を小突かれた。
ただしエステレラさんの小突くはもはやどつくであるが。
「いっだぁぁぁぁっ!!ちょ、エステレラさん!加減ってもんを少しh」
「少しは言葉を選ぼうな?な?」
「あ、はい。ごめんなさい…。」
自分で頭悪いって言ったくせに理不尽だなこの人…。
ほんと理不尽だわ。超いてぇし…。くそ…。まじムカつく。
「ねぇ、エステレラさん。この国境にそって作られた壁って15年前はなかったんですよね?」
「あぁ、そうだ。この壁はあの戦いの最中で隣国の王が作り出しものだ。」
「これだけの巨大でとんでもない距離の壁を…?」
「あぁ、隣国はそもそも魔剣大国と呼ばれている国だ。
そして、その王は剣王と呼ばれ恐れられていた。
あの国の戦士達は皆、自分の魔力から一本の魔剣を生成しその魔剣で生涯闘うと言われている。
だが、剣王は1本どころか無数の魔剣を生成し扱う力を持っていた。
しかも、その生成した魔剣一つ一つが意思を持って襲いかかってくるんだよ。異常で異質な力だった…。
私の勇者の剣が…初めて折られたんだ。まるで、剣ごと私の心を折るかのような圧倒的力だった。」
そう言ってエステレラさんは空を仰ぎ見て、つぶやくように言葉を続けた。
「そして、王は私たちに向けてあの人の作ってきたアクセサリーや道具のたくさん詰まった鞄を投げつけてきたんだよ。奴の遺品だってね。」
「遺品…、お父さんを殺したのは…剣王ってこと?」
「おそらくね…。奴隷紋が消えてただでさえ情緒不安定になってたヴェルデがそれを見て力を暴走させてたっけなぁ…。
もちろん、我を忘れたのはヴェルデだけじゃない私も他のみんなもだ。
国民やギルドの人たちも皆、だれもが絶望と恐怖と怒りの感情を持ったと思う。
あの人はみんなにとっての大きな希望で、光だったからね。」
あの戦いでお父さんの築いた街に住んでいた多くの人たちが犠牲になった。
最も犠牲になったのは国を守らんと戦ったギルド所属の冒険者や賞金稼ぎの人たちと聞く。
「あの戦いで生き残った国民や冒険者の人たちは、確か今は隣国の国民として扱われてるんだっけ…。」
「そうだな。私たちロイヤルナイツと魔王やその配下は国外へと追放されたけどね。
ギルマスはあの国の人間として扱われてると聞いてる。」
「それってつまり…。」
そんな会話をしながら国境の壁に近づいたその時、会話の続きとして話そうとしていた内容が結果として目の前に現れた。
「はぁ…、なんでよりによってリィンと一緒にここにきたのニャ‥エステレラ…。」
「やぁ!久しぶりだねギルマス!
決まっているだろう!彼の作ったこの地を取り戻しにきたのさ!」
さっきまで湿っぽい話をしていたエステレラさんがいつものテンションで猫耳の少女に声をかける。
「何故!よりによって!あの人の子どもと一緒に死ににきたんだと言ってるのニャ!!ここがどこで!ワタシが誰かわからないわけじゃないだろうハズにゃ!!」
「あぁ。わかってるよ。だから言ったろう?取り戻しにきたんだって。
闘えるだけの力をつけるのに15年もかかってしまったけどね!」
そう言うとエステレラさんは、腰に下げた剣を抜いた。
「え?エステレラさん…その剣…折れてますけど…?」
「あぁ、そういえばリィンに見せるのは初めてだったな!これこそ、かの戦いで折られた私の剣だ!
そして…私の…魔剣だ!!ブレイブチャーーーージッ!!!!」
そう言うと、折れた剣が光り輝き新たな形へと変化していった。
「これが私の魔剣…エクスカイザーだ!!」
「にゃっ…!?まさか…剣王の加護もなく自ら魔剣を生成しただニャンて…いったいどう言うことにゃ!?」
「まぁ、勇者だからな!出来ると思えば大体のことは割となんとか出来る!!15年かかった事はびっくりしたがな!はっはっはっ!」
「相変わらずデタラメなヤツだにゃ…。」
「出まかせ運次第は私の専売特許みたいなもんさ!
で、どうするんだいギルマス。君は私と戦うのかい?」
そう言うと、ギルマスと呼ばれる少女は腰につけていた6本の短剣を指の間に挟んで構えた。
「忘れるな勇者エステレラ。いまお前の目の前にいるのは‥隣国に支配された土地のギルマスで…お前の敵にゃ…。
戦わないと言う選択肢は…選ぶことを許されていない!」
そう言うとギルマスは手足を虎のような姿に変化させ、獣人特有の特殊形態である獣化形態へと移行した。
「そうか。ギルマスは私と戦わなければならないか…!大変だな!何故なら私はかーなーり、強い!!からな!!」
「言ってろ小娘。数十年しか生きていない小童が私に敵うと思うなよ?」
ギルマスって人、目つきも鋭くなったと思ったら口調もかわってるぅうっ!?
と言うかこれもう私いない方が良くない!?
戦う前から次元が違いすぎるのまるわかりなんですけどぉぉおおっ!?
「ギルマスも魔剣を発動させたらどうだい?
それ、魔剣なんだろう?」
「ふん…後悔するなよ?」
指の間に挟んでいた短剣が巨大な虎の爪のような形に変化する。
その周りには雷がまとわりつき、見るからに強力そうに見える…。
「さて、やってみるか!いくぞギルマス!!」
エステレラさんがそう言うとギルマスはエステレラさんではなく、私目掛けてとんでもない速さで迫ってきt…
え!?私!?ちょちょちょ待って!私!?
ムリムリムリムリ!!戦えないから!!死ぬから!!
「待って待って待って!速っ!」
ギルマスさんが私に腕を大きく振りかぶり斬りかかろうとしてきたその時…、ズボンにつけてたヴァリアブルソードが勝手に姿を変えて大剣になって防御してくれた。
「うぉ…なんかよくわからないけど…助かった!!」
剣を握ると、剣は形を変えて細長い「刀」と言う武器の形に変化した。
なんでもこの「刀」と言うのは父の世界の故郷に伝わるそれはもうすごい剣だったとかなんとか…。
って今はそれどころじゃない!!
「ほう…?疾風迅雷の爆裂猫娘と恐れられた私の速度に対応するか…。よく鍛えられているじゃないか?リィン…。」
「私もこの速度が目に追えてることに驚いてますよ!
ていうかほんと速い!怖い!!」
「ギルマス!君の相手は私だろう!!こっちを向かないか!!」
エステレラさんが私の元へ駆け寄ろうとしたその時だった。
「エステレラさんストップ!!なんか足元で光ってる!!」
「これは…糸か…!!」
エステレラさんは糸に触れることなく器用に飛び跳ねて、私の元へと駆け降りた。
「ふぅ…流石ですね勇者さん。お久しぶりです。」
「ラルカ!君も私を阻もうとは驚いたな!」
「えぇ、あの人に名前は頂きましたが、私はロイヤルナイツではありませんから。」
「ただの人形屋さんの娘さんだった君が私相手に戦いを挑もうとは驚いたな!」
「仕方ありませんよ。私も此方に残された側ですから…。
剣王に従わない訳にはいきません…、癪に触りますが…。」
そう言うと、ラルカと言われた人の背中から8本の蜘蛛の足のようなものが現れる。
どうやらこれも魔剣の一つのようだ。
「魔剣まで蜘蛛なんだな君は!驚いたな!」
「まるで私にとっての罪や業が形にされたような気分ですよ…この形は…。ですが、とっても扱いやすいんです。」
見えないほど細い糸の刃がエステレラさんの周囲を複雑に囲っていく、動きを一つ間違えば全身をバラバラに切り落とすのではないか?と思えるほど足元の草を切り落として迫って来ている。
「ふむふむ!たしかにこれはすごいな!少し動けばバラバラ死体になってしまいそうだ!しかぁし!これでどうにか出来る私ではないのだ!」
エステレラさんが剣を構えると、剣は眩い光を放ち糸を消滅させていく。
「この力…!マジックキャンセラーですか!?」
「正直よくわからん!!とりあえず、消せるだろうと思ったらなんか消せた!それだけだ!」
相変わらずデタラメである。
一方、私の方はと言うと先ほどから高速移動しながら切りかかってくるギルマスさんの剣を、なんとか刀を打ちあわせることで軌道を逸らし凌いでると言う状態だった。
正直、反撃も出来る気がしない以上勝てる気が全くしないと言うところだった。
「死にたくないならさっさと逃げ帰ったらどうだ?逃げるなら私たちも戦う必要はない、あの人の子どもを私に傷つけさせないでくれないか?」
「それなら二人とも剣を納めてすんなりと中へ通してくださいよ!私はここに現れたとか言うお父さんの噂を確かめにきただけなんですから!!」
「それが出来るならそうしてる…。私たちに与えられた魔剣は呪いのようなものだ。ここに侵入する者を排除するために自動で発動し、私たちの身体を使っているような物だからな…。」
つまり、意志を持った魔剣に操られてるような状態って事か…。だったらこの魔剣を叩き壊す以外にはないって事だよね…。
とはいえ、弾き返すだけで精一杯なのにいったいどうしろって言うのよ…!
などと考えていたら再びヴァリアブルソードが勝手に形を変え始めた。
「なにこれ…鎌?って重っ!!」
急に重心が変わりバランスを崩した私はその鎌を翻弄されるように振り回してしまう。
が、たまたま振り回した鎌はギルマスさんの胸元を大きく切り裂いた。
「ふむ…!なるほどな!さすがはあの人の剣だ!!」
ギルマスさんの胸元を切り裂いた鎌は、ギルマスさんの胸元から黒い球体を引き摺り出してきた。
「よしいいぞリィン!そのまま振り回してその球体を切り裂け!」
「ええっ!?よくわかんないけど…うぉぉおりやぁあっ!!」
そのままその場で一回転するように鎌を振り回すと、黒い球体は砕け散っていった。
「よぉし!よくやった!」
エステレラさんがそう言ってガッツポーズをとるとギルマスさんが構えていた魔剣が消滅し、ギルマスさんは元の可愛い少女の姿へと戻っていった。
「にゃっ…!魔剣が破壊されたのにゃ…!」
「おぉ…それはたすかります。そのまま私もえいやっと頼みます。」
「えぇっ!?え、えいやーっ!」
私は再び鎌を振り下ろし、ラルカさんの胸元を同じように切り裂き引き摺り出された球体を破壊した。
「魔剣のコアだけを引き摺り出して破壊できる鎌…。
名付けて、ソウルイーターとでも言うべきでしょうか?
さすが彼の方の娘様ですね。お見事です。助かりました。」
「わけわかんないし…。もはや何が起こった…。」
「それがインフィニティブレードの真髄だリィン!
その剣は持ち主が望み、思い描いた力を持つ剣に自在に姿形を変えるアイテムなんだ!よくぞ使いこなしたな!
今更すぎて腹が立ってきたぞ!!」
なるほど…無意識で私、この剣を変化させたわけか…。
普段はただの木刀にしかならなかったのに…。
ん…?
「今最後にしれっとディスりました?」
「え?事実だろ?」
多分今の私、チベットスナギツネみたいな顔してる気がする。
いや、現物見たことないしこの世界にチベットとかないけど、多分伝え聞いたそんな生き物の顔してる。
「と、とりあえず!これで二人が私たちと戦う必要は無くなったわけね!さぁ!侵入しますよエステレラさん!なんならギルマスさんとラルカさんも!!」
「いやぁ…そう簡単にはいかないと思うにゃあ…。
大体こういう時こそろくでもないやつが来るもんだにゃ。
ほら、来た。えーーーーっと…にゃんだっけ…なんかこう、めちゃくちゃどすけべみたいな名前の。」
「ギルマスさん。聖豪騎士団です。
あと、ギルマスさん、響きは同じですがどっちかというとその考えに至るあなたの方がどすけべです。」
「にゃっ…にゃって…それはあの人にどすけべな身体に…」
「されてませんね私含め。幻想ですよ幻想。ハハッ…。」
な、なんだろう、この人たちの会話を聞けば聞くほど父を軽蔑しなければいけない気がするのはなんでだろう…。
などと考えてたら目の前にアイツが現れた。
カイザ…。また会うなんて…。
「ほう…。貴女は先日の…。一度は拾ったその命をわざわざ散らしにきたんですか?」
「カイザ…。」
「おやおや、顔が青ざめてますよ?今から死ぬ恐怖で青ざめるとは案外可愛いところもあるのですね。」
「ち、ちかづかないで!!お願いだからそれ以上!」
「近づかなければ殺せないでしょう?」
「じゃあせめてそれしまえ!この性豪騎士!!」
私はカイザの股間を指さした。
そこには亀さんが顔を出していました。
「……………、これは大変失礼を…。用を足してそのまま急いで来たせいで…。」
「言い訳とかいいから!!10代になんてもん見せてんのよこの性豪騎士!!」
「ぐふっ!!」
カイザが胸を押さえて倒れた。
「だ、団長!?しっかり!大丈夫ですよ!!団長は本当に性豪だとしても私はウェルカムですから!!」
「その励まし方はやめろ!!後ろで女性団員が引いてるだろ!」
イケメン同士が濃厚な絡みをしてるせいで、その後ろの女性団員がドン引き組とガッツポーズ組に分かれているのを私は見逃さなかった。
「あ、あんたもその…大変なのね…。」
「そんなことはどうでも良い…。国に入るなら私は今度こそ貴女を殺しますよ。」
「そうなるよね…。ところでさ…。」
明らかに胸を押さえて震えてるカイザに私は一応聞いてみた。
「戦えそう?」
「ごめんなさい。落ち着くまで少し待ってください。」
カイザは意外と女の子の一言に弱いことが判明したのであった。
「ここに来るのも、あの戦い以来になるなぁ~!それにしても強かったな!隣国の王は!私たち全員があっさり負けたからな!」
「その結果、お父さんが納める予定だったこの国はそのまま隣国に支配された…。でも、なんで隣国はそのままセントラルまで侵攻しなかったんだろう?」
「私もその件については正直理由が推察できない!何せ頭が良くないからな!」
「あ、はい。それはよく知ってます。」
途端、剣の持ち手で頭を小突かれた。
ただしエステレラさんの小突くはもはやどつくであるが。
「いっだぁぁぁぁっ!!ちょ、エステレラさん!加減ってもんを少しh」
「少しは言葉を選ぼうな?な?」
「あ、はい。ごめんなさい…。」
自分で頭悪いって言ったくせに理不尽だなこの人…。
ほんと理不尽だわ。超いてぇし…。くそ…。まじムカつく。
「ねぇ、エステレラさん。この国境にそって作られた壁って15年前はなかったんですよね?」
「あぁ、そうだ。この壁はあの戦いの最中で隣国の王が作り出しものだ。」
「これだけの巨大でとんでもない距離の壁を…?」
「あぁ、隣国はそもそも魔剣大国と呼ばれている国だ。
そして、その王は剣王と呼ばれ恐れられていた。
あの国の戦士達は皆、自分の魔力から一本の魔剣を生成しその魔剣で生涯闘うと言われている。
だが、剣王は1本どころか無数の魔剣を生成し扱う力を持っていた。
しかも、その生成した魔剣一つ一つが意思を持って襲いかかってくるんだよ。異常で異質な力だった…。
私の勇者の剣が…初めて折られたんだ。まるで、剣ごと私の心を折るかのような圧倒的力だった。」
そう言ってエステレラさんは空を仰ぎ見て、つぶやくように言葉を続けた。
「そして、王は私たちに向けてあの人の作ってきたアクセサリーや道具のたくさん詰まった鞄を投げつけてきたんだよ。奴の遺品だってね。」
「遺品…、お父さんを殺したのは…剣王ってこと?」
「おそらくね…。奴隷紋が消えてただでさえ情緒不安定になってたヴェルデがそれを見て力を暴走させてたっけなぁ…。
もちろん、我を忘れたのはヴェルデだけじゃない私も他のみんなもだ。
国民やギルドの人たちも皆、だれもが絶望と恐怖と怒りの感情を持ったと思う。
あの人はみんなにとっての大きな希望で、光だったからね。」
あの戦いでお父さんの築いた街に住んでいた多くの人たちが犠牲になった。
最も犠牲になったのは国を守らんと戦ったギルド所属の冒険者や賞金稼ぎの人たちと聞く。
「あの戦いで生き残った国民や冒険者の人たちは、確か今は隣国の国民として扱われてるんだっけ…。」
「そうだな。私たちロイヤルナイツと魔王やその配下は国外へと追放されたけどね。
ギルマスはあの国の人間として扱われてると聞いてる。」
「それってつまり…。」
そんな会話をしながら国境の壁に近づいたその時、会話の続きとして話そうとしていた内容が結果として目の前に現れた。
「はぁ…、なんでよりによってリィンと一緒にここにきたのニャ‥エステレラ…。」
「やぁ!久しぶりだねギルマス!
決まっているだろう!彼の作ったこの地を取り戻しにきたのさ!」
さっきまで湿っぽい話をしていたエステレラさんがいつものテンションで猫耳の少女に声をかける。
「何故!よりによって!あの人の子どもと一緒に死ににきたんだと言ってるのニャ!!ここがどこで!ワタシが誰かわからないわけじゃないだろうハズにゃ!!」
「あぁ。わかってるよ。だから言ったろう?取り戻しにきたんだって。
闘えるだけの力をつけるのに15年もかかってしまったけどね!」
そう言うとエステレラさんは、腰に下げた剣を抜いた。
「え?エステレラさん…その剣…折れてますけど…?」
「あぁ、そういえばリィンに見せるのは初めてだったな!これこそ、かの戦いで折られた私の剣だ!
そして…私の…魔剣だ!!ブレイブチャーーーージッ!!!!」
そう言うと、折れた剣が光り輝き新たな形へと変化していった。
「これが私の魔剣…エクスカイザーだ!!」
「にゃっ…!?まさか…剣王の加護もなく自ら魔剣を生成しただニャンて…いったいどう言うことにゃ!?」
「まぁ、勇者だからな!出来ると思えば大体のことは割となんとか出来る!!15年かかった事はびっくりしたがな!はっはっはっ!」
「相変わらずデタラメなヤツだにゃ…。」
「出まかせ運次第は私の専売特許みたいなもんさ!
で、どうするんだいギルマス。君は私と戦うのかい?」
そう言うと、ギルマスと呼ばれる少女は腰につけていた6本の短剣を指の間に挟んで構えた。
「忘れるな勇者エステレラ。いまお前の目の前にいるのは‥隣国に支配された土地のギルマスで…お前の敵にゃ…。
戦わないと言う選択肢は…選ぶことを許されていない!」
そう言うとギルマスは手足を虎のような姿に変化させ、獣人特有の特殊形態である獣化形態へと移行した。
「そうか。ギルマスは私と戦わなければならないか…!大変だな!何故なら私はかーなーり、強い!!からな!!」
「言ってろ小娘。数十年しか生きていない小童が私に敵うと思うなよ?」
ギルマスって人、目つきも鋭くなったと思ったら口調もかわってるぅうっ!?
と言うかこれもう私いない方が良くない!?
戦う前から次元が違いすぎるのまるわかりなんですけどぉぉおおっ!?
「ギルマスも魔剣を発動させたらどうだい?
それ、魔剣なんだろう?」
「ふん…後悔するなよ?」
指の間に挟んでいた短剣が巨大な虎の爪のような形に変化する。
その周りには雷がまとわりつき、見るからに強力そうに見える…。
「さて、やってみるか!いくぞギルマス!!」
エステレラさんがそう言うとギルマスはエステレラさんではなく、私目掛けてとんでもない速さで迫ってきt…
え!?私!?ちょちょちょ待って!私!?
ムリムリムリムリ!!戦えないから!!死ぬから!!
「待って待って待って!速っ!」
ギルマスさんが私に腕を大きく振りかぶり斬りかかろうとしてきたその時…、ズボンにつけてたヴァリアブルソードが勝手に姿を変えて大剣になって防御してくれた。
「うぉ…なんかよくわからないけど…助かった!!」
剣を握ると、剣は形を変えて細長い「刀」と言う武器の形に変化した。
なんでもこの「刀」と言うのは父の世界の故郷に伝わるそれはもうすごい剣だったとかなんとか…。
って今はそれどころじゃない!!
「ほう…?疾風迅雷の爆裂猫娘と恐れられた私の速度に対応するか…。よく鍛えられているじゃないか?リィン…。」
「私もこの速度が目に追えてることに驚いてますよ!
ていうかほんと速い!怖い!!」
「ギルマス!君の相手は私だろう!!こっちを向かないか!!」
エステレラさんが私の元へ駆け寄ろうとしたその時だった。
「エステレラさんストップ!!なんか足元で光ってる!!」
「これは…糸か…!!」
エステレラさんは糸に触れることなく器用に飛び跳ねて、私の元へと駆け降りた。
「ふぅ…流石ですね勇者さん。お久しぶりです。」
「ラルカ!君も私を阻もうとは驚いたな!」
「えぇ、あの人に名前は頂きましたが、私はロイヤルナイツではありませんから。」
「ただの人形屋さんの娘さんだった君が私相手に戦いを挑もうとは驚いたな!」
「仕方ありませんよ。私も此方に残された側ですから…。
剣王に従わない訳にはいきません…、癪に触りますが…。」
そう言うと、ラルカと言われた人の背中から8本の蜘蛛の足のようなものが現れる。
どうやらこれも魔剣の一つのようだ。
「魔剣まで蜘蛛なんだな君は!驚いたな!」
「まるで私にとっての罪や業が形にされたような気分ですよ…この形は…。ですが、とっても扱いやすいんです。」
見えないほど細い糸の刃がエステレラさんの周囲を複雑に囲っていく、動きを一つ間違えば全身をバラバラに切り落とすのではないか?と思えるほど足元の草を切り落として迫って来ている。
「ふむふむ!たしかにこれはすごいな!少し動けばバラバラ死体になってしまいそうだ!しかぁし!これでどうにか出来る私ではないのだ!」
エステレラさんが剣を構えると、剣は眩い光を放ち糸を消滅させていく。
「この力…!マジックキャンセラーですか!?」
「正直よくわからん!!とりあえず、消せるだろうと思ったらなんか消せた!それだけだ!」
相変わらずデタラメである。
一方、私の方はと言うと先ほどから高速移動しながら切りかかってくるギルマスさんの剣を、なんとか刀を打ちあわせることで軌道を逸らし凌いでると言う状態だった。
正直、反撃も出来る気がしない以上勝てる気が全くしないと言うところだった。
「死にたくないならさっさと逃げ帰ったらどうだ?逃げるなら私たちも戦う必要はない、あの人の子どもを私に傷つけさせないでくれないか?」
「それなら二人とも剣を納めてすんなりと中へ通してくださいよ!私はここに現れたとか言うお父さんの噂を確かめにきただけなんですから!!」
「それが出来るならそうしてる…。私たちに与えられた魔剣は呪いのようなものだ。ここに侵入する者を排除するために自動で発動し、私たちの身体を使っているような物だからな…。」
つまり、意志を持った魔剣に操られてるような状態って事か…。だったらこの魔剣を叩き壊す以外にはないって事だよね…。
とはいえ、弾き返すだけで精一杯なのにいったいどうしろって言うのよ…!
などと考えていたら再びヴァリアブルソードが勝手に形を変え始めた。
「なにこれ…鎌?って重っ!!」
急に重心が変わりバランスを崩した私はその鎌を翻弄されるように振り回してしまう。
が、たまたま振り回した鎌はギルマスさんの胸元を大きく切り裂いた。
「ふむ…!なるほどな!さすがはあの人の剣だ!!」
ギルマスさんの胸元を切り裂いた鎌は、ギルマスさんの胸元から黒い球体を引き摺り出してきた。
「よしいいぞリィン!そのまま振り回してその球体を切り裂け!」
「ええっ!?よくわかんないけど…うぉぉおりやぁあっ!!」
そのままその場で一回転するように鎌を振り回すと、黒い球体は砕け散っていった。
「よぉし!よくやった!」
エステレラさんがそう言ってガッツポーズをとるとギルマスさんが構えていた魔剣が消滅し、ギルマスさんは元の可愛い少女の姿へと戻っていった。
「にゃっ…!魔剣が破壊されたのにゃ…!」
「おぉ…それはたすかります。そのまま私もえいやっと頼みます。」
「えぇっ!?え、えいやーっ!」
私は再び鎌を振り下ろし、ラルカさんの胸元を同じように切り裂き引き摺り出された球体を破壊した。
「魔剣のコアだけを引き摺り出して破壊できる鎌…。
名付けて、ソウルイーターとでも言うべきでしょうか?
さすが彼の方の娘様ですね。お見事です。助かりました。」
「わけわかんないし…。もはや何が起こった…。」
「それがインフィニティブレードの真髄だリィン!
その剣は持ち主が望み、思い描いた力を持つ剣に自在に姿形を変えるアイテムなんだ!よくぞ使いこなしたな!
今更すぎて腹が立ってきたぞ!!」
なるほど…無意識で私、この剣を変化させたわけか…。
普段はただの木刀にしかならなかったのに…。
ん…?
「今最後にしれっとディスりました?」
「え?事実だろ?」
多分今の私、チベットスナギツネみたいな顔してる気がする。
いや、現物見たことないしこの世界にチベットとかないけど、多分伝え聞いたそんな生き物の顔してる。
「と、とりあえず!これで二人が私たちと戦う必要は無くなったわけね!さぁ!侵入しますよエステレラさん!なんならギルマスさんとラルカさんも!!」
「いやぁ…そう簡単にはいかないと思うにゃあ…。
大体こういう時こそろくでもないやつが来るもんだにゃ。
ほら、来た。えーーーーっと…にゃんだっけ…なんかこう、めちゃくちゃどすけべみたいな名前の。」
「ギルマスさん。聖豪騎士団です。
あと、ギルマスさん、響きは同じですがどっちかというとその考えに至るあなたの方がどすけべです。」
「にゃっ…にゃって…それはあの人にどすけべな身体に…」
「されてませんね私含め。幻想ですよ幻想。ハハッ…。」
な、なんだろう、この人たちの会話を聞けば聞くほど父を軽蔑しなければいけない気がするのはなんでだろう…。
などと考えてたら目の前にアイツが現れた。
カイザ…。また会うなんて…。
「ほう…。貴女は先日の…。一度は拾ったその命をわざわざ散らしにきたんですか?」
「カイザ…。」
「おやおや、顔が青ざめてますよ?今から死ぬ恐怖で青ざめるとは案外可愛いところもあるのですね。」
「ち、ちかづかないで!!お願いだからそれ以上!」
「近づかなければ殺せないでしょう?」
「じゃあせめてそれしまえ!この性豪騎士!!」
私はカイザの股間を指さした。
そこには亀さんが顔を出していました。
「……………、これは大変失礼を…。用を足してそのまま急いで来たせいで…。」
「言い訳とかいいから!!10代になんてもん見せてんのよこの性豪騎士!!」
「ぐふっ!!」
カイザが胸を押さえて倒れた。
「だ、団長!?しっかり!大丈夫ですよ!!団長は本当に性豪だとしても私はウェルカムですから!!」
「その励まし方はやめろ!!後ろで女性団員が引いてるだろ!」
イケメン同士が濃厚な絡みをしてるせいで、その後ろの女性団員がドン引き組とガッツポーズ組に分かれているのを私は見逃さなかった。
「あ、あんたもその…大変なのね…。」
「そんなことはどうでも良い…。国に入るなら私は今度こそ貴女を殺しますよ。」
「そうなるよね…。ところでさ…。」
明らかに胸を押さえて震えてるカイザに私は一応聞いてみた。
「戦えそう?」
「ごめんなさい。落ち着くまで少し待ってください。」
カイザは意外と女の子の一言に弱いことが判明したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました
月神世一
ファンタジー
「命を捨てて勝つな。生きて勝て」
50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する!
海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。
再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は――
「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」
途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。
子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。
規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。
「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」
坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。
呼び出すのは、自衛隊の補給物資。
高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。
魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。
これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
蔑ろにされましたが実は聖女でした ー できない、やめておけ、あなたには無理という言葉は全て覆させていただきます! ー
みーしゃ
ファンタジー
生まれつきMPが1しかないカテリーナは、義母や義妹たちからイジメられ、ないがしろにされた生活を送っていた。しかし、本をきっかけに女神への信仰と勉強を始め、イケメンで優秀な兄の力も借りて、宮廷大学への入学を目指す。
魔法が使えなくても、何かできる事はあるはず。
人生を変え、自分にできることを探すため、カテリーナの挑戦が始まる。
そして、カテリーナの行動により、周囲の認識は彼女を聖女へと変えていくのだった。
物語は、後期ビザンツ帝国時代に似た、魔物や魔法が存在する異世界です。だんだんと逆ハーレムな展開になっていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる