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緊急入院と夏
定期検診
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1ヶ月は思った以上に早く過ぎていく。
あの日から、厨房のみんなとはうまく話しながら、できることを増やしていった。
体調がつらい時は休ませてもらっていたけれど、
「助け合いだからね」
と大河さんは笑顔で言う。
先月よりも心と身体は楽だった。
しかし、1ヶ月過ぎたといえば……
「んぅ……」
「ごめんよ~、ちょっと力抜いててね」
「むり…です…」
月1の検診はすぐにやってくる。
吹田先生の診察を終えて、次は大海先生の診察。
今日は……内診がある日。
「深呼吸しようか。吸ってーー……吐いてーー……」
カーテンの向こう側で、大海先生がわたしに声をかける。
わたしの足は開かれたまま……。
内側から子宮の様子を見るらしい。
てきぱきと器具を準備しながら、
「ちょっと開くよ、ごめんね」
大海先生がわたしのいちばん恥ずかしいところに触れる。
「んっ……」
やわな部分を開かれて、体が反射で震えた。
恥ずかしさが増す。
見られるのはもちろん、触られることもない場所にライトが当てられて……
……膣にエコーが入れられる。
ぐっと異物が入る感覚は、慣れることはできなくて、
「んんっ……いっ……」
「苦しいかな~。深呼吸続けて~。ちょっと我慢してね」
膣の中で器具を、大海先生が動かす。
言われた通りどうにか深呼吸を繰り返す。
「上手だよ。……うーんと。だいぶ……改善したかな。ごめんね、ちょっと指も挿れるね」
エコーが引き抜かれ、ずっぷりと指が膣の内側へ入ってくる。
「いっ……いたいっ……」
大海先生、意外と指太い気がする……
「ごめんごめん、動かすね、ゆっくり息してて」
内側からしっかりと触診され……
「んううぅ……」
「もう終わるよ~」
気持ち悪い~~……早く終わって……!
「はーい、おつかれさま~。頑張ったね。椅子動くよ~」
ようやく、足を閉じることを許される。
思わず大きな溜息がひとつ。
診察室へ戻ると、大海先生はもう待っていて。
病状の説明をされた。
「うーんと、これが子宮なんだけど」
モノクロの写真をわたしに見せる。
「薬の効果が出てきたね。継続していけば良くなっていくと思う」
「……わかりました」
「気持ち悪くなったり、腹痛だったりは、改善したかな?」
「うーんと……前よりいいです。厨房のみんなにもお話して、つらいときは休んだりしてます」
「そっか、セーブできてえらいね。そしたら少し、薬増やしてみようかな」
「え……」
まだ増えるの……? 増やしたら、また気持ち悪くなるんじゃない?
不安な表情を隠さずにいると、大海先生が言った。
「治療の方向は、少しずつ薬の量を増やして、ホルモンバランスを整えるっていうイメージなんだけど、いまの薬の量だとまだ少ないのね」
「……少ないんですか……」
そういえば、前回つらいって言って、減らしてもらったんだった。やっぱりだんだん強くしていくんだ。
「うん。のんちゃんの飲んでる薬は、ホルモン剤って言って、ホルモンの調子を整えるのにはとても大事なものだから。少しつらくても継続してほしいなぁ」
そう言われて、大海先生にまっすぐと目を見つめられてしまうと、頷くことしかできない。
大海先生、口調は優しいけど、もしかして割とスパルタだったりする……?
「勝手に止めたりすると、微量でも調節が大変だからさ。つらかったら相談してほしいな。いいかな?」
「……はい」
「そしたら、また来月。お大事にね」
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