悪役王女に転生しました。でも、パパは何故か私を溺愛してきます。

下菊みこと

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アルディートとノービレ

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俺はアルディート・プロフェツィーア。プロフェツィーア王国の王太子。俺には好きな女性がいる。ビビこと、ノービレ・ジーリョアムレート男爵令嬢。 大国、アポカリッセの男爵令嬢だ。とても芯が強く、好奇心旺盛で、優しく、可愛らしい子だ。そしてジェンティーレ・プリンチペッサ・アポカリッセ王女殿下からの信頼も厚い。男爵家、というのがネックだが、俺はなんとしてでも彼女と婚約したい。幸いなことに、婚約者は自分で決めろと言われている。例え誰に反対されようとも、俺は彼女と婚約…いずれは結婚したい。それに、彼女のことは事前に影に調べさせてある。我が国は彼女がアポカリッセの前国王の落とし胤の娘であることは把握している。もちろん、その情報を悪用する気はないし、そんなこと例え父上にもさせないが、まあこの婚約をごり押しする材料にはなるだろう。

だから今日は、一世一代の大勝負をしようと思う。

「アル!どうしたの、こんな時間にこんな場所に呼び出すなんて。というか、国に帰らなくていいの?せっかくの冬休みなのに」

「いいんだ。それより、ついてきてくれ」

今はちょうど日が沈んで、辺りが真っ暗だ。そして俺がビビを連れてきたのは、とある花畑。

「わあ!月の雫のお花畑!?こんなところがあったなんて知らなかった!」

月の雫。夜に輝きながら咲き誇る可憐な花。花言葉は、絶対の愛。

「月の雫の花言葉は知っているか?」

「うん。絶対の愛でしょ?」

俺はビビの前に跪く。

「アル!?」

「ビビ、俺と婚約して欲しい」

ポケットから指輪の入った箱を取り出し、ビビに捧げる。

「この指輪は、代々我がプロフェツィーアの王の正妃のみに受け継がれるものだ。どうか、受け取って欲しい」

…しばらく沈黙が続く。かと思えば、ビビは泣き出していた。

「ビビ!?どうしたんだ!?そんなに嫌か!?」

「嫌なわけないじゃない!私もアルが好きなんだから!」

「!」

…嬉しい。でも、それなら何故そんな顔で泣くんだ。

「…わかってるの。私は平民上がりの男爵令嬢。アルには相応しくない。身を引かなきゃいけない」

「ビビ…!」

「でも!諦められない!私はアルの隣に立ちたい!ずっと一緒に居たい!」

「…っ!」

「こんな私でも…貰ってくれる?」

「ああ、もちろんだ…!」

ビビの左手の薬指に指輪をはめる。これでビビは俺の婚約者だ。

「明日。プロフェツィーアに帰る。一緒に、きてくれるか?」

「もちろん…!」

こうして俺たちは、晴れて婚約者同士になった。
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