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彼女は泣かれる
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マルカは翌朝、眼が覚めるとポロに言われた。
「マルカ、奥様が夜中に目覚められた。パン粥と果実水を召し上がって、また眠られたそうだ。まだ朝早いから、今から朝ごはんを食べて風呂に入ってメイド服に着替えろ。奥様を起こしに行く時間までには充分間に合う」
「え!?なんで早く起こしてくれないの!?」
「当たり前だろ。連日徹夜で奥様の看病をしてたんだから休養は必要だ。奥様の前でフラフラになったら元も子もないだろ」
「……そうだけどぉ」
「いいからさっさと準備しろ」
マルカはポロに言われて急いで朝の準備をした。そして、テレーズを起こしに行く。
「……テレーズ様、朝ですよ。起きてください」
もし目が覚めなかったらどうしよう。そんな不安に駆られるマルカ。しかし心配はご無用である。
「んー。あ、マルカさん!おはようございます!」
その元気な声に、マルカはとうとう泣き崩れた。
「ま、マルカさん!?どうしたの!?」
「どうしたのじゃないですぅ……ぐすん。テレーズ様の所為ですよぉ……」
「わ、私!?何かしちゃいました!?」
「鼻血出すほど頑張るなんて……私がどれほど心配したと思ってるんですか!ひっく……ぐずっ」
「あ……」
こんなに泣くほど、心配させてしまったのだ。テレーズは今更ながら反省する。
「すみませんマルカさん」
「許しません……」
「え。でもでも、ボーモン様ともう無茶はしないって約束しました!だからもう大丈夫です!」
「許しません」
「ええ……」
テレーズは大いに戸惑う。それを見てマルカの溜飲は下がった。
「今度、また一緒に喫茶店に行ってくれるなら許して差し上げます」
「……えへへ、ぜひ行きましょう!」
テレーズがそう言って笑うと、マルカもつられて笑う。いつのまにか二人は仲直りしていた。温かいお湯を張った桶とタオルを用意したマルカに身体を綺麗にしてもらい、テレーズはゆったりとした新しい部屋着に着替える。
そして、朝食の時間。テレーズが席に着くと、給仕が朝食を運んでくれる。ボーモンと共に食べ始めたテレーズは、気付いた。普段なら絶対出されない、テレーズの大の苦手な豆類がふんだんに使ってあるオムレツ。しかもオムレツなので中に入った豆類に気付かず口にしてしまった。このプチプチした食感が大の苦手なのに。
「……!?」
「テレーズ?どうした?」
「ま、豆が入ってます……」
「苦手か?下げさせるか?」
「いえ……苦手ですけど、勿体ないので食べます」
開き直ってもぐもぐ食べるテレーズ。そんなテレーズは食べ終わるとシリルの元へ真っ直ぐに向かった。
「シリルさん」
「はい、奥様」
「ご心配をおかけしました。怒ってますか?」
「ええ。怒っています。もう二度と無理はしないでください。奥様はこの屋敷には無くてはならない存在です」
シリルはテレーズの目を見つめてはっきりとそう言った。テレーズはしょんぼりする。
「本当にごめんなさい。もうしないように頑張ります」
「もうしないように頑張る?」
「毎日少しずつ魔力の糸を編んで、不測の事態に備えます。だから、何かあっても無理しないで済むと思います。だから、豆類は勘弁してください!」
「……仕方のない方ですね。お昼ご飯からは豆類は避けますよ」
「ありがとう、シリルさん!」
テレーズは嬉しそうに微笑む。シリルは、奥様はこういう人だから目が離せないんだよなぁと心の中でぼやいた。
その後テレーズはこの数日間で落ちた体力を取り戻すため、マルカに誘われて日傘をさしてもらいながら食後の運動をする。具体的には、庭を散歩している。立派なウォーキングである。すると、テレーズはポロを見つけた。
「ポロさん!おはようございます!」
「おはようございます、奥様。お加減はいかがでしょうか」
「ちょっと疲れやすい気がしますが、元気です!」
「それなら良かった」
ポロは優しく微笑む。しかし、テレーズはその瞳の奥に炎を見た。
「……ポロさん」
「はい」
「ご心配をおかけしてすみませんでした。あの、怒ってますよね?」
「そうですね。何処かの誰かさんが奥様のために連日徹夜で看病していましたからね。流石に奥様を恨みましたよ。このままじゃ僕の幼馴染まで倒れかねないとね」
テレーズはその言葉にマルカを見る。マルカは余計なことを言うなとポロを睨みつけたが時すでに遅し。
「マルカさん、徹夜で看病してくれたんですか……?」
「いえ、あの、その……ポロのバカ!」
「他のメイドに交代してもらえば徹夜する必要がないのに、ずっと徹夜で看病すると言い張ったお前が悪い」
「ちゃんと仮眠はとったわよ!」
「圧倒的に足りてないんだよ、バカ!」
テレーズは、この喧嘩をどう仲裁するべきかと悩むことになる。
「マルカ、奥様が夜中に目覚められた。パン粥と果実水を召し上がって、また眠られたそうだ。まだ朝早いから、今から朝ごはんを食べて風呂に入ってメイド服に着替えろ。奥様を起こしに行く時間までには充分間に合う」
「え!?なんで早く起こしてくれないの!?」
「当たり前だろ。連日徹夜で奥様の看病をしてたんだから休養は必要だ。奥様の前でフラフラになったら元も子もないだろ」
「……そうだけどぉ」
「いいからさっさと準備しろ」
マルカはポロに言われて急いで朝の準備をした。そして、テレーズを起こしに行く。
「……テレーズ様、朝ですよ。起きてください」
もし目が覚めなかったらどうしよう。そんな不安に駆られるマルカ。しかし心配はご無用である。
「んー。あ、マルカさん!おはようございます!」
その元気な声に、マルカはとうとう泣き崩れた。
「ま、マルカさん!?どうしたの!?」
「どうしたのじゃないですぅ……ぐすん。テレーズ様の所為ですよぉ……」
「わ、私!?何かしちゃいました!?」
「鼻血出すほど頑張るなんて……私がどれほど心配したと思ってるんですか!ひっく……ぐずっ」
「あ……」
こんなに泣くほど、心配させてしまったのだ。テレーズは今更ながら反省する。
「すみませんマルカさん」
「許しません……」
「え。でもでも、ボーモン様ともう無茶はしないって約束しました!だからもう大丈夫です!」
「許しません」
「ええ……」
テレーズは大いに戸惑う。それを見てマルカの溜飲は下がった。
「今度、また一緒に喫茶店に行ってくれるなら許して差し上げます」
「……えへへ、ぜひ行きましょう!」
テレーズがそう言って笑うと、マルカもつられて笑う。いつのまにか二人は仲直りしていた。温かいお湯を張った桶とタオルを用意したマルカに身体を綺麗にしてもらい、テレーズはゆったりとした新しい部屋着に着替える。
そして、朝食の時間。テレーズが席に着くと、給仕が朝食を運んでくれる。ボーモンと共に食べ始めたテレーズは、気付いた。普段なら絶対出されない、テレーズの大の苦手な豆類がふんだんに使ってあるオムレツ。しかもオムレツなので中に入った豆類に気付かず口にしてしまった。このプチプチした食感が大の苦手なのに。
「……!?」
「テレーズ?どうした?」
「ま、豆が入ってます……」
「苦手か?下げさせるか?」
「いえ……苦手ですけど、勿体ないので食べます」
開き直ってもぐもぐ食べるテレーズ。そんなテレーズは食べ終わるとシリルの元へ真っ直ぐに向かった。
「シリルさん」
「はい、奥様」
「ご心配をおかけしました。怒ってますか?」
「ええ。怒っています。もう二度と無理はしないでください。奥様はこの屋敷には無くてはならない存在です」
シリルはテレーズの目を見つめてはっきりとそう言った。テレーズはしょんぼりする。
「本当にごめんなさい。もうしないように頑張ります」
「もうしないように頑張る?」
「毎日少しずつ魔力の糸を編んで、不測の事態に備えます。だから、何かあっても無理しないで済むと思います。だから、豆類は勘弁してください!」
「……仕方のない方ですね。お昼ご飯からは豆類は避けますよ」
「ありがとう、シリルさん!」
テレーズは嬉しそうに微笑む。シリルは、奥様はこういう人だから目が離せないんだよなぁと心の中でぼやいた。
その後テレーズはこの数日間で落ちた体力を取り戻すため、マルカに誘われて日傘をさしてもらいながら食後の運動をする。具体的には、庭を散歩している。立派なウォーキングである。すると、テレーズはポロを見つけた。
「ポロさん!おはようございます!」
「おはようございます、奥様。お加減はいかがでしょうか」
「ちょっと疲れやすい気がしますが、元気です!」
「それなら良かった」
ポロは優しく微笑む。しかし、テレーズはその瞳の奥に炎を見た。
「……ポロさん」
「はい」
「ご心配をおかけしてすみませんでした。あの、怒ってますよね?」
「そうですね。何処かの誰かさんが奥様のために連日徹夜で看病していましたからね。流石に奥様を恨みましたよ。このままじゃ僕の幼馴染まで倒れかねないとね」
テレーズはその言葉にマルカを見る。マルカは余計なことを言うなとポロを睨みつけたが時すでに遅し。
「マルカさん、徹夜で看病してくれたんですか……?」
「いえ、あの、その……ポロのバカ!」
「他のメイドに交代してもらえば徹夜する必要がないのに、ずっと徹夜で看病すると言い張ったお前が悪い」
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