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彼女はマッサージチェアーを使ってみる

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「マドロン様!ようこそ!」

「テレーズ様!お招きいただいてありがとうございます!」

マッサージチェアーが完成したとマドロンから手紙が届いて、早速テレーズはマドロンを屋敷に招いた。マドロンは大きなマッサージチェアーを魔道具を使ってスイスイと運ぶ。無事、マッサージチェアーはテレーズの私室に設置された。

「魔力を流すか、専用の魔石をここに入れれば稼働します。使ってみますか?」

「はい!」

テレーズは早速座って、魔力をマッサージチェアーに流す。揉みほぐしが始まった。リズムよく、心地よい刺激が全身を包む。あまりの心地よさに、テレーズは微睡みながらも魔力を流すのを止めない。

「気持ちいいー……」

「お気に召したなら幸いです!兄もすごく喜んで毎日使ってくれているんですよ。商人達からもこれは売れると好評で、値がどんどん上がって逆に怖いくらい高級品になりそうです」

「なるほどー……」

微睡みながらもマドロンの言葉に耳を傾けるテレーズ。そんなテレーズの様子にマドロンは微笑んで言った。

「寝てしまっても大丈夫ですよ。その間は魔石を使ってマッサージチェアーを稼働しますから」

「でも……」

「私のことはお気になさらないでください。テレーズ様にそんなに気に入っていただけて嬉しいですから」

「ありがとうございます……」

テレーズはマドロンの言葉に甘えて少し微睡みに身を任せた。すると魔力の供給が止まり動きも止まるが、マドロンのセットした魔石で再び稼働を始めたマッサージチェアー。マドロンはテレーズにマルカの持ってきたブランケットをかけた。

「マドロン様ごめんなさい!ほとんど寝て過ごしちゃいました!」

「いいんです。気に入っていただけて良かったですから」

「ボーモン様もきっと喜びます!本当に素敵なプレゼントをありがとうございました!」

「こちらこそ開発へのご協力、ありがとうございました!」

こうしてマドロンとの二回目の交流は残念ながらも短い時間となってしまったが、二人の友情は何故か前回よりも深まった。不思議な二人である。

「ということでボーモン様、使ってみてください!」

「ああ」

ボーモンを私室に招き、食事前のひと時をゆっくり過ごしてもらおうとマッサージチェアーを勧めるテレーズ。ボーモンも報告はテレーズから受けていたため、特になんの警戒もせずに使う。

…使った結果あまりの心地よさに爆睡してしまいそれはそれで大変だったものの、日頃の疲れをものすごく癒すことができた。日頃から頑張っているボーモンを心配するテレーズとしても、一安心である。
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