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彼女は娘と添い寝する

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テレーズとボーモン、ユゲットの親子は今日は本当に慌ただしかったため、夕飯を食べてお風呂に入るとすぐにベッドの上に横になった。

ユゲットには私室が用意されているが、本人の強い希望でテレーズとボーモンと三人で引っ付いて寝ることになった。

「ふわぁ……」

「ふふ、ユゲット。今日はお疲れ様でした」

「ママもお疲れ様じゃのぅ……偉い、偉い……」

眠たそうにしながらテレーズの頭を小さな手で撫でるユゲット。テレーズはきゅんとした。そしてそんな母娘の様子を見守るボーモンはもっときゅんとしていた。

「パパもお疲れ様なのじゃ……」

ユゲットは川の字の真ん中にいるので、寝返りをうってボーモンの方を向く。ボーモンにも偉い偉いと頭を撫でてやると、寝落ちした。

「……テレーズ、どうしたらいい」

「どうしました?ボーモン様」

「娘が可愛すぎる……」

「大丈夫です、私も困ってます」

テレーズもボーモンも早くもユゲットにメロメロである。今からこの調子で大丈夫だろうか……。親バカになりそうでとても怖い。本人達が何よりそれを恐れていた。

「ユゲットは聖龍様の幼体で、あんまり甘やかし過ぎるのは却って良くないのはわかっているのですが、どうしても可愛くて甘やかしたくなってしまいます……」

「私もだ……我が子がこんなに可愛いと思わなかった……養子と実子では違うものだと考えていたが、養子だろうが関係ないな。我が子は可愛い」

「ですね。世界で一番可愛いです」

「ううん……パパ……ママ……」

寝言で自分達を呼ぶユゲットにテレーズとボーモンはさらに心を打たれる。

「……やっぱり甘やかさないとか無理です!可愛すぎます!」

「落ち着けテレーズ!私達の子育てに国の存亡がかかってるんだ!」

「国よりユゲット……いやダメですね、女王陛下が悲しみますね……」

「ああ……大変不本意だがユゲットより国を優先せざるを得ない。本音を言えばなによりもユゲットを優先させたいが、私達はこの国の貴族。力無い平民達を守るためにも、ユゲットを立派に育てなければ」

テレーズとボーモンはお互いの顔を見合わせて、手と手を取り合う。

「私がユゲット可愛さに暴走しそうになったら止めてくれ」

「ボーモン様も、私が暴走してたら止めてくださいね」

ここに、なんとも言えない情け無い同盟が結ばれた。

「……ところで、今更なんですけどなんでユゲット様はこのタイミングで現れたのでしょうね。聖龍様の愛し子を探していたのなら、もっと早く私のところに来ても良かったのでは?」

「……明日、ユゲットに聞いてみようか。今は何も考えずユゲットの寝顔を見ていたい」

「わかります」

ボーモンとテレーズは頷き合って、疑問よりもお互いの欲望を優先することにした。
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