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彼女は聖龍様の愛し子として公表される

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「私が聖龍様の愛し子だと公表するんですか?」

「そうだ。ユゲットが聖龍様であることも公表される」

「妾はどうなる?」

「女王陛下は、ユゲットが望むならこのまま養女として迎えていていいとおっしゃられた」

「ならパパとママの子供のままでいるのじゃ。どうせ人の一生は短いしのぅ。先代の聖龍たる父上もパパとママが生きている間は健在じゃろうし、モラトリアム期間はまだ続くじゃろ」

ユゲットはボーモンとテレーズの子であることを望んだ。なのでこれからもこの関係は続く。

「いつ発表されるんですか?」

「三日後らしい。二回目と三回目の魔獣のスタンピードをテレーズとユゲットのお陰で事前に防げたということも併せて公表される」

「そうか。妾もおめかししなければの」

「中央教会の方ですでにテレーズとユゲットのための衣装も用意されているらしい」

「はやいの」

ユゲットもテレーズも驚く。

「聖王猊下は女王陛下からユゲットのこととテレーズのことを伝えられていたからな。いつかのために事前に準備していたらしい。そのいつかが来るのが早すぎると思うがな」

「なるほどのぅ」

「ユゲットと一緒におめかしするの、楽しみですね!」

「そうじゃのぅ。着飾ってママと並ぶのは楽しみじゃ」

ユゲットがむふむふと笑う。テレーズもボーモンもそんなユゲットに癒された。

「とにかく。というわけだから、三日後に備えておいてくれ」

「はーい」

「わかったのじゃー」

そして三日後、テレーズとボーモン、ユゲットは中央教会の大聖堂にいた。

「どうじゃ、パパもママも似合うと思うかの?」

そういうユゲットは白くふわふわのドレスに身を包み、くるりと回ってみせる。

「似合います!世界一可愛い!」

「さすがは私の娘だ。綺麗だぞ」

「そうじゃろうそうじゃろう。ママも似合うぞ」

ユゲットはお揃いの衣装を着たテレーズを褒める。

「ふふ、ありがとうございます!」

「本当に美しいな、テレーズ。こんなに美しい君を、人目に晒したくないな……屋敷に閉じ込めてしまいたいくらいだ」

「ボーモン様……えへへ。そんな風に言っていただけて嬉しいです……」

「テレーズ、愛してる」

「私もです、ボーモン様……」

以前にも増してイチャイチャするようになった新婚モードのテレーズとボーモンを、ユゲットは生温い眼差しで見守っていた。

「テレーズ様、ユゲットお嬢様。そろそろお時間です」

マルカが呼びに着て、大聖堂のホールへ向かうテレーズとユゲット。ボーモンは後ろで控える。

「聖龍ユゲット様と聖龍様の愛し子テレーズ様です!」

大々的に紹介されて、集まった貴族達にゆったりと手を振るユゲットとテレーズ。こうしてユゲットとテレーズは聖龍と聖龍の愛し子として広く認められることとなった。
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