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幼妻が可愛すぎて辛い
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聖女ハンナ。孤児院出身の彼女は、この国の主神リオルから祝福を授けられた。それは他人の不幸の種を引き受けるという能力だ。この能力は非常に重宝され、神殿にて大切に保護されることとなる。
しかしこの能力、不幸の種を浄化するのではなく引き受けるので当然ハンナはえらいアンラッキーガールとなってしまった。幸い、引き受ける不幸の種はそのままの勢いでハンナに襲いかかることはなく、ちまちまハンナを攻撃するので命には関わらないが、嫌なものである。
毎日王族や貴族などのお偉いさんの不幸の種を引き受け陰ながら命を救っては、何もないところで転んだり壁に激突したり散歩に出た瞬間雨が降ったり…。
そこでハンナはこの国の主神の神妃ライナの加護を持つ、この国一番のラッキーボーイたるラゼル公爵に嫁ぐことになった。アンラッキーの中和のためである。ちなみにこの国では聖女も身分をそのままに結婚出来る。性交渉によって祝福が消えるとかの制約がないからである。
ラゼルは非常に見目麗しい青年で、そのためたまたま神殿を訪れた際に神妃ライナの目に留まり加護を受けた。加護を受けた彼は若くして男爵家を継いだ苦労人だったはずが、あれよあれよと領地経営が上手くいき隣国との交易で栄えるようになりとんとん拍子で子爵位を賜る。さらにその隣国との同盟関係を結ぶ際手柄を立てて伯爵位を賜る。さらに疫病が発生した際にたまたま領内に大量に生える薬草が疫病の特効薬であることが判明し、それを無償で提供してその功績で侯爵位を賜る。そして領内の鉱山で、処分するにも金がかかると適当に捨て置かれた黒いクズ石が実は貴重なブラックダイヤモンドであると分かり国の発展に寄与したとして公爵にまで上り詰めた。異例の出世である。
そんなラゼルは十八歳。一方ハンナは…八歳だった。この国では十八歳で成人と見なされる。ラゼルはギリギリセーフだが、本来ならハンナはアウトである。しかし特例で認められた。
認められてしまったラゼルは発狂寸前だった。俺に幼女趣味はない。なんならナイスバディのむちむち美女がいい。いいのだが…。
「よろしくおねがいします、だんなさま」
幼気な少女に澄んだ瞳で見つめられ、この子を守るための結婚だと言われてしまえば否とは言えなかった。
ー…
「ハンナ、お土産を買ってきたぞ」
「だんなさま、ありがとう!」
「今日は…なんと、ハンナの大好きなプリンとイチゴのパフェだ!」
「きゃー!」
結婚生活は意外と上手くいった。ハンナは神殿にて祝福を使う時以外は、基本ラゼルの受ける加護の影響下のラゼルの屋敷で生活しておりアンラッキーはなりを潜めた。当初の目的達成である。また、ラゼルは当たり前だがハンナに手を出したりせず、浮気もしていない。二人は歳の離れた仲の良い兄妹のような関係を築いている。
「ハンナはきょうもこうしゃくふじんとしてのおべんきょうをがんばりました!」
「ハンナは本当に良い子だなぁ」
「ハンナ、だんなさまのおよめさんにふさわしい?」
「もちろんだとも。こんな出来た妻を持てて俺は幸せだよ」
「わーい!」
そんなこんなで幼妻は今日も公爵と穏やかな時間を過ごす。
ー…
時は流れラゼル二十八歳、ハンナ十八歳。ハンナの不満は爆発した。
「旦那様!今日こそ私を抱いてくださいまし!」
ハンナは時を経てラゼルを男性として愛するようになった。しかしその旦那様は一向に自分を女として見ていない。屈辱だった。
「ハンナ、そういうことはまだ早いだろう…」
一方ヘタレのラゼル。実はハンナを女性として愛するようになったのだが、それに罪悪感を覚え片思いだと一方的に決めつけハンナに手が出せないでいる。
「もう!旦那様は私の気持ちがわからないからそんなことをおっしゃるのです!私は旦那様を愛しているのに!」
「え」
「旦那様、お願いですからお情けをくださいませ!」
「ま、待ってくれ、君が俺を愛している?」
「そうですわ!」
ラゼルは急に胸を押さえる。その様子に心配したハンナが近付くと、ラゼルはハンナを抱きしめた。
「旦那様!?」
「俺も、心から君を愛している」
「…~っ!?」
「今夜、君の寝室に行く。…楽しみにしていてくれ」
今夜は長い夜になりそうである。
しかしこの能力、不幸の種を浄化するのではなく引き受けるので当然ハンナはえらいアンラッキーガールとなってしまった。幸い、引き受ける不幸の種はそのままの勢いでハンナに襲いかかることはなく、ちまちまハンナを攻撃するので命には関わらないが、嫌なものである。
毎日王族や貴族などのお偉いさんの不幸の種を引き受け陰ながら命を救っては、何もないところで転んだり壁に激突したり散歩に出た瞬間雨が降ったり…。
そこでハンナはこの国の主神の神妃ライナの加護を持つ、この国一番のラッキーボーイたるラゼル公爵に嫁ぐことになった。アンラッキーの中和のためである。ちなみにこの国では聖女も身分をそのままに結婚出来る。性交渉によって祝福が消えるとかの制約がないからである。
ラゼルは非常に見目麗しい青年で、そのためたまたま神殿を訪れた際に神妃ライナの目に留まり加護を受けた。加護を受けた彼は若くして男爵家を継いだ苦労人だったはずが、あれよあれよと領地経営が上手くいき隣国との交易で栄えるようになりとんとん拍子で子爵位を賜る。さらにその隣国との同盟関係を結ぶ際手柄を立てて伯爵位を賜る。さらに疫病が発生した際にたまたま領内に大量に生える薬草が疫病の特効薬であることが判明し、それを無償で提供してその功績で侯爵位を賜る。そして領内の鉱山で、処分するにも金がかかると適当に捨て置かれた黒いクズ石が実は貴重なブラックダイヤモンドであると分かり国の発展に寄与したとして公爵にまで上り詰めた。異例の出世である。
そんなラゼルは十八歳。一方ハンナは…八歳だった。この国では十八歳で成人と見なされる。ラゼルはギリギリセーフだが、本来ならハンナはアウトである。しかし特例で認められた。
認められてしまったラゼルは発狂寸前だった。俺に幼女趣味はない。なんならナイスバディのむちむち美女がいい。いいのだが…。
「よろしくおねがいします、だんなさま」
幼気な少女に澄んだ瞳で見つめられ、この子を守るための結婚だと言われてしまえば否とは言えなかった。
ー…
「ハンナ、お土産を買ってきたぞ」
「だんなさま、ありがとう!」
「今日は…なんと、ハンナの大好きなプリンとイチゴのパフェだ!」
「きゃー!」
結婚生活は意外と上手くいった。ハンナは神殿にて祝福を使う時以外は、基本ラゼルの受ける加護の影響下のラゼルの屋敷で生活しておりアンラッキーはなりを潜めた。当初の目的達成である。また、ラゼルは当たり前だがハンナに手を出したりせず、浮気もしていない。二人は歳の離れた仲の良い兄妹のような関係を築いている。
「ハンナはきょうもこうしゃくふじんとしてのおべんきょうをがんばりました!」
「ハンナは本当に良い子だなぁ」
「ハンナ、だんなさまのおよめさんにふさわしい?」
「もちろんだとも。こんな出来た妻を持てて俺は幸せだよ」
「わーい!」
そんなこんなで幼妻は今日も公爵と穏やかな時間を過ごす。
ー…
時は流れラゼル二十八歳、ハンナ十八歳。ハンナの不満は爆発した。
「旦那様!今日こそ私を抱いてくださいまし!」
ハンナは時を経てラゼルを男性として愛するようになった。しかしその旦那様は一向に自分を女として見ていない。屈辱だった。
「ハンナ、そういうことはまだ早いだろう…」
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「もう!旦那様は私の気持ちがわからないからそんなことをおっしゃるのです!私は旦那様を愛しているのに!」
「え」
「旦那様、お願いですからお情けをくださいませ!」
「ま、待ってくれ、君が俺を愛している?」
「そうですわ!」
ラゼルは急に胸を押さえる。その様子に心配したハンナが近付くと、ラゼルはハンナを抱きしめた。
「旦那様!?」
「俺も、心から君を愛している」
「…~っ!?」
「今夜、君の寝室に行く。…楽しみにしていてくれ」
今夜は長い夜になりそうである。
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