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ルロワと魔法の特訓
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ルロワ越しになら魔法を使えるということで、魔法や魔術に興味のあるアンリエットは早速特訓することにした。ルロワは赤ん坊とはいえ、もう目は開いていて自分で歩くくらいは出来るので問題はないと判断された。
特訓の相手は、ジャンヌが務める。と言っても、基礎的な部分から教えていくことになるのでジャンヌは少し緊張していた。
基礎がきちんとできないと、その後の応用にも差し障りがあるからだ。
「では、まずは初級の魔法から始めましょうか」
「はい、先生!」
アンリエットに先生と言われて、ジャンヌは目を丸くする。が、すぐに立て直す。
「まずはルロワ様に魔力をいつもより多く流すイメージです」
「う、うーん。こうかしら?」
魔力を可視化の魔法でわかりやすくして、アンリエットの様子を見るジャンヌ。
「そうです。素晴らしいですよ、アンリエット様」
「良かった」
「では、ルロワ様にご命令を」
「ルロワ、風を起こして!」
「ぴゃっ!」
風が巻き起こる。
「上手くいきましたね。今度は水の魔法を使ってみましょうか」
「はい、先生!」
「ぴゃっ!」
特訓は続く。
「すごいわ、ルロワ!ルロワは天才ね!」
「ぴゃっ」
魔法の特訓を始めて数日。なんだかんだで特訓は順調に進んで、魔法が上手く扱えるようになってきた。
「お、早速やってるな」
「え、ジェイド様?ごめんなさい、魔法に夢中でいらしたのに気付きませんでした」
「俺も研究中はそうなるから、気にするな。それより、もう魔法を使えるようになってきてるんだってな」
「はい、まだ初級の魔法だけですけど」
「十分順調だろう。すごいな、アンリエット。ルロワも」
ジェイドはアンリエットとルロワの頭を優しく撫でる。アンリエットもルロワも気持ちよさそうに目を細めた。
「それでな、アンリエット。ちょっとお願いがあるんだが」
「はい、なんでしょう」
「今から一曲歌ってくれないか」
「え」
「どんな歌でもいいから」
アンリエットは少し戸惑いつつも、アカペラで歌う。
その歌声は、透き通るような綺麗なもの。
ジャンヌとルロワはそれ聞き入り、ジェイドはそれを横目に何か魔術を発動していた。
「…これでよかったでしょうか?」
アンリエットが歌い終わると、ジェイドは満足そうに頷いた。
「ああ、最高だ!ありがとう、アンリエット。やはり、天使は歌声にも効果があるな…」
一人で何か納得しているジェイドに、アンリエットは首をかしげる。
「アンリエット。悪いが魔道具で録音もしたいから、もう一曲歌ってくれないか」
「は、はい!」
アンリエットはもう一曲、別の歌を歌ってみる。今度は、ジェイドは片手で魔道具を使い録音、片手で魔術の発動をする。そして満足そうに頷いた。
「ふむ。よし、これで録音でも効果があるか調べられるな…ありがとう、アンリエット!最高だ!」
アンリエットに抱きつくジェイド。アンリエットはなすがままに抱きしめられた。だが、アンリエットが慣れたのかイヤリングのおかげなのか、目を回すことはなかった。
そんなアンリエットに満足そうに頷いて、ジェイドはアンリエットの手に飴玉の雨を降らせて帰っていく。
「いつも思うのですけれど、ジェイド様は嵐のような方ね」
「そうですね、不快ならなるべく近付けないようにしますが」
「不快だなんて!とても素敵で優しい人だわ。ただ、ちょっと賑やかな方ってだけよ?」
そう言ってくすくす笑うアンリエットに、ジャンヌはホッとする。抱きしめられたり飴玉を押し付けられたり、不快なようなら…と思っていたが、アンリエットが受け入れているのならそれでいい。
「さあ、特訓の続きよ!」
「その前におやつ休憩しませんか」
「それもいいわね!」
「ぴゃっ!」
ということで、おやつタイムに突入した。
特訓の相手は、ジャンヌが務める。と言っても、基礎的な部分から教えていくことになるのでジャンヌは少し緊張していた。
基礎がきちんとできないと、その後の応用にも差し障りがあるからだ。
「では、まずは初級の魔法から始めましょうか」
「はい、先生!」
アンリエットに先生と言われて、ジャンヌは目を丸くする。が、すぐに立て直す。
「まずはルロワ様に魔力をいつもより多く流すイメージです」
「う、うーん。こうかしら?」
魔力を可視化の魔法でわかりやすくして、アンリエットの様子を見るジャンヌ。
「そうです。素晴らしいですよ、アンリエット様」
「良かった」
「では、ルロワ様にご命令を」
「ルロワ、風を起こして!」
「ぴゃっ!」
風が巻き起こる。
「上手くいきましたね。今度は水の魔法を使ってみましょうか」
「はい、先生!」
「ぴゃっ!」
特訓は続く。
「すごいわ、ルロワ!ルロワは天才ね!」
「ぴゃっ」
魔法の特訓を始めて数日。なんだかんだで特訓は順調に進んで、魔法が上手く扱えるようになってきた。
「お、早速やってるな」
「え、ジェイド様?ごめんなさい、魔法に夢中でいらしたのに気付きませんでした」
「俺も研究中はそうなるから、気にするな。それより、もう魔法を使えるようになってきてるんだってな」
「はい、まだ初級の魔法だけですけど」
「十分順調だろう。すごいな、アンリエット。ルロワも」
ジェイドはアンリエットとルロワの頭を優しく撫でる。アンリエットもルロワも気持ちよさそうに目を細めた。
「それでな、アンリエット。ちょっとお願いがあるんだが」
「はい、なんでしょう」
「今から一曲歌ってくれないか」
「え」
「どんな歌でもいいから」
アンリエットは少し戸惑いつつも、アカペラで歌う。
その歌声は、透き通るような綺麗なもの。
ジャンヌとルロワはそれ聞き入り、ジェイドはそれを横目に何か魔術を発動していた。
「…これでよかったでしょうか?」
アンリエットが歌い終わると、ジェイドは満足そうに頷いた。
「ああ、最高だ!ありがとう、アンリエット。やはり、天使は歌声にも効果があるな…」
一人で何か納得しているジェイドに、アンリエットは首をかしげる。
「アンリエット。悪いが魔道具で録音もしたいから、もう一曲歌ってくれないか」
「は、はい!」
アンリエットはもう一曲、別の歌を歌ってみる。今度は、ジェイドは片手で魔道具を使い録音、片手で魔術の発動をする。そして満足そうに頷いた。
「ふむ。よし、これで録音でも効果があるか調べられるな…ありがとう、アンリエット!最高だ!」
アンリエットに抱きつくジェイド。アンリエットはなすがままに抱きしめられた。だが、アンリエットが慣れたのかイヤリングのおかげなのか、目を回すことはなかった。
そんなアンリエットに満足そうに頷いて、ジェイドはアンリエットの手に飴玉の雨を降らせて帰っていく。
「いつも思うのですけれど、ジェイド様は嵐のような方ね」
「そうですね、不快ならなるべく近付けないようにしますが」
「不快だなんて!とても素敵で優しい人だわ。ただ、ちょっと賑やかな方ってだけよ?」
そう言ってくすくす笑うアンリエットに、ジャンヌはホッとする。抱きしめられたり飴玉を押し付けられたり、不快なようなら…と思っていたが、アンリエットが受け入れているのならそれでいい。
「さあ、特訓の続きよ!」
「その前におやつ休憩しませんか」
「それもいいわね!」
「ぴゃっ!」
ということで、おやつタイムに突入した。
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