エステル家のお姫様は、今日も大切に愛される。

下菊みこと

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ルロワとルーヴルナ

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今日もアンリエットはルロワとルーヴルナと共にベッドに入る。

「ルロワ、ルーヴルナ。おやすみなさい」

「はい、おやすみなさい」

「ぴゃっ」

アンリエットは、寝つきはいい。すぐにぐっすりと眠ってしまった。

一方でルーヴルナは人形だ。眠る必要はあまりない。しかし眠ることは一応出来る。眠ることで魔力の消耗を抑えられる設計になっている。とはいえ、ジェイドから十分過ぎるほどの魔力を供給されアンリエットの元に来たので魔力の消耗はそんなに気にならない。

なにより、今夜はなんだか眠る気にならなかった。

「ぴゃっ」

「ふふ。寝ないのか、ですか?なんだか今日は眠る気になれなくて。理由は特にはないのですが…ルロワさんこそ、寝ないのですか?」

「ぴゃっ」

「寝付けない、ですか。じゃあ、少しお話しましょうか。お互い、眠る気になれるまで」

「ぴゃっ」

ルーヴルナはルロワと夜更かしすることに決めた。

「ルロワさん。私達はご主人様に恵まれましたね」

「ぴゃー」

「優しくて美しくて、なにより私達を可愛がってくださいますものね」

「ぴゃっ!」

「ふふ、私は一応人形ですから。造形は美しくて当然なのです。それを言うならルロワさんこそとても可愛らしいですよ」

二人の話は盛り上がる。主人を起こさないよう、小さな声で話すルーヴルナだがとても楽しそうだ。

「私はご主人様が大好きです。ご主人様以外の主人など、考えられません」

「ぴゃっ」

「ふふ、そうですよね。ルロワさんにとっても、とても大切なご主人様ですものね」

「ぴゃー」

「まだまだ未熟な私達ですが、お互いご主人様のために頑張りましょうね」

「ぴゃっ」

ルロワもルーヴルナも、アンリエットを心から愛している。アンリエットがこの会話を聞けば、きっとものすごく喜ぶことだろう。だが、二人はこの会話を自分達だけの内緒のお話にすると決めている。どちらが言い出したわけでもない。ただ、お互いそうしたいと思ったらしい。

「ふふ、夜更かしして正解でした。こうして二人でお話するのも楽しいですね」

「ぴゃー」

「まあ、嬉しい!では、また今度夜更かししましょうね」

「ぴゃっ」

「ふふ、はい。では、私達もそろそろ眠りましょうか」

ルーヴルナの言葉で、楽しい夜更かしの時間は終わりを迎える。

「では、また明日。おやすみなさい、ルロワさん」

「ぴゃっ」

ルーヴルナは眠る。ルロワも続いて瞼を閉じた。

ルーヴルナは夢を見る機能は持たないが、寝ている間も頬が緩んでいた。それほど楽しい夜更かしだった。
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