私と契約結婚してください!こちらの条件?恋愛です!

下菊みこと

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姫乃を見つけた日

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俺は長谷部君尋。長谷部財閥の御曹司ってやつだ。ルルセラっていう大手のゲーム会社の若社長を任されている。いずれは長谷部財閥の全てを任されることになるが、まずは習うより慣れろ精神でルルセラの経営をしている。そんな俺が姫乃を見初めたのは、実は見合いの場ではない。あれは俺がルルセラの支社に視察に訪れた時のこと。

もちろん仕事中。ちらっと見ただけだが、姫乃は懸命に仕事をこなして、それを上司に褒められてにんまりと嬉しそうに笑っていた。その飾り気のない笑顔が目に留まって、俺は…一目惚れしていた。しかし、俺はあくまでも長谷部家の次期当主。結婚だって政略結婚に決まっている。俺は姫乃に声を掛けることもなく、普通に視察を終えた。

だから、見合い相手の釣書を見た時には驚いた。そこには姫乃の写真があったから。岩瀬姫乃。この国でもトップクラスの岩瀬財閥のご令嬢。長谷部財閥だって岩瀬財閥に次ぐ有名財閥だが…この見合いはかなり、俺にとっていいことずくめだった。何よりあの日から胸を埋め尽くしていた姫乃が手に入る。俺は見合いが楽しみでうっきうきだった。

姫乃は男慣れしていない様子だった。そして、恋愛結婚に憧れている様子。かなりの箱入り娘と見える。だから俺は、そこにつけこんだ。俺と恋愛結婚したらいいと。姫乃は懸命に俺と『恋愛』しようと頑張っている。憧れていた恋愛的なシチュエーションにドキドキしつつ、必死に俺を愛そうとする姫乃。交換条件である夜伽にも従順に応じる。世間知らずなせいでそんな行為も初めての身体は、しかし覚えさせれば覚えさせるだけ順応して、今のところ上手く可愛がれてると思う。このまま、何も知らない姫乃を俺の色に染めたい。俺無しではいられないようにしてやりたい。とってつけたような恋愛感情を、本物にしてやりたい。

「おはよう、姫乃」

「はい、おはようございます。君尋さん」

「姫乃、愛してるぞ」

「えっ?」

「ほら、カップルってちゃんと思いを伝えあわないと長続きしないだろう?姫乃も俺に対してなにかあるなら言ってくれ」

「えっ、あ、え、えっと…その…だ、大好きです、君尋さん。愛してるだなんて、ありがとうございます」

「世辞や口説き文句じゃないんだがなぁ。まあ、姫乃の口から大好きなんて言ってもらえただけいいか」

「き、君尋さん…」

「さあ、今日も朝飯が出来てるぞ。あと、これお弁当な」

「いつもありがとうございます、君尋さん。いただきます」

「ん、いただきます」

大好きから愛してるに変わるまで、あとどれくらいかかるかなっと。
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