妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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久しぶりの家族との食事

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「すまないエレナ…執務に集中し過ぎて昼食やティータイムまですっぽかしてしまった…」

執務を終えたのは、そろそろ夕食になるというお時間でした。

「いえ、私はナタリーが昼食とティータイムの手配をしてくれましたからちゃんと食べました。大丈夫です。お兄様こそ、お腹空いてませんか?大丈夫ですか?集中力がすごいのは良いことですが、ちゃんと休憩も取って欲しいです。私が声をかけても聞こえていないご様子でしたから…」

「そうだな…これから気をつける。ありがとう、エレナ」

「はい、お兄様」

お兄様と一緒に食堂に向かいます。広いお部屋に広いテーブル。私とお兄様は向かい合って座りますが、広過ぎてなんだか二人だけではちょっと寂しいですね。まあ、かくいう私も別邸では広い食堂で一人で食べていましたが、ここまで広くないですし何より諦めていたので寂しくは感じませんでした。

本邸のシェフが作った料理が次々と運ばれてきます。どれもとても美味しくて、幸せを感じます。お兄様がふと笑いました。

「エレナは幸せそうに食べるな」

「えへへ。とても、幸せな気分なので」

「そうか。そう言って貰えると嬉しいな」

「全部美味しくて、お兄様と一緒に食べられて、これ以上の幸せはありませんね」

ふふ、と笑うとお兄様がぐっと胸を押さえました。

「お兄様!?大丈夫ですか!?」

「いや…可愛い妹がさらに可愛くてキャパオーバーしただけだ、気にするな」

「…えっと、大丈夫…なんです?」

「全然平気だ、むしろ元気が出る」

「それなら良かったです…」

病気じゃないみたいで、安心しました。その後も食事を楽しんで、お兄様に私室まで送って貰いました。あとは入浴して眠るだけですね。なんだか今日は、とても色々なことがあって、とても幸せで、でもとても疲れました。ゆっくり入浴して癒されましょう。
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