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医者に診察され、薬を塗ってもらう

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今日はお兄様は執務で忙しいそうで、その間に背中の傷をお医者様に診てもらうよう言われました。背中の傷はセヴラン公爵家の恥にならないかと心配したのですが、口の堅い信用できるお医者様だから大丈夫とのことです。

「女医のリナリーと申します。よろしくお願いします、お嬢様」

「エレオノール・セヴランです。よろしくお願いします」

「では、早速ですが背中の傷を診ても?」

「もちろんです」

一度先生に退室してもらい、ドレスを脱ぎコルセットを外し、先生に再度部屋に入ってもらいます。

「これは…すごい傷ですね」

「あの、大丈夫でしょうか?」

「…正直すごい傷ですから、今までの傷が古傷として残ってないのが奇跡にも思えますが…絶妙に加減していたのですかね。小癪な…」

「先生?」

「ああ、いえ。そうですね。痛々しい傷ですが、任せてください。私の幼馴染が作った軟膏が良く効くでしょう。彼女も薬師としてはかなりの腕前なのです」

「まあ…!お二人で頑張っていらっしゃるのですか?」

「ええ。女医も女の薬師も偏見を持たれることが多いですから、まあ幼い頃からの付き合いもあって二人三脚で頑張っています。なんだかんだで女性の患者様からは人気がある方なんですよ?」

「すごいです…!」

「この国もまだまだ男尊女卑的な部分が残っていますからね。支え合いは大切なのです。お嬢様も、何かまたご相談があれば是非頼ってください。お嬢様が相手ならいつでも大歓迎ですよ」

ウィンクしてくれる先生に、思わず零してしまいます。

「あの、実は…」

「どうされました?」

「…いえ、なんでもないんです」

こんなこと、相談したって仕方がないのに。私ったら。

「お嬢様。話すだけでもストレスは軽減されることがあります。よかったら話してくれませんか?」

「…」

先生になら、いいかな?お兄様が信用できるって思った方だもの。

「私、その…背中の、傷のことで…色々あって…お兄様は絶対そんなことしないってわかってるのに、お兄様が手を伸ばして頭を撫でたり抱きしめたりしてくれようとした時に、ついびくっと反応しちゃうんです。どうすれば良いでしょうか?」

「うーん、そうですね。なら、こうしてお話を聞いてもらうような相手を作ると良いかと」

「お話を聞いてもらうような相手…」

「ええ。先程も言いましたが、お話をするだけでストレスは軽減される場合があります。辛いお話かもしれませんが、そういう形で向き合ってみれば何か違ってくるかもしれません」

「そ、それならこのナタリーにご相談ください、お嬢様!」

「ナタリー…うん、ありがとうございます。よろしくお願いしますね」

「はい!」

その後、一週間分の軟膏を先生から受け取り、先生をお見送りした後ナタリーに別邸で受けた仕打ちを沢山零して、何故かナタリーが我が事のように泣いてくれるものだから二人で抱き合って泣いたのでした。その後に濡れたタオルで目を温めたり冷やしたりしました。目が腫れて大変でした。
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