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久しぶりの熟睡と朝の身支度
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朝になりました。私は久しぶりに熟睡出来ていたようです。疲れていたのか、お兄様とナタリーのお陰で安心して眠れたからなのか…。有り難い限りです。ナタリーは私の部屋のカーテンを開けます。今日も私の一日が、暖かな日の光を浴びて始まります。
「お嬢様、おはようございます」
「んん…おはようございます、ナタリー」
「洗顔水とタオルです」
「ありがとうございます」
洗顔をしてさっぱりとすると、歯磨きもして次は着替えです。
「ではお着替えをいたしますね」
「はい、よろしくお願いします」
「ドレスはどれに致しますか?」
ナタリーがドレスを収納する広々としたスペースに案内してくれます。こんなに広いスペースなのに、中はドレスで埋め尽くされていました。
「…わあ…ドレスがこんなにたくさん…全部素敵…」
「こちらは全て、旦那様がお嬢様のためにご用意されたものですよ。オーダーメイドで、サイズもぴったりのはずです」
「えっ」
い、今更だけどそんなに良くしてもらっていいのかな…。
「お嬢様、お好きなドレスをお選びください」
「じゃあ…これかな」
フリフリヒラヒラの少ない、けれども可愛らしいふんわりしたデザインのものを選んでみます。色合いはパステルカラー。私にはそういうものが似合うらしいのです。別邸で叩き込まれました。
「さすがはお嬢様!お嬢様にはこういったデザインが良くお似合いです!」
ナタリーが私の着替えを手伝ってくれます。
「御髪を整えさせていただきますね」
そういうとナタリーは私の髪を梳かします。そして、ふわりと結い上げポニーテールにしてくれます。ドレスと同じ色のリボンを巻いてくれました。
「香水をつけましょうね、お嬢様。旦那様の好きな百合の香りにしましょう」
「はい」
「僭越ながら、今日から私がお化粧をさせていただきますね」
ナタリーに化粧をしてもらいます。ナタリーは腕が良いようです。とても可愛くしてもらえました。
「ではお嬢様。朝食にいたしましょう」
「はい」
食堂でお兄様を待ちます。早く会いたいな。そう思っていたらお兄様が来てくれました。
「お兄様、おはようございます!」
「おはよう、エレナ。そのドレス、とても良く似合っているな。気に入ってくれたか?」
「はい、どのドレスもとても素晴らしいです!ありがとうございます、お兄様。でも、本当に貰ってしまっていいんでしょうか?」
「もちろん。エレナの為に作らせたのだから。エレナが喜んでくれたら、私はそれで満足だ」
「ありがとうございます、お兄様…とっても、嬉しいです…」
幸せを噛み締めてお礼を伝えます。お兄様はそんな私を抱きしめてくれます。その手にまたびくっと反応してしまいますが、優しく抱きしめられて落ち着きます。はやく慣れたいのですが…どうしても反応してしまいます。申し訳ないです…。お兄様が私に対して意地悪をすることはないとわかってはいるのですが。
「私の可愛いエレナ。もっといっぱい、幸せになろうな」
「幸せ過ぎて溶けてしまいそうです…」
「はは、たくさん甘やかして蕩けさせてやる」
「もう、お兄様ったら」
「さて、そろそろ朝食にしようか」
「はい」
二人で楽しむ朝食は、やっぱり特別に美味しく感じるのでした。
「お嬢様、おはようございます」
「んん…おはようございます、ナタリー」
「洗顔水とタオルです」
「ありがとうございます」
洗顔をしてさっぱりとすると、歯磨きもして次は着替えです。
「ではお着替えをいたしますね」
「はい、よろしくお願いします」
「ドレスはどれに致しますか?」
ナタリーがドレスを収納する広々としたスペースに案内してくれます。こんなに広いスペースなのに、中はドレスで埋め尽くされていました。
「…わあ…ドレスがこんなにたくさん…全部素敵…」
「こちらは全て、旦那様がお嬢様のためにご用意されたものですよ。オーダーメイドで、サイズもぴったりのはずです」
「えっ」
い、今更だけどそんなに良くしてもらっていいのかな…。
「お嬢様、お好きなドレスをお選びください」
「じゃあ…これかな」
フリフリヒラヒラの少ない、けれども可愛らしいふんわりしたデザインのものを選んでみます。色合いはパステルカラー。私にはそういうものが似合うらしいのです。別邸で叩き込まれました。
「さすがはお嬢様!お嬢様にはこういったデザインが良くお似合いです!」
ナタリーが私の着替えを手伝ってくれます。
「御髪を整えさせていただきますね」
そういうとナタリーは私の髪を梳かします。そして、ふわりと結い上げポニーテールにしてくれます。ドレスと同じ色のリボンを巻いてくれました。
「香水をつけましょうね、お嬢様。旦那様の好きな百合の香りにしましょう」
「はい」
「僭越ながら、今日から私がお化粧をさせていただきますね」
ナタリーに化粧をしてもらいます。ナタリーは腕が良いようです。とても可愛くしてもらえました。
「ではお嬢様。朝食にいたしましょう」
「はい」
食堂でお兄様を待ちます。早く会いたいな。そう思っていたらお兄様が来てくれました。
「お兄様、おはようございます!」
「おはよう、エレナ。そのドレス、とても良く似合っているな。気に入ってくれたか?」
「はい、どのドレスもとても素晴らしいです!ありがとうございます、お兄様。でも、本当に貰ってしまっていいんでしょうか?」
「もちろん。エレナの為に作らせたのだから。エレナが喜んでくれたら、私はそれで満足だ」
「ありがとうございます、お兄様…とっても、嬉しいです…」
幸せを噛み締めてお礼を伝えます。お兄様はそんな私を抱きしめてくれます。その手にまたびくっと反応してしまいますが、優しく抱きしめられて落ち着きます。はやく慣れたいのですが…どうしても反応してしまいます。申し訳ないです…。お兄様が私に対して意地悪をすることはないとわかってはいるのですが。
「私の可愛いエレナ。もっといっぱい、幸せになろうな」
「幸せ過ぎて溶けてしまいそうです…」
「はは、たくさん甘やかして蕩けさせてやる」
「もう、お兄様ったら」
「さて、そろそろ朝食にしようか」
「はい」
二人で楽しむ朝食は、やっぱり特別に美味しく感じるのでした。
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