妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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休み時間になりました

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休み時間になりました。途端にクリス様が教室にいらっしゃいました。

「やあ、エレナ。朝は挨拶に来れなくてごめんね。もう大丈夫かい?」

「はい、クリス様。おかげさまでゆっくりと休めました。またこうしてクリス様とお会い出来て嬉しいです」

「…っ!…不意打ちは卑怯だ」

「え?」

不意打ちってなんのことでしょうか?クリス様のお顔が途端に真っ赤になります。熱があるのでしょうか。風邪を拗らせると辛いですから、保健室に連れて行って差し上げた方がよろしいのでしょうか?

「クリス様、失礼しますね」

私は自分の額とクリス様の額にそれぞれ手をあてます。うん、熱は大丈夫そう。

「…エレナ」

「はい、クリス様」

「僕とマックス以外の男に無闇に近付いてはいけないよ。あと、こういうことも僕とマックス以外にしちゃいけない。いいね?」

「?…わかりました」

何故かはわからないですが、クリス様がそうおっしゃるなら気をつけましょう。

「あれを天然でやるんですから、エレナ様はすごいですわね。そしてあそこまでお膳立てされても押せ押せで行けず独占欲振り翳す皇太子殿下…」

「皇太子殿下ったら純粋すぎるエレナ様にタジタジですぅ。見てる分には焦れったくて困りますぅ」

「君達は本当にうるさいな!どうアプローチしようが僕の自由だろ!」

「独占欲を振り翳すのはアプローチにはなりませんわ」

「いっそ外堀から埋めた方がはやそうですぅ」

「外堀か、なるほど」

「あ、余計なこと言っちゃったかもですぅ」

「もう、ジェシー様ったら。皇太子殿下も外堀なんて狡いことをおっしゃらずに正攻法で感動的なプロポーズを考えなさいませ」

「まあ、君達に言われなくても努力するよ。エレナが喜んでくれるような思い出に残るプロポーズをしなきゃね」

「その前に好感度上げなきゃですけどねぇ」

「わかってるよ!」

よくわかりませんが、皆様と仲良く過ごせるのがとても嬉しいです。

「そうだ。エレナ、今日もサロンで一緒に昼食をとろう。僕の奢りにしておくよ」

「もちろんです。楽しみですね、ティナ様、ジェシー様」

「今日もたくさん美味しいものが食べられますぅ。御馳走さまですぅ、皇太子殿下」

「御馳走さまですわ、皇太子殿下。みんなで昼食なんて久しぶりですから楽しみですわ」

「そうですね。御馳走さまです、クリス様。お誘い本当にありがとうございます」

「ふふ、うん。僕も楽しみにしているね。じゃあ、そろそろ教室に戻るね。またお昼休みね」

「はい。またお昼休みに」

お昼休みが楽しみです!
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