妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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卒業、そして結婚

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今日は学園の卒業パーティーです。そして、その後すぐにクリス様との結婚式と披露宴があります。

「エレナ様ぁ、寂しいですぅ。卒業後も会ってくださいねぇ」

「エレナ様、私達はいつまでもお友達ですわ!皇太子殿下に許可をもぎ取って会いに行きますから、またたくさんお話致しましょうね!」

「もちろんです!ティナ様もジェシー様も大好きです!」

「エレナ様ぁ、大好きですぅ!」

「エレナ様、私本当にエレナ様にお会い出来て良かったですわ!」

卒業パーティーで、存分にティナ様とジェシー様と別れを惜しみます。ティナ様とジェシー様は卒業後、魔法省の特殊科に配属になり、また決められた相手と政略結婚をすることも決まっています。きっと忙しくてあまり会えないでしょう。でも、会いに来てくださるそうなのでこちらから都合の良い日に招待させていただきたいと思っています。ティナ様とジェシー様が大好きですから!

「それではティナ様、ジェシー様。行って参ります」

「ええ、行ってらっしゃいまし」

「幸せな花嫁さんになってくださいねぇ」

そして、卒業パーティーで存分にお友達との別れを惜しんだ後結婚式の会場に向かいます。中央教会に着くと、結婚届をクリス様と共に書いて提出し、控え室に向かいウェディングドレスに身を包みます。準備が整うと、クリス様が待つ部屋に向かいます。見届け人は皇帝陛下と皇后陛下、そしてお兄様。貴族へのお披露目は披露宴で行います。タキシード姿のクリス様は、とてもかっこいいです。

「エレナ、綺麗だ」

「クリス様も、とても素敵です」

そして、中央教会の教皇猊下の元で結婚式が執り行われます。

「クリストフ・リュシアン。汝はいついかなる時もエレオノール・セヴランを愛し、大切に守り、お互いに支え合うことを誓いますか?」

「誓います」

「エレオノール・セヴラン。汝はいついかなる時もクリストフ・リュシアンを愛し、大切に守り、お互いに支え合うことを誓いますか?」

「誓います」

「では、誓いのキスを」

ドキドキしながらクリス様を待ちます。目を瞑ると、クリス様の手が頬に添えられてクリス様のお顔がゆっくりと近付いてきます。

「エレナ、愛してる」

クリス様がそう言うと、優しく唇に唇が重ねられました。

「二人とも、結婚おめでとう」

「母は二人の幸せな姿に、とても感動していますよ」

「父上、母上、ありがとうございます」

「皇帝陛下、皇后陛下、本当にありがとうございます」

皇帝陛下と皇后陛下から祝福していただき、胸がいっぱいです。

「皇太子殿下、エレナ。ご成婚おめでとうございます」

「ありがとうございます、お兄様!」

「ありがとう、マックス」

お兄様に抱き締められます。

「エレナ、幸せになれ」

「はい!」

そして、皇宮で披露宴も行われて他の貴族の皆様からも祝福をいただきました。

「クリス様…私、幸せです」

「僕も今が一番幸せだ…でも、きっと、これか
らもっともっと幸せにする。約束だ」

「はい、私もたくさんクリス様を幸せにしますね」

「あはは、それは楽しみだな。僕も負けていられないね」

ちゅっと頬に軽いキスをされます。披露宴に集まっていた貴族の皆様から歓声が上がります。

「愛してる。二人で共に幸せになろう」

「はい、クリス様」

私は今、世界で一番幸せな花嫁です。
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