悪役令嬢が王太子に掛けられた魅了の呪いを解いて、そのせいで幼児化した結果

下菊みこと

文字の大きさ
51 / 68

自害

しおりを挟む
わたくしが村に残された女性や子供たちへの金銭的支援をした結果、彼女たちは慎ましやかに生きれば一生困らない資金を得た。

それに感謝して、わたくしたちを襲った男衆はなんとか懸命にマインドコントロールを受けた相手を思い出そうと四苦八苦しながらも努力してくれた。

その結果。

「ヴァレール様、今なんて…?」

「実行犯である、マインドコントロールの被害者でもある彼らが全員毒杯を受け取る前に自害した」

「どうして…」

「それも、かなり酷い形での自害だった…おそらく、マインドコントロールをした連中が彼らに口外しないようなにかを仕込んでいたのだと思う」

「そんな…」

毒杯での死なら苦しむことも少なかっただろうに…遺体もきっと悲惨なことになっているだろう。

「可哀想、ですわ…ぐすっ、うっ…」

「シャル…」

「彼らのことは許しませんわ、でも…そんなのあんまりですわ…うぅ…」

感情がコントロール出来ず、ぼろぼろと泣いてしまう。

そんなわたくしにヴァレール様はハンカチで涙を拭ってくれる。

「シャル…」

「遺体は…家族の元へ戻りましたの?ぐすっ」

「うん、シャルの支援のおかげで葬儀もできて埋葬できたそうだよ」

「そうですの…すんっ、うぅっ」

「みんなシャルに感謝してる。だから、シャルは泣く必要ないよ」

ぎゅっと抱きしめてくれるヴァレール様。

「ええ、そうですわね。でも、悲しいんですの。ぐすっ、ぐすっ」

「シャル」

「せめて彼らのためにも、なんとか黒幕を突き止めなければなりませんわね…ぐすんっ」

「そうだね。罰を与えて二度とシャルに手を出せないようにしないと」

黒幕を突き止めなければならない。

けれどそのための手段がない。

ヴァレール様に涙をもう一度拭われて、やっと涙が止まる。

「どうしましょう。何か有効な手段はないかしら…」

「今のところ、どうしようもないが…」

「うーん…」

悪党を野放しにはできませんわ。

隣国の件も含めて考えると、これは我が国だけでなく大陸全土の問題。

今もわたくしの知らないところで、悪い組織が暗躍している可能性もありますわ。

それを考えれば早急に手を打つ必要がある。

でも今は手詰まりですわ…何かできることは…。

「そうですわ、ヴァレール様」

「どうしたの、シャル」

「大陸で変なことが他にも起こっていないか調べれば、何か出てくるかもしれませんわ」

「…なるほど。調べてみるよ」

「ありがとうございます、ヴァレール様」

わたくしがお礼を言えば、ヴァレール様は頭を撫でてくれる。

「大丈夫、こちらこそ考えてくれてありがとう。それでなんとかわかることがあるといいのだけど」

「ですわね…」

どうか、何かわかることがありますように。
しおりを挟む
感想 46

あなたにおすすめの小説

【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました

雨宮羽那
恋愛
 結婚して5年。リディアは悩んでいた。  夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。  ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。  どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。  そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。  すると、あら不思議。  いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。 「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」 (誰ですかあなた) ◇◇◇◇ ※全3話。 ※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜

捨てられた騎士団長と相思相愛です

京月
恋愛
3年前、当時帝国騎士団で最強の呼び声が上がっていた「帝国の美剣」ことマクトリーラ伯爵家令息サラド・マクトリーラ様に私ルルロ侯爵令嬢ミルネ・ルルロは恋をした。しかし、サラド様には婚約者がおり、私の恋は叶うことは無いと知る。ある日、とある戦場でサラド様は全身を火傷する大怪我を負ってしまった。命に別状はないもののその火傷が残る顔を見て誰もが彼を割け、婚約者は彼を化け物と呼んで人里離れた山で療養と言う名の隔離、そのまま婚約を破棄した。そのチャンスを私は逃さなかった。「サラド様!私と婚約しましょう!!火傷?心配いりません!私回復魔法の博士号を取得してますから!!」

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた

菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに対して、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…? ※他サイトでも掲載しております。

【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される

えとう蜜夏
恋愛
 リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。  お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。  少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。  22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位  Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.  ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました

春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。 名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。 姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。 ――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。 相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。 40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。 (……なぜ私が?) けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。

完結 女性に興味が無い侯爵様、私は自由に生きます

ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ! そんな私に好都合な相手が。 女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。

処理中です...