3 / 34
お茶会です!
しおりを挟む
ご機嫌よう。リンネアル・サント・エルドラドです。今、ティラン兄様とお茶会してます!
「ねえねえ、ティラン兄様!」
「どうした?」
「私もティラン兄様とおんなじのが飲みたいなあ」
そう。お茶会といっても私は牛乳で、ティラン兄様はコーヒーを飲んでいます。
久しぶりにコーヒー飲みたいなあ。でもこの身体子供だからなあ。ダメかなあ。
「だめだ。我が愚妹には早すぎる。苦くて吐くぞ」
「えー、ティラン兄様のケチー」
思わずふくれっ面になってしまいます。
「っ…ははっ!なんて顔してるんだよ、ブスが余計にブスになるだろ」
ティラン兄様は失礼なことを言いながら私の頬をつんつんしてきます。
「私ブスじゃないもん。私ティラン兄様に似てるから、私がブスならティラン兄様もブスだもん」
「は?お前が俺に似てるって?どこが。お前白銀の髪もアメジストの瞳も持ってないだろ」
大真面目な顔で全否定するティラン兄様。でも。
「色は全然違うけど形は似てるの!」
そう、異母兄弟とは言え曲がりなりにも血を分けた兄弟。ティラン兄様と私は割と似ているのだ。イケメンというか美男子なティラン兄様に似た私はそれはもう可愛い。思わず鏡でうっとりしちゃうくらいに。いや、やらないけれども。
「ふーん…形が似てる、ねぇ」
なおも頬をつんつんするティラン兄様。まったくもう!子供なんだから!
「ところでお前、魔力の方はどうなの」
ティラン兄様から急に話を振られます。どうなのと言われても…。
「うーん…王族としては少ないんだって。でも、平民や貴族よりは多いって!」
「ふーん、やっぱり貧弱なんだな」
「貴族よりは多いの!」
普通の貴族より多いって言ってるのに貧弱扱いするティラン兄様。意地悪なんだから!
「王族が貴族より魔力が多いのは当たり前だろ。内乱が起こった時に対処出来なきゃ困るし」
私の頬をむにむにと摘んだり伸ばしたりしながら、ティラン兄様は言う。
「何かあっても俺は守ってやらないから、護身術代わりに魔術はきっちりと身につけておけよ」
「はーい!」
そう、可愛がってくれている風のティラン兄様は、しかし今日まで私のところに来てくれなかったし、今のところ何かあっても守ってはくれないだろう。自衛手段を持つのは大事だ。…と言っても、今は、だけど。そのうち私が可愛くて仕方なくして、溺愛されちゃうんだから!
私がそう意気込んでいると、じーっと私を見つめてくるティラン兄様。なに?
「どうしたの?ティラン兄様」
「…いや、確かに割と似てんのかなって思って」
ふむ。と一度頷くと、私の頭を軽く撫でるティラン兄様。
「愚妹でも、やっぱり俺の妹なんだな」
…なんだろう?なんかむず痒い。
「…よし。これから毎日晩餐とティータイムは一緒にとるぞ、いいな?」
「わあい!ティラン兄様とお食事、嬉しい!」
ティラン兄様はにっと不敵な笑みを浮かべて、お前は俺の気紛れで生かされていることを忘れるなよ、と言う。忘れるわけない。
「じゃあ俺そろそろ公務に戻るわ。また晩餐でな」
「はーい、楽しみにしてるね」
にこにこ笑顔で見送ると、ティラン兄様は私の頭を軽く撫でてから帰っていった。
「うん、今のところいいんじゃない?」
結構仲良しだよね?大丈夫だよね?このまま良い子でいれば、溺愛されちゃうのも時間の問題だよね?
わーい、もっと愛嬌作戦頑張ろう!
「ねえねえ、ティラン兄様!」
「どうした?」
「私もティラン兄様とおんなじのが飲みたいなあ」
そう。お茶会といっても私は牛乳で、ティラン兄様はコーヒーを飲んでいます。
久しぶりにコーヒー飲みたいなあ。でもこの身体子供だからなあ。ダメかなあ。
「だめだ。我が愚妹には早すぎる。苦くて吐くぞ」
「えー、ティラン兄様のケチー」
思わずふくれっ面になってしまいます。
「っ…ははっ!なんて顔してるんだよ、ブスが余計にブスになるだろ」
ティラン兄様は失礼なことを言いながら私の頬をつんつんしてきます。
「私ブスじゃないもん。私ティラン兄様に似てるから、私がブスならティラン兄様もブスだもん」
「は?お前が俺に似てるって?どこが。お前白銀の髪もアメジストの瞳も持ってないだろ」
大真面目な顔で全否定するティラン兄様。でも。
「色は全然違うけど形は似てるの!」
そう、異母兄弟とは言え曲がりなりにも血を分けた兄弟。ティラン兄様と私は割と似ているのだ。イケメンというか美男子なティラン兄様に似た私はそれはもう可愛い。思わず鏡でうっとりしちゃうくらいに。いや、やらないけれども。
「ふーん…形が似てる、ねぇ」
なおも頬をつんつんするティラン兄様。まったくもう!子供なんだから!
「ところでお前、魔力の方はどうなの」
ティラン兄様から急に話を振られます。どうなのと言われても…。
「うーん…王族としては少ないんだって。でも、平民や貴族よりは多いって!」
「ふーん、やっぱり貧弱なんだな」
「貴族よりは多いの!」
普通の貴族より多いって言ってるのに貧弱扱いするティラン兄様。意地悪なんだから!
「王族が貴族より魔力が多いのは当たり前だろ。内乱が起こった時に対処出来なきゃ困るし」
私の頬をむにむにと摘んだり伸ばしたりしながら、ティラン兄様は言う。
「何かあっても俺は守ってやらないから、護身術代わりに魔術はきっちりと身につけておけよ」
「はーい!」
そう、可愛がってくれている風のティラン兄様は、しかし今日まで私のところに来てくれなかったし、今のところ何かあっても守ってはくれないだろう。自衛手段を持つのは大事だ。…と言っても、今は、だけど。そのうち私が可愛くて仕方なくして、溺愛されちゃうんだから!
私がそう意気込んでいると、じーっと私を見つめてくるティラン兄様。なに?
「どうしたの?ティラン兄様」
「…いや、確かに割と似てんのかなって思って」
ふむ。と一度頷くと、私の頭を軽く撫でるティラン兄様。
「愚妹でも、やっぱり俺の妹なんだな」
…なんだろう?なんかむず痒い。
「…よし。これから毎日晩餐とティータイムは一緒にとるぞ、いいな?」
「わあい!ティラン兄様とお食事、嬉しい!」
ティラン兄様はにっと不敵な笑みを浮かべて、お前は俺の気紛れで生かされていることを忘れるなよ、と言う。忘れるわけない。
「じゃあ俺そろそろ公務に戻るわ。また晩餐でな」
「はーい、楽しみにしてるね」
にこにこ笑顔で見送ると、ティラン兄様は私の頭を軽く撫でてから帰っていった。
「うん、今のところいいんじゃない?」
結構仲良しだよね?大丈夫だよね?このまま良い子でいれば、溺愛されちゃうのも時間の問題だよね?
わーい、もっと愛嬌作戦頑張ろう!
20
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
破滅フラグから逃げたくて引きこもり聖女になったのに「たぶんこれも破滅ルートですよね?」
氷雨そら
恋愛
「どうしてよりによって、18歳で破滅する悪役令嬢に生まれてしまったのかしら」
こうなったら引きこもってフラグ回避に全力を尽くす!
そう決意したリアナは、聖女候補という肩書きを使って世界樹の塔に引きこもっていた。そしていつしか、聖女と呼ばれるように……。
うまくいっていると思っていたのに、呪いに倒れた聖騎士様を見過ごすことができなくて肩代わりしたのは「18歳までしか生きられない呪い」
これまさか、悪役令嬢の隠し破滅フラグ?!
18歳の破滅ルートに足を踏み入れてしまった悪役令嬢が聖騎士と攻略対象のはずの兄に溺愛されるところから物語は動き出す。
小説家になろうにも掲載しています。
聖女の力は「美味しいご飯」です!~追放されたお人好し令嬢、辺境でイケメン騎士団長ともふもふ達の胃袋掴み(物理)スローライフ始めます~
夏見ナイ
恋愛
侯爵令嬢リリアーナは、王太子に「地味で役立たず」と婚約破棄され、食糧難と魔物に脅かされる最果ての辺境へ追放される。しかし彼女には秘密があった。それは前世日本の記憶と、食べた者を癒し強化する【奇跡の料理】を作る力!
絶望的な状況でもお人好しなリリアーナは、得意の料理で人々を助け始める。温かいスープは病人を癒し、栄養満点のシチューは騎士を強くする。その噂は「氷の辺境伯」兼騎士団長アレクシスの耳にも届き…。
最初は警戒していた彼も、彼女の料理とひたむきな人柄に胃袋も心も掴まれ、不器用ながらも溺愛するように!? さらに、美味しい匂いに誘われたもふもふ聖獣たちも仲間入り!
追放令嬢が料理で辺境を豊かにし、冷徹騎士団長にもふもふ達にも愛され幸せを掴む、異世界クッキング&溺愛スローライフ! 王都への爽快ざまぁも?
二度目の召喚なんて、聞いてません!
みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。
その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。
それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」
❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。
❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。
❋他視点の話があります。
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる