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結婚式の準備
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今日はウェディングドレスの試着の日。もう大方出来てて、あとは魔法で微調整すれば完成らしい。ちなみに聖王猊下もタキシードの試着をする。
「イザベル、それじゃあ試着が終わったら会おうな」
「はい」
「まだ試着の段階とはいえ、着飾るイザベルを見るのは楽しみだなぁ」
「ふふ、聖王猊下のタキシード姿も楽しみです」
子供がタキシードを着るなんて、絶対可愛い。
「じゃあ、行ってくる」
「はい」
聖王猊下が部屋を出ると、ウェディングドレスの試着に入る。ウェディングドレスは大きな調整は必要なく、結構いい感じにフィットしていた。だが細かな微調整が魔法で行われて、本当にぴったりになった。ついでだからとメイクを施され髪を結い、鏡を見れば平凡な容姿の私がとっても綺麗になっていた。
「メイクってすごい…」
「お嬢様がお美しいのは、心が美しいからこそです!」
「いやいやいや…」
でも。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ自分に自信を持てる気がした。
「イザベル、入っていいか?」
そこで、声が聞こえた。みんなが私をお嬢様と呼ぶ中で、私をイザベルと呼ぶのはただ一人。でも、いつもより声が低い。可愛らしい子供の声ではなくて、聞いていて心地よい大人の男性の声。
「…えっと、はい」
戸惑いつつも、了承する。そこにいたのは、タキシードを着た長身の男の人。長い銀髪を伸ばしっぱなしにしていて紫の瞳の、神秘的な容姿の青年。…でも、その容姿はどこかで見たことあるような。
「まさか」
「うん?」
「聖王猊下です…か?」
「そうだ。…魔力を操作して、一時的に大人っぽい容姿にしている。かなり疲れるからやりたくないが、我が花嫁に喜んでほしいから張り切ってみた。当然結婚式当日もこの姿でいるから、楽しみにしていてくれ。あ、ちなみに高位貴族ならばほとんどが幼子の姿の俺もこの姿の俺も知っているから、変な憶測などは心配しなくていいぞ」
困った。どうしよう。
私、失恋したばかりなのに新たな婚約者に一目惚れしてしまいました。
「どうだ、イザベル。似合うか?」
「は、はい!とても!」
「そうだろうそうだろう!イザベルも、とっても似合っているぞ。世界で一番可愛い花嫁だ」
「…えへへ」
照れてしまう。やだな、恥ずかしいな。こんなに早く心変わりするなんて。
「イザベルは着飾ると、本当に誰にも負けないくらい美人だな。でも、化粧がなくても可憐だと思う。うーん、悩ましいな」
「ほ、褒めすぎです」
「我が花嫁を褒めて何が悪い」
「だめ、やめて、ほんとうにむりです。しんぞうがもたない…」
嬉しすぎてドキドキする。胸が苦しい。
「…ああ、照れているのか?ますます愛おしいな」
どうしよう。この人が求めているのは私の光魔法や星辰語翻訳の能力なのに、勘違いしてしまいそう。
「可愛いぞ、イザベル」
いっそのこと勘違いしてしまおうか、なんて都合の良い頭が囁いた。それを振り切って、聖王猊下に微笑む。
「…それ以上は私の心臓がもたないのでダメです」
「むう。照れるイザベルをもっと見たい」
「ダメなものはダメです。さあさあ、お互い衣装のお披露目もしたところでそろそろ汚さないうちに着替えましょうね」
「イザベルがそういうなら、仕方がないな」
ということで、着替える。よかった、心臓はまだバクバクいってるけどなんとかもった。
その後子供姿の聖王猊下に戻って、やっぱりショタは恋愛対象外なんだよなぁと頭が正常に切り替わった。
「イザベル、それじゃあ試着が終わったら会おうな」
「はい」
「まだ試着の段階とはいえ、着飾るイザベルを見るのは楽しみだなぁ」
「ふふ、聖王猊下のタキシード姿も楽しみです」
子供がタキシードを着るなんて、絶対可愛い。
「じゃあ、行ってくる」
「はい」
聖王猊下が部屋を出ると、ウェディングドレスの試着に入る。ウェディングドレスは大きな調整は必要なく、結構いい感じにフィットしていた。だが細かな微調整が魔法で行われて、本当にぴったりになった。ついでだからとメイクを施され髪を結い、鏡を見れば平凡な容姿の私がとっても綺麗になっていた。
「メイクってすごい…」
「お嬢様がお美しいのは、心が美しいからこそです!」
「いやいやいや…」
でも。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ自分に自信を持てる気がした。
「イザベル、入っていいか?」
そこで、声が聞こえた。みんなが私をお嬢様と呼ぶ中で、私をイザベルと呼ぶのはただ一人。でも、いつもより声が低い。可愛らしい子供の声ではなくて、聞いていて心地よい大人の男性の声。
「…えっと、はい」
戸惑いつつも、了承する。そこにいたのは、タキシードを着た長身の男の人。長い銀髪を伸ばしっぱなしにしていて紫の瞳の、神秘的な容姿の青年。…でも、その容姿はどこかで見たことあるような。
「まさか」
「うん?」
「聖王猊下です…か?」
「そうだ。…魔力を操作して、一時的に大人っぽい容姿にしている。かなり疲れるからやりたくないが、我が花嫁に喜んでほしいから張り切ってみた。当然結婚式当日もこの姿でいるから、楽しみにしていてくれ。あ、ちなみに高位貴族ならばほとんどが幼子の姿の俺もこの姿の俺も知っているから、変な憶測などは心配しなくていいぞ」
困った。どうしよう。
私、失恋したばかりなのに新たな婚約者に一目惚れしてしまいました。
「どうだ、イザベル。似合うか?」
「は、はい!とても!」
「そうだろうそうだろう!イザベルも、とっても似合っているぞ。世界で一番可愛い花嫁だ」
「…えへへ」
照れてしまう。やだな、恥ずかしいな。こんなに早く心変わりするなんて。
「イザベルは着飾ると、本当に誰にも負けないくらい美人だな。でも、化粧がなくても可憐だと思う。うーん、悩ましいな」
「ほ、褒めすぎです」
「我が花嫁を褒めて何が悪い」
「だめ、やめて、ほんとうにむりです。しんぞうがもたない…」
嬉しすぎてドキドキする。胸が苦しい。
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「可愛いぞ、イザベル」
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