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イオくんの助けた商家のお嬢様が、イオくんに会いにきた
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ある日、縁側から庭をのんびり眺めていたら小さなお客様が来た。
「あの、すみません!」
「はい、どうしました?」
「こちらはジョウコお嬢様のお屋敷で間違いないでしょうか?」
まだ小さいのにしっかりした子だ。
八歳くらいだろうか。
金髪にピンクの瞳の可愛らしい女の子だ。
着ている服は上等なもので、貴族の出身ではなさそうだが裕福なのは見て取れる。
「そうですよ」
「貴女がジョウコお嬢様ですか?」
「はい」
「この度は私の命を助けてくださりありがとうございました!これ、お礼の品です!」
いきなり頭を下げられお礼を言われて、お礼の品としてやたら高そうな簪やらイヤリングやらの装飾品をたくさんもらってしまった。
しかしお礼を言われる覚えはない。
「ええっと…」
「リリアンヌお嬢様!?」
「イオ!久しぶりね!」
そこに先ほどまでお茶菓子として食べるつもりだったプリンを取りに行っていたイオくんが戻ってきた。
イオくんの反応を見るに、この子がイオくんが助けた病気で困っていたお嬢様らしい。
だから命を助けたという話になって、お礼に来てくれたのか。
「ジョウコお嬢様、私は貴女のおかげで命を救われました。今ではこんなに元気です。本当は両親もお礼に来たかったようなのですが、多忙すぎる人たちなので…代わりに私が来たのです。本当にありがとうございました、ジョウコお嬢様」
ちらっと屋敷の門の方を見るとお目付け役なのか護衛なのかゴツい人がこっちを見ている。
やっぱり相当なお嬢様のようだ。
「うちは自分で言うのもなんですが、裕福な商家なんです。でもちょうど病気をしていたあの頃は領主様に税を払ったり、売れると見込んだ商品を大量購入して大金を使った後で…」
「ああ、それでお金が…」
「はい。今は商品が売れに売れてお金もおつりを連れて戻ってきたのですけど…タイミングが悪かったですね…だから本当に助かりました!ありがとうございます、ジョウコお嬢様!」
「ふふ、お役に立てて何よりです」
リリアンヌちゃんは本当に義理堅い律儀な性格らしい。
可愛いな。
「ジョウコお嬢様、私はリリアンヌと申します。ジョウコお嬢様がいいなら、リリーと呼んでくださいませ」
「リリーちゃん、よろしくね」
「はい、よろしくお願いします。ジョウコお嬢様」
にこっと微笑むリリーちゃんは本当に可愛らしい。
バラキエル様も天使みたいに美しい人だが、リリーちゃんは月の妖精みたいな可愛らしさだ。
隣で黙って立っているイオくんも、リリーちゃんを微笑ましげに見守っている。
「ところでイオ」
「はい、リリアンヌお嬢様」
「貴方今、とても幸せそうね。いい顔をしているわ」
リリーちゃんが嬉しそうにそう言うと、イオくんは照れ笑いをした。
「ふふ、そうですね。仲間にも主人にも恵まれていますから。ただ、リリアンヌお嬢様の元にいた時も最高に幸せでしたよ」
「それは良かった。お父様も貴方のことを心配していたから、幸せそうだと伝えてもいいかしら」
「もちろんです、リリアンヌお嬢様。旦那様によろしくお伝えください」
「ええ、きちんと伝えておくわ」
そしてリリーちゃんは私にもう一度頭を下げた。
「本当にありがとうございました。命を助けていただき、イオのことも大切にしていただき…感謝に絶えません。私はこれで失礼しますが、もし何かあれば力になりますのでぜひ頼ってください。…何もない時でも、頼ってくだされば嬉しいです」
「うん、ありがとうリリーちゃん」
リリーちゃんはリリーちゃんで忙しい身なんだろう。
裕福な商家のお嬢様なのだから。
それでも律儀にここまで来てくれた。
その気持ちが嬉しい。
「では、失礼致します。本当にありがとうございました」
「うん、気をつけて帰ってね」
リリーちゃんを見送る。
リリーちゃんはゴツい人に守られながら、馬車に乗って帰って行った。
イオくんはその日それ以降超絶ごきげんで、夕飯の担当がイオくんだったのだが夕飯がものすごく豪華になった。
「あの、すみません!」
「はい、どうしました?」
「こちらはジョウコお嬢様のお屋敷で間違いないでしょうか?」
まだ小さいのにしっかりした子だ。
八歳くらいだろうか。
金髪にピンクの瞳の可愛らしい女の子だ。
着ている服は上等なもので、貴族の出身ではなさそうだが裕福なのは見て取れる。
「そうですよ」
「貴女がジョウコお嬢様ですか?」
「はい」
「この度は私の命を助けてくださりありがとうございました!これ、お礼の品です!」
いきなり頭を下げられお礼を言われて、お礼の品としてやたら高そうな簪やらイヤリングやらの装飾品をたくさんもらってしまった。
しかしお礼を言われる覚えはない。
「ええっと…」
「リリアンヌお嬢様!?」
「イオ!久しぶりね!」
そこに先ほどまでお茶菓子として食べるつもりだったプリンを取りに行っていたイオくんが戻ってきた。
イオくんの反応を見るに、この子がイオくんが助けた病気で困っていたお嬢様らしい。
だから命を助けたという話になって、お礼に来てくれたのか。
「ジョウコお嬢様、私は貴女のおかげで命を救われました。今ではこんなに元気です。本当は両親もお礼に来たかったようなのですが、多忙すぎる人たちなので…代わりに私が来たのです。本当にありがとうございました、ジョウコお嬢様」
ちらっと屋敷の門の方を見るとお目付け役なのか護衛なのかゴツい人がこっちを見ている。
やっぱり相当なお嬢様のようだ。
「うちは自分で言うのもなんですが、裕福な商家なんです。でもちょうど病気をしていたあの頃は領主様に税を払ったり、売れると見込んだ商品を大量購入して大金を使った後で…」
「ああ、それでお金が…」
「はい。今は商品が売れに売れてお金もおつりを連れて戻ってきたのですけど…タイミングが悪かったですね…だから本当に助かりました!ありがとうございます、ジョウコお嬢様!」
「ふふ、お役に立てて何よりです」
リリアンヌちゃんは本当に義理堅い律儀な性格らしい。
可愛いな。
「ジョウコお嬢様、私はリリアンヌと申します。ジョウコお嬢様がいいなら、リリーと呼んでくださいませ」
「リリーちゃん、よろしくね」
「はい、よろしくお願いします。ジョウコお嬢様」
にこっと微笑むリリーちゃんは本当に可愛らしい。
バラキエル様も天使みたいに美しい人だが、リリーちゃんは月の妖精みたいな可愛らしさだ。
隣で黙って立っているイオくんも、リリーちゃんを微笑ましげに見守っている。
「ところでイオ」
「はい、リリアンヌお嬢様」
「貴方今、とても幸せそうね。いい顔をしているわ」
リリーちゃんが嬉しそうにそう言うと、イオくんは照れ笑いをした。
「ふふ、そうですね。仲間にも主人にも恵まれていますから。ただ、リリアンヌお嬢様の元にいた時も最高に幸せでしたよ」
「それは良かった。お父様も貴方のことを心配していたから、幸せそうだと伝えてもいいかしら」
「もちろんです、リリアンヌお嬢様。旦那様によろしくお伝えください」
「ええ、きちんと伝えておくわ」
そしてリリーちゃんは私にもう一度頭を下げた。
「本当にありがとうございました。命を助けていただき、イオのことも大切にしていただき…感謝に絶えません。私はこれで失礼しますが、もし何かあれば力になりますのでぜひ頼ってください。…何もない時でも、頼ってくだされば嬉しいです」
「うん、ありがとうリリーちゃん」
リリーちゃんはリリーちゃんで忙しい身なんだろう。
裕福な商家のお嬢様なのだから。
それでも律儀にここまで来てくれた。
その気持ちが嬉しい。
「では、失礼致します。本当にありがとうございました」
「うん、気をつけて帰ってね」
リリーちゃんを見送る。
リリーちゃんはゴツい人に守られながら、馬車に乗って帰って行った。
イオくんはその日それ以降超絶ごきげんで、夕飯の担当がイオくんだったのだが夕飯がものすごく豪華になった。
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