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悪役令嬢の婚約者に転生した
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悪役令嬢の婚約者に転生した。
つまりは、乙女ゲームのメイン攻略対象者に転生した。
なんかもうテンプレで、空から降ってきた鉢植えで頭を打って死んだ俺は気付いたら妹が大好きだった乙女ゲームの世界に転生していたのだ。
不運がすぎる…が、むしろ幸運とも言える。
何故なら、妹に無理矢理ゲームに付き合わされた俺にとって。
婚約者である悪役令嬢ジュリエット…ジュジュたんは一番の〝推し〟だからだ。
そして幸い、前世の記憶を思い出したのは俺たちが初めて出会う日の前夜。
そう、このクソ王子がジュジュたんに醜女だなんて最悪なセリフを投げかけて…ジュジュたんの心を完全に破壊する前だった。
ジュジュたんは親に愛されず育ってきた子だ。
そしてこのクソ王子に出会い頭に拒絶されたことで悪役令嬢に落ちる。
あ、もちろんジュジュたんは醜女なんかじゃなくてバッチリ可愛い!
このクソ王子…つまり今世の俺がモラハラクソヤロウだっただけだ。
ジュジュたんはただ愛されたかっただけの可愛い可愛い女の子だ。
なのに婚約者はポッと出の女に取られ、家族にはそのことで見捨てられ、ジュジュたんは凶行に走る。
結果王太子の新たな婚約者を害した罪人として処刑されるのだ。
本当に乙女ゲームの設定かよと思うほどダークだ…この世界は本当にジュジュたんへの悪意の塊で怖い。
でも、俺がこうして異世界転生して全てを思い出したことでジュジュたんを救える!
やったー!!!
できることなら、愛されたがりの君を思う存分に甘やかして…自信をつけてより美しく高潔になる君を見たい。
そして顔合わせの日。
緊張した面持ちのジュジュたんが俺に挨拶をする。
俺も軽く挨拶をした。
そして親は俺たちを子供同士で遊んで来なさいと自由にした。
なので俺は庭先にジュジュたんを誘い、二人きりになったところでジュジュたんを思いっきり抱きしめる。
「え、え、アンリ様!?」
「ジュジュたん、愛してるよ」
「え?」
「今まで本当によく、耐えてきたね。これからは、もう俺がいる。一人になんてしないから、寂しくないよ」
「な、なんで…どうして、わたくしの欲しい言葉をくださるの…?」
ぎゅっと抱きしめる腕に力を込める。
「愛しているからさ。なんでもはわからないけど、わかることはわかるよ」
「…アンリ様、わたくしっ」
「うん」
「わたくしも、アンリ様を愛していいかしら…」
「もちろん!お互いに愛し合って、助け合って、支え合っていこう」
「…はい!」
こうしてジュジュたんは、俺の婚約者としての自信をつけた。
愛されている自信だ。
だからジュジュたんは、悪役令嬢に落ちることはなかった。
優しくて真っ直ぐな、素敵なお嬢様に育った。
ジュジュたんとひたすらに愛を育み、ジュジュたんと信頼関係を築き上げてきた。
ジュジュたんはそのおかげで、闇落ちすることなく美しく高潔な人となった。
そんなジュジュたんにますます惚れ込む俺と、俺の愛に真っ直ぐに答えてくれるジュジュたん。
俺たちは貴族社会でも有名なラブラブカップルになった。
そして乙女ゲームの舞台、貴族学園での学び舎生活がスタートした。
ヒロインが湧いてこようと関係ない、そう思っていたのだが…そうもいかなかった。
「ジュジュたんが、イジメ?」
「どうもそうらしい。だからアンリ、お前とあの娘との婚約者は破棄する」
「何故ですか!父上!何故ジュジュたんを…ジュリエットを疑うのです!」
「証拠も上がっている」
「ジュジュたんがそんなことするわけない!」
俺は父に対抗したが、ジュジュたんとの婚約を破棄されてしまった。
それもこれもいつまでも俺があの転生性悪ヒロインに靡かないから、あの転生性悪ヒロインが仕組んだことなのだろう。
それでもジュジュたんを諦められない俺は、こっそりとジュジュたんに会いに行った。
「ジュジュたん…!」
「アンリ様…っ!」
ジュジュたんはすっかりと憔悴しきった様子で、可哀想にと抱きしめる。
「ああ、ジュジュたん…こんなに痩せて…」
「アンリ様、会いたかったです…」
「ジュジュたん、可哀想に…待っててね、俺が必ず冤罪を晴らすから」
「冤罪なんてどうでもいい!」
「ジュジュたん…?」
ぼろぼろ泣くジュジュたん。
「アンリ様と居られれば…それで…」
「ジュジュたん…」
正直な話、俺には第二王子である優秀な弟がいる。
あと、スペアとなる第三王子の弟も。
あの多分転生性悪ヒロインなんだろう女狐もいるから心配だが…まあ、優秀なあいつらなら国を任せられる。
…王子としては、王太子としては失格もいいところだな。
だけど。
「…ジュジュたん、一緒に逃げよう」
「え」
「駆け落ちしよう」
「…はい!」
俺は、一番最低で…でも、ジュジュたんだけは確実に幸せに出来る道を選んだ。
田舎町の定食屋。
夫婦で営むそこに、お客様がきた。
お客様の話し声が聞こえる。
「数年前のあの事件覚えてるか?あの国の」
「ああ、元王太子が元婚約者と駆け落ちした話?」
「そうそう。あの国の元国王は、女の子のイジメの訴えを証拠が揃ってるからって信じたらしいけど、結局元王太子の弟の現国王がその証拠の穴を突いて、駆け落ちした女の子が無実だったって証明したんだよな」
「元王太子は、逃げたのは無責任だけど…気持ちは分かるよなぁ」
「それだけ婚約者を愛してるんだろうな。今でもどこかで細々とラブラブ生活送ってて欲しいよな」
サービスで、彼らの定食のご飯を大盛りにする。
「今日は気分がいいから、特別サービスでご飯大盛りな」
「お、サンキュー!」
「やったぜ!」
「ふふ、いっぱい食べてくださいね」
にっこり笑って妻が…ジュジュたんが配膳する。
ジュジュたんは何をやっても可愛いなぁ。
「ジュジュたん、今幸せ?」
「アンリと一緒に居られれば、いつでも幸せよ」
「ふふ、愛してるよジュジュたん」
「私もよ、アンリ」
「パパー!ママー!」
「ジュエリー、どうしたの?」
娘が元気に帰ってきた。
「パパとママに、綺麗な小石を拾ってきたの!あげる!」
「あらあら、いい子ね。ありがとう」
「えへへ、うん!どういたしまして!」
「ジュエリー、ありがとう」
「どういたしまして!」
幸せだ。
今のこの幸せを守るためなら、俺は何でも出来る。
そう、なんだって。
「さあ、手を洗っていらっしゃい。お店を手伝ってくれるかしら?」
「うん!手を洗ってくるね」
「ありがとう、いい子ね」
ジュジュたんの幸せそうな横顔に、俺はこの上なく幸せを感じた。
つまりは、乙女ゲームのメイン攻略対象者に転生した。
なんかもうテンプレで、空から降ってきた鉢植えで頭を打って死んだ俺は気付いたら妹が大好きだった乙女ゲームの世界に転生していたのだ。
不運がすぎる…が、むしろ幸運とも言える。
何故なら、妹に無理矢理ゲームに付き合わされた俺にとって。
婚約者である悪役令嬢ジュリエット…ジュジュたんは一番の〝推し〟だからだ。
そして幸い、前世の記憶を思い出したのは俺たちが初めて出会う日の前夜。
そう、このクソ王子がジュジュたんに醜女だなんて最悪なセリフを投げかけて…ジュジュたんの心を完全に破壊する前だった。
ジュジュたんは親に愛されず育ってきた子だ。
そしてこのクソ王子に出会い頭に拒絶されたことで悪役令嬢に落ちる。
あ、もちろんジュジュたんは醜女なんかじゃなくてバッチリ可愛い!
このクソ王子…つまり今世の俺がモラハラクソヤロウだっただけだ。
ジュジュたんはただ愛されたかっただけの可愛い可愛い女の子だ。
なのに婚約者はポッと出の女に取られ、家族にはそのことで見捨てられ、ジュジュたんは凶行に走る。
結果王太子の新たな婚約者を害した罪人として処刑されるのだ。
本当に乙女ゲームの設定かよと思うほどダークだ…この世界は本当にジュジュたんへの悪意の塊で怖い。
でも、俺がこうして異世界転生して全てを思い出したことでジュジュたんを救える!
やったー!!!
できることなら、愛されたがりの君を思う存分に甘やかして…自信をつけてより美しく高潔になる君を見たい。
そして顔合わせの日。
緊張した面持ちのジュジュたんが俺に挨拶をする。
俺も軽く挨拶をした。
そして親は俺たちを子供同士で遊んで来なさいと自由にした。
なので俺は庭先にジュジュたんを誘い、二人きりになったところでジュジュたんを思いっきり抱きしめる。
「え、え、アンリ様!?」
「ジュジュたん、愛してるよ」
「え?」
「今まで本当によく、耐えてきたね。これからは、もう俺がいる。一人になんてしないから、寂しくないよ」
「な、なんで…どうして、わたくしの欲しい言葉をくださるの…?」
ぎゅっと抱きしめる腕に力を込める。
「愛しているからさ。なんでもはわからないけど、わかることはわかるよ」
「…アンリ様、わたくしっ」
「うん」
「わたくしも、アンリ様を愛していいかしら…」
「もちろん!お互いに愛し合って、助け合って、支え合っていこう」
「…はい!」
こうしてジュジュたんは、俺の婚約者としての自信をつけた。
愛されている自信だ。
だからジュジュたんは、悪役令嬢に落ちることはなかった。
優しくて真っ直ぐな、素敵なお嬢様に育った。
ジュジュたんとひたすらに愛を育み、ジュジュたんと信頼関係を築き上げてきた。
ジュジュたんはそのおかげで、闇落ちすることなく美しく高潔な人となった。
そんなジュジュたんにますます惚れ込む俺と、俺の愛に真っ直ぐに答えてくれるジュジュたん。
俺たちは貴族社会でも有名なラブラブカップルになった。
そして乙女ゲームの舞台、貴族学園での学び舎生活がスタートした。
ヒロインが湧いてこようと関係ない、そう思っていたのだが…そうもいかなかった。
「ジュジュたんが、イジメ?」
「どうもそうらしい。だからアンリ、お前とあの娘との婚約者は破棄する」
「何故ですか!父上!何故ジュジュたんを…ジュリエットを疑うのです!」
「証拠も上がっている」
「ジュジュたんがそんなことするわけない!」
俺は父に対抗したが、ジュジュたんとの婚約を破棄されてしまった。
それもこれもいつまでも俺があの転生性悪ヒロインに靡かないから、あの転生性悪ヒロインが仕組んだことなのだろう。
それでもジュジュたんを諦められない俺は、こっそりとジュジュたんに会いに行った。
「ジュジュたん…!」
「アンリ様…っ!」
ジュジュたんはすっかりと憔悴しきった様子で、可哀想にと抱きしめる。
「ああ、ジュジュたん…こんなに痩せて…」
「アンリ様、会いたかったです…」
「ジュジュたん、可哀想に…待っててね、俺が必ず冤罪を晴らすから」
「冤罪なんてどうでもいい!」
「ジュジュたん…?」
ぼろぼろ泣くジュジュたん。
「アンリ様と居られれば…それで…」
「ジュジュたん…」
正直な話、俺には第二王子である優秀な弟がいる。
あと、スペアとなる第三王子の弟も。
あの多分転生性悪ヒロインなんだろう女狐もいるから心配だが…まあ、優秀なあいつらなら国を任せられる。
…王子としては、王太子としては失格もいいところだな。
だけど。
「…ジュジュたん、一緒に逃げよう」
「え」
「駆け落ちしよう」
「…はい!」
俺は、一番最低で…でも、ジュジュたんだけは確実に幸せに出来る道を選んだ。
田舎町の定食屋。
夫婦で営むそこに、お客様がきた。
お客様の話し声が聞こえる。
「数年前のあの事件覚えてるか?あの国の」
「ああ、元王太子が元婚約者と駆け落ちした話?」
「そうそう。あの国の元国王は、女の子のイジメの訴えを証拠が揃ってるからって信じたらしいけど、結局元王太子の弟の現国王がその証拠の穴を突いて、駆け落ちした女の子が無実だったって証明したんだよな」
「元王太子は、逃げたのは無責任だけど…気持ちは分かるよなぁ」
「それだけ婚約者を愛してるんだろうな。今でもどこかで細々とラブラブ生活送ってて欲しいよな」
サービスで、彼らの定食のご飯を大盛りにする。
「今日は気分がいいから、特別サービスでご飯大盛りな」
「お、サンキュー!」
「やったぜ!」
「ふふ、いっぱい食べてくださいね」
にっこり笑って妻が…ジュジュたんが配膳する。
ジュジュたんは何をやっても可愛いなぁ。
「ジュジュたん、今幸せ?」
「アンリと一緒に居られれば、いつでも幸せよ」
「ふふ、愛してるよジュジュたん」
「私もよ、アンリ」
「パパー!ママー!」
「ジュエリー、どうしたの?」
娘が元気に帰ってきた。
「パパとママに、綺麗な小石を拾ってきたの!あげる!」
「あらあら、いい子ね。ありがとう」
「えへへ、うん!どういたしまして!」
「ジュエリー、ありがとう」
「どういたしまして!」
幸せだ。
今のこの幸せを守るためなら、俺は何でも出来る。
そう、なんだって。
「さあ、手を洗っていらっしゃい。お店を手伝ってくれるかしら?」
「うん!手を洗ってくるね」
「ありがとう、いい子ね」
ジュジュたんの幸せそうな横顔に、俺はこの上なく幸せを感じた。
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