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苦手なもの
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「ところでさ」
「なあに?」
オノレがトイレに行くため席を立った後、ユベールは唐突に話し出した。
「ニノンって、苦手なものとかないの?」
「苦手なもの?」
「うん。だってニノンってさ、なんだかんだですごいことしてるじゃん。不法移民だった人達を助けてホワイトドラゴン様の怒りを鎮めたり、瘴気を祓って自ら開拓をして難民達を助けたり。勉強も同世代の子は追い抜いちゃうし、魔法もかなり身についてるし、性格もいいし、今のところ完璧超人じゃん。なんかないの?」
「えー?」
苦手なことと言われても急には思いつかない。
「…あ」
「え、なになに?」
「少量でも血を見ると、血の気が引く」
「え、ガチのやつじゃん。もっと軽い苦手なものでいいんだよ」
「えー?うーん。辛い食べ物と苦い食べ物と酸っぱい食べ物!」
ぱっと浮かんで口にする。
「あはは、なるほどね。わかるわー。ピーマンとか無理だよね」
「無理!」
「お前らなんの話してんの?」
オノレが戻ってきた。ニノンは言う。
「苦手な食べ物のお話!」
「ああ、それでピーマン…俺も結構苦手かも」
全員一致でピーマンは無理だと結論が出たのに、奇しくもその日の夕飯はピーマンの肉詰めであった。ガエルは困り顔の弟子達に、残さずきちんと食べなさいと指導していた。ファルマンはそんなガエルを懐かしそうな目で見つめていた。
「なあに?」
オノレがトイレに行くため席を立った後、ユベールは唐突に話し出した。
「ニノンって、苦手なものとかないの?」
「苦手なもの?」
「うん。だってニノンってさ、なんだかんだですごいことしてるじゃん。不法移民だった人達を助けてホワイトドラゴン様の怒りを鎮めたり、瘴気を祓って自ら開拓をして難民達を助けたり。勉強も同世代の子は追い抜いちゃうし、魔法もかなり身についてるし、性格もいいし、今のところ完璧超人じゃん。なんかないの?」
「えー?」
苦手なことと言われても急には思いつかない。
「…あ」
「え、なになに?」
「少量でも血を見ると、血の気が引く」
「え、ガチのやつじゃん。もっと軽い苦手なものでいいんだよ」
「えー?うーん。辛い食べ物と苦い食べ物と酸っぱい食べ物!」
ぱっと浮かんで口にする。
「あはは、なるほどね。わかるわー。ピーマンとか無理だよね」
「無理!」
「お前らなんの話してんの?」
オノレが戻ってきた。ニノンは言う。
「苦手な食べ物のお話!」
「ああ、それでピーマン…俺も結構苦手かも」
全員一致でピーマンは無理だと結論が出たのに、奇しくもその日の夕飯はピーマンの肉詰めであった。ガエルは困り顔の弟子達に、残さずきちんと食べなさいと指導していた。ファルマンはそんなガエルを懐かしそうな目で見つめていた。
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