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師匠と錬金術に妖精の鱗粉をプレゼントする

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「というわけでお師匠様、お土産の妖精の鱗粉です」

「ありがとう、ニノン。妖精たちにまでここまで愛されて、ニノンはすごいね。しかし、せっかくの妖精の鱗粉だ。どんな薬を作ろうかな」

ニノンは帰ってから早速ガエルに妖精の鱗粉を渡す。ガエルはその妖精の鱗粉の量に目を見張るが、笑顔で受け取った。

「ノーマンさんも急ぎで呼び出してすみません。そういうわけですので、お土産の妖精の鱗粉を受け取ってください」

ノーマンは突然急ぎで呼び出されたと思ったらなかなか手に入らない妖精の鱗粉を、それも瓶いっぱいの量渡されて固まる。

「え、え、え」

「聖域の妖精さん達が集めて入れてくれたんです。有意義に使えるだろうノーマンさんに受け取って欲しいんです」

ニノンの言葉に、ノーマンは目を潤ませて感動を伝える。

「ありがとうございます、ニノン様!生きているうちにこんな大量の妖精の鱗粉を見られて、しかも自分の錬金術に使えるなんて…絶対素晴らしいマジックアイテムを作ってみせます、必ず国とニノン様のお役に立ちます!」

「ふふ、はい!楽しみにしていますね!」

そして、ニノンはまた日常に戻る。みんなでご飯を食べて、寝て、起きたら学びの時間を過ごす。そんな間に、中央教会が自分のことで会議を開いているなど微塵も気づいていなかった。










「『神に選ばれた子』にも、聖女様と同じように称号を与えるべきとの声が増えています、聖王猊下」

「いかが致しましょうか」

ニノンのこれからを巡る会議は、夜通し開催されたものの結局結論が出ないまま数日が過ぎた。最終的に、聖王の意思を尊重することが決まった。

「ふむ。称号は『神の愛し子』としよう」

「おお…!」

一部のものはその決定に満足し、一部のものは苦々しく思う。しかし聖王の決定。異を唱えるものはいない。

「『神の愛し子』の仕事は、ご神託で呼ばれた時だけでなく定期的に聖域に行って神のご機嫌を伺うこととしよう。また、国が大きく動くような時は神のご意思を伺う役目も負わせよう」

「なるほど…」

聖王の決定に皆顔を見合わせて頷く。

「重要なお役目となりますね」

「手始めに、『神の愛し子』の称号を良しとしていただけるか聞いてきてもらうとしようか」

「では、神の愛し子となるニノン様に早速称号を与えることと、そのお役目、そして今回の聖域への派遣を通知いたします」

「うむ。ニノンは神の愛し子となるだろう者じゃ。丁重にの」

「はい!」

そしてニノンに、その通知の手紙が届いた。
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