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もう一人の妹は味方です
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私は公爵家の長女。下に妹が二人いる。
私は長女だからと、本来なら両親がやるべき領地経営などの色々な仕事を押し付けられた。魔法が得意なため、魔獣討伐や平民の一揆の鎮圧までさせられた。それなのに褒められることもお礼を言われることもなく、気に入らないことがあると言葉の暴力を振るわれた。時々だけど手が出ることもあった。我ながら損な役割だった。
上の妹は両親から放置されていて、私がなんとか面倒を見て育てた。その後独り立ち出来る年齢になった妹を信頼できる男性の元に嫁がせ逃した。
一方下の妹は両親から可愛がられて育った。侯爵家の次男である良い男性を婿として結婚し、お婿さんが公爵家を継いだ。でも、公爵としての仕事をするのは相変わらず私。
妹の子供達もわがまま放題で育ち、当たり前のように私を虐げる。けれど私は、養ってやっているのだからこれくらいはやって当然だと言われ従い続けた。
しかし、外に逃した上の妹が頑張って環境を整えてくれて、「今なら助けられるから逃げてきて」と連絡をくれた。
私はそれで覚醒し、今までの仕返しをすることにした。
両親と妹夫婦、妹の子供達のために油物と味の濃い料理、甘いデザートを用意して生活習慣病まっしぐらに。
気付いた時には時すでに遅し。二年ほど掛かったが父と母が病気で倒れ、妹夫婦も通院が必要になり、妹の子供達も病気一歩手前。
そこまできてようやく上の妹のところに逃げ出した。上の妹が用意してくれたお針子の仕事に就き、どうやら才能があったようで数年後には自分のブランドを立ち上げることが出来るように。
実家の方は、両親が介護が必要になり、使用人達が面倒を見てくれるものの癇癪が酷くなったとか。妹夫婦もこれまで行って来なかった公爵としての仕事でてんやわんや。妹の子供達は奴隷だった私を失って大泣きらしい。そんな好かれ方しても嬉しくない。
私がいるのは王都で、実家のみんなから救援要請の手紙こそ届くが直接乗り込んでくることはない。そんな余裕がないからだ。
手紙の内容は以下の通り。
「大好きなお姉様へ
お姉様がいないお屋敷は、とても寂しいです。
お父様もお母様も、お姉様に会いたくて泣いています。
旦那様も子供達も、お姉様が帰ってきてくれるのを心待ちにしています。もちろん私もです。
お姉様は私達の太陽です。なくてはならない人です。
お姉様、せめて一目お会いしたいです。一度だけでも帰ってきてくれませんか?
健気にお姉様を待つ可愛い妹より」
そんなポエムが書けるならまだ余裕ですね。大好きなお姉様はお針子として幸せに生きますのでそちらも頑張って!
…ようやく解放されたぜやっふーい!
そんな私は、とある男爵家の長男と縁があり結婚する予定に。これから幸せになります。アデュー、くそ実家!
私は長女だからと、本来なら両親がやるべき領地経営などの色々な仕事を押し付けられた。魔法が得意なため、魔獣討伐や平民の一揆の鎮圧までさせられた。それなのに褒められることもお礼を言われることもなく、気に入らないことがあると言葉の暴力を振るわれた。時々だけど手が出ることもあった。我ながら損な役割だった。
上の妹は両親から放置されていて、私がなんとか面倒を見て育てた。その後独り立ち出来る年齢になった妹を信頼できる男性の元に嫁がせ逃した。
一方下の妹は両親から可愛がられて育った。侯爵家の次男である良い男性を婿として結婚し、お婿さんが公爵家を継いだ。でも、公爵としての仕事をするのは相変わらず私。
妹の子供達もわがまま放題で育ち、当たり前のように私を虐げる。けれど私は、養ってやっているのだからこれくらいはやって当然だと言われ従い続けた。
しかし、外に逃した上の妹が頑張って環境を整えてくれて、「今なら助けられるから逃げてきて」と連絡をくれた。
私はそれで覚醒し、今までの仕返しをすることにした。
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私がいるのは王都で、実家のみんなから救援要請の手紙こそ届くが直接乗り込んでくることはない。そんな余裕がないからだ。
手紙の内容は以下の通り。
「大好きなお姉様へ
お姉様がいないお屋敷は、とても寂しいです。
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旦那様も子供達も、お姉様が帰ってきてくれるのを心待ちにしています。もちろん私もです。
お姉様は私達の太陽です。なくてはならない人です。
お姉様、せめて一目お会いしたいです。一度だけでも帰ってきてくれませんか?
健気にお姉様を待つ可愛い妹より」
そんなポエムが書けるならまだ余裕ですね。大好きなお姉様はお針子として幸せに生きますのでそちらも頑張って!
…ようやく解放されたぜやっふーい!
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