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元婚約者の出る幕はない
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冒険者ギルドや鍛治ギルド、農業ギルドの頑張りの甲斐があって、バウム領はさらに賑やかになり、ヴィンデンブリューテの意向で自然を極力壊さない形で発展していった。ヴィンデンブリューテがバウム領に移ってから一年が過ぎた頃には、冒険者の集まる第二の首都と呼ばれるほどとなった。
「はあ、領地経営が思った以上にサクサク進んでしまったわ…大体のことは精霊さんがやってくれるし、暇ねぇ…」
「リューテ!」
そこに飛び込んで来たのはディステル。ヴィンデンブリューテのことを愛称で呼んだことのない彼から、初めてリューテと呼ばれた。
「あら、第二王子殿下。どうされましたの?」
「父上からお前の件で勘当されたのだ!一年にも渡る大々的な調査で、お前がネルケを虐めてなどいなかったと証明された!何故言ってくれなかった!」
「言ったんですけど…」
「ネルケとは別れた!ヴィンデンブリューテ、寄りを戻そう!そして爵位を貰って、二人でこの領地を経営しよう!」
「むしろネルケさんと付き合ってましたの?嫌ですわ」
「何故!」
「好きな人がいますもの。ねえ、クロクス」
クロクスが前に出る。彼は、一見美丈夫なだけの優男に見えるが、ほっそりとした身体つきの割に筋肉質だ。
「この男は…?」
「私の恋人です。貴方が国王陛下に勘当されてからは、私の両親に認められて正式な婚約者となりました。Sランク冒険者ですわ」
Sランク冒険者。つまり、王族でも軽々しく扱うことは出来ない相手だと聞いてディステルは青ざめる。
「え、Sランク冒険者!?」
「わかったら帰ってくださいまし」
「わ、わかった…」
ディステルは落胆し帰っていく。この間来た弟も、公爵家の正当な後継者は俺だからこの領地を渡せと宣いクロクスに追い返され、両親に話が行き結果ヴィンデンブリューテがこの領地と公爵位を継ぐことになったのだ。まあ、余った子爵位と他の領地は可哀想な弟にくれてやったものだが。逆ハーレムメンバーにはきっとロクな奴はいない。
「クロクス、いつもありがとう」
「いや、俺の方こそリューテには感謝してもしきれない。愛してる」
「私も…」
こうしてヴィンデンブリューテは世界一の幸せ者になったのだった。
「はあ、領地経営が思った以上にサクサク進んでしまったわ…大体のことは精霊さんがやってくれるし、暇ねぇ…」
「リューテ!」
そこに飛び込んで来たのはディステル。ヴィンデンブリューテのことを愛称で呼んだことのない彼から、初めてリューテと呼ばれた。
「あら、第二王子殿下。どうされましたの?」
「父上からお前の件で勘当されたのだ!一年にも渡る大々的な調査で、お前がネルケを虐めてなどいなかったと証明された!何故言ってくれなかった!」
「言ったんですけど…」
「ネルケとは別れた!ヴィンデンブリューテ、寄りを戻そう!そして爵位を貰って、二人でこの領地を経営しよう!」
「むしろネルケさんと付き合ってましたの?嫌ですわ」
「何故!」
「好きな人がいますもの。ねえ、クロクス」
クロクスが前に出る。彼は、一見美丈夫なだけの優男に見えるが、ほっそりとした身体つきの割に筋肉質だ。
「この男は…?」
「私の恋人です。貴方が国王陛下に勘当されてからは、私の両親に認められて正式な婚約者となりました。Sランク冒険者ですわ」
Sランク冒険者。つまり、王族でも軽々しく扱うことは出来ない相手だと聞いてディステルは青ざめる。
「え、Sランク冒険者!?」
「わかったら帰ってくださいまし」
「わ、わかった…」
ディステルは落胆し帰っていく。この間来た弟も、公爵家の正当な後継者は俺だからこの領地を渡せと宣いクロクスに追い返され、両親に話が行き結果ヴィンデンブリューテがこの領地と公爵位を継ぐことになったのだ。まあ、余った子爵位と他の領地は可哀想な弟にくれてやったものだが。逆ハーレムメンバーにはきっとロクな奴はいない。
「クロクス、いつもありがとう」
「いや、俺の方こそリューテには感謝してもしきれない。愛してる」
「私も…」
こうしてヴィンデンブリューテは世界一の幸せ者になったのだった。
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