3 / 22
なんでもいいからとりあえず金持ちにすり寄っとけ精神でチョロチョロ周りをうろついてたら、なんかお互い必要不可欠になった。
しおりを挟む
「エヴリーヌ様!今日もお綺麗です!これ、私の手作りのお菓子です!食べてください!」
「私が綺麗なのは純然たる事実だけど、ルリアーナ、貴女もっと媚を売る相手を考えたら?あと、田舎娘の手作りなんて普通誰も喜ばないわよ。仕方がないからもらってあげるけど」
「エヴリーヌ様、嬉しいですー!」
ルリアーナは男爵令嬢。彼女は今日もせっせとエヴリーヌに手作りのお菓子を貢ぐ。エヴリーヌは公爵令嬢だ。本来なら男爵令嬢であるルリアーナには手の届かない雲の上の人。けれどもエヴリーヌは、貴族の子女の通う学園で今孤立していた。ルリアーナがそばに近寄れるくらいには。
「エヴリーヌ様、聖女様なんかよりエヴリーヌ様の方がよっぽど優しくて可愛くて素敵だと思います!」
「それ、誰かに聞かれたら王太子殿下に殺されるわよ。冗談抜きで」
「なんで王太子殿下は、こんなにも多才で教養に溢れるエヴリーヌ様を放っておいてぽっと出の異世界から来た聖女様なんかを愛しているのでしょう。おかしいと思います」
「そうね、同感」
エヴリーヌはルリアーナの言葉に力無く笑った。
エヴリーヌは公爵令嬢であり王太子の婚約者だ。しかし、異世界から現れたという聖女様によって立場が危ぶまれる。優秀すぎるエヴリーヌに嫉妬して、元々冷遇していた王太子。聖なる力を宿しながらもちょっと抜けている可愛らしい聖女にぞっこんになり、王家も聖女を王妃に迎えた方が国民受けがいいのではないかと動き始めた。
だが、それにより一気に人が周りから離れていき独りぼっちになったエヴリーヌに唯一付き纏うようになった少女がいた。それがルリアーナだった。
「まあいいわ。ルリアーナ、いい加減私のそばから離れた方がいいわよ。そろそろ貴女も損切りしないと」
「嫌です。ルリアーナはエヴリーヌ様に地獄の底までついて行きます!」
ルリアーナは最初、お金目当てでエヴリーヌに近寄った。孤独になったばかりの可哀想なエヴリーヌなら、そばにいて支えてやれば貧乏な実家を救ってくれるかもしれないと思った。実際、思った通り助けてくれた。無利子でポケットマネーから融資をしてくれて、そのおかげで天災に見舞われていた領内の復興が進んだ。復興してしまえば、元々は堅実な領地経営をしていた実家はすぐに経済的に立ち直り貧乏な生活から脱却して、無利子の融資もすぐに返せた。
「ルリアーナは本当に、エヴリーヌ様が大好きなんです。感謝しています。だから、どうかお側に置いて下さい」
「仕方のないこと。いいわ、好きになさい」
「わーい!」
最初はお互い、お金目当てだったり孤独を埋めるためであったり利害関係だった。それでも、今はお互い必要不可欠になってしまった。エヴリーヌはルリアーナを溺愛しているし、ルリアーナはエヴリーヌに忠誠を誓っている。その関係は結局、学園の卒業式まで続いた。
「結局私は王家から婚約を白紙化され、実家からも見捨てられて修道院に向かっているわけだけど」
「はい」
「ポケットマネーで寄付をして、出家してシスターになることになったのだけど」
「はい」
「どうして貴女の分まで寄付して、貴女の出家も手伝ってしまったのかしら」
ため息をつくエヴリーヌ。ルリアーナは笑顔で言う。
「お父様もお母様も、お兄様方も良くエヴリーヌ様に仕えよと言ってました」
「シスターになるんだから仕えるもなにもないわよ…仕方がない子」
エヴリーヌとルリアーナは、同じ修道院で出家することにした。心穏やかな生活が始まった。
「ルリアーナ、子供達の為にお菓子を焼いてちょうだい」
「はい、エヴリーヌ様!」
修道院では身寄りのない子供達を預かっている。案外面倒見のいいエヴリーヌと、そんなエヴリーヌの為にせっせと子供達の世話を焼くルリアーナはたちまち修道院の人気者になった。
「貴方達。ルリアーナがお菓子を焼いてくれたわよ」
「みなさーん!どうぞ食べてくださーい!」
修道院は、エヴリーヌがポケットマネーから寄付したお金で裕福になった。毎日の食事にも困っていた子供達は、今では元気に庭を走り回っている。
「わーい!ルリアーナお姉ちゃんのお菓子だー!」
「ルリアーナお姉ちゃん、エヴリーヌお姉ちゃんもありがとう!」
「いいから手を洗って食べちゃいなさい」
「今日はアーモンドクッキーですよー」
「お姉ちゃん達大好きー!」
穏やかな時間が過ぎる。いつまでもこんな日々が続くと思っていたエヴリーヌとルリアーナだが、そうは問屋がおろさない。
「側妃としてエヴリーヌ様を?」
国王となったエヴリーヌの元婚約者。王妃となった聖女は確かに国民受けは良かったし、子宝にも恵まれて、聖女として国に尽くし役には立つ。だが王妃教育がなかなか進まない。王妃としての仕事はこなせなかった。そこで優秀なエヴリーヌを側妃にして、王妃としての仕事だけさせようという考えだった。
「私はお断りよ」
しかしエヴリーヌは断固として拒否。修道院も多額の寄付をしてくれて、子供達にも大人気のエヴリーヌの味方をしてくれたので無理矢理嫁がされることはなかった。しかし王命を出されては逆らえない。王命が出る前になんとかする必要があった。
「…」
ルリアーナは、禁じ手を使うことを決める。
ある日からぴたりと、国王からエヴリーヌへの求婚は収まった。その代わり別の公爵令嬢が国王の側妃となった。エヴリーヌほど優秀ではないが、それなりに王妃としての仕事をこなしているようだ。
「それにしても、どうして急に求婚がなくなったのかしら」
「寂しいですか?」
「冗談。せいせいしたわ」
エヴリーヌの笑顔に、ルリアーナはやってよかったと思う。
ルリアーナの禁じ手。…それは、相手の思考に干渉する能力。干渉と言っても、ぱっと閃くようにアイデアを与えるくらいの能力だが。それを使って例の公爵令嬢と結婚してしまえと思考を誘導したのだ。
ただ、この能力は寿命を削る。この能力を与えてくれた天使様曰く、この世でたった一人ルリアーナだけに与えられた能力で、使うたびに寿命が半分減るのだそうだ。そんな恐ろしい能力使う気にならず、一度も使ったことがないルリアーナだったが今回だけはエヴリーヌのために使った。ルリアーナの寿命は半分に縮んだが、実感はなかった。
「これでこれからもずっと一緒ですね」
「ええ。ずっと一緒よ」
エヴリーヌが微笑むから、ルリアーナは今日も幸せだ。
「私が綺麗なのは純然たる事実だけど、ルリアーナ、貴女もっと媚を売る相手を考えたら?あと、田舎娘の手作りなんて普通誰も喜ばないわよ。仕方がないからもらってあげるけど」
「エヴリーヌ様、嬉しいですー!」
ルリアーナは男爵令嬢。彼女は今日もせっせとエヴリーヌに手作りのお菓子を貢ぐ。エヴリーヌは公爵令嬢だ。本来なら男爵令嬢であるルリアーナには手の届かない雲の上の人。けれどもエヴリーヌは、貴族の子女の通う学園で今孤立していた。ルリアーナがそばに近寄れるくらいには。
「エヴリーヌ様、聖女様なんかよりエヴリーヌ様の方がよっぽど優しくて可愛くて素敵だと思います!」
「それ、誰かに聞かれたら王太子殿下に殺されるわよ。冗談抜きで」
「なんで王太子殿下は、こんなにも多才で教養に溢れるエヴリーヌ様を放っておいてぽっと出の異世界から来た聖女様なんかを愛しているのでしょう。おかしいと思います」
「そうね、同感」
エヴリーヌはルリアーナの言葉に力無く笑った。
エヴリーヌは公爵令嬢であり王太子の婚約者だ。しかし、異世界から現れたという聖女様によって立場が危ぶまれる。優秀すぎるエヴリーヌに嫉妬して、元々冷遇していた王太子。聖なる力を宿しながらもちょっと抜けている可愛らしい聖女にぞっこんになり、王家も聖女を王妃に迎えた方が国民受けがいいのではないかと動き始めた。
だが、それにより一気に人が周りから離れていき独りぼっちになったエヴリーヌに唯一付き纏うようになった少女がいた。それがルリアーナだった。
「まあいいわ。ルリアーナ、いい加減私のそばから離れた方がいいわよ。そろそろ貴女も損切りしないと」
「嫌です。ルリアーナはエヴリーヌ様に地獄の底までついて行きます!」
ルリアーナは最初、お金目当てでエヴリーヌに近寄った。孤独になったばかりの可哀想なエヴリーヌなら、そばにいて支えてやれば貧乏な実家を救ってくれるかもしれないと思った。実際、思った通り助けてくれた。無利子でポケットマネーから融資をしてくれて、そのおかげで天災に見舞われていた領内の復興が進んだ。復興してしまえば、元々は堅実な領地経営をしていた実家はすぐに経済的に立ち直り貧乏な生活から脱却して、無利子の融資もすぐに返せた。
「ルリアーナは本当に、エヴリーヌ様が大好きなんです。感謝しています。だから、どうかお側に置いて下さい」
「仕方のないこと。いいわ、好きになさい」
「わーい!」
最初はお互い、お金目当てだったり孤独を埋めるためであったり利害関係だった。それでも、今はお互い必要不可欠になってしまった。エヴリーヌはルリアーナを溺愛しているし、ルリアーナはエヴリーヌに忠誠を誓っている。その関係は結局、学園の卒業式まで続いた。
「結局私は王家から婚約を白紙化され、実家からも見捨てられて修道院に向かっているわけだけど」
「はい」
「ポケットマネーで寄付をして、出家してシスターになることになったのだけど」
「はい」
「どうして貴女の分まで寄付して、貴女の出家も手伝ってしまったのかしら」
ため息をつくエヴリーヌ。ルリアーナは笑顔で言う。
「お父様もお母様も、お兄様方も良くエヴリーヌ様に仕えよと言ってました」
「シスターになるんだから仕えるもなにもないわよ…仕方がない子」
エヴリーヌとルリアーナは、同じ修道院で出家することにした。心穏やかな生活が始まった。
「ルリアーナ、子供達の為にお菓子を焼いてちょうだい」
「はい、エヴリーヌ様!」
修道院では身寄りのない子供達を預かっている。案外面倒見のいいエヴリーヌと、そんなエヴリーヌの為にせっせと子供達の世話を焼くルリアーナはたちまち修道院の人気者になった。
「貴方達。ルリアーナがお菓子を焼いてくれたわよ」
「みなさーん!どうぞ食べてくださーい!」
修道院は、エヴリーヌがポケットマネーから寄付したお金で裕福になった。毎日の食事にも困っていた子供達は、今では元気に庭を走り回っている。
「わーい!ルリアーナお姉ちゃんのお菓子だー!」
「ルリアーナお姉ちゃん、エヴリーヌお姉ちゃんもありがとう!」
「いいから手を洗って食べちゃいなさい」
「今日はアーモンドクッキーですよー」
「お姉ちゃん達大好きー!」
穏やかな時間が過ぎる。いつまでもこんな日々が続くと思っていたエヴリーヌとルリアーナだが、そうは問屋がおろさない。
「側妃としてエヴリーヌ様を?」
国王となったエヴリーヌの元婚約者。王妃となった聖女は確かに国民受けは良かったし、子宝にも恵まれて、聖女として国に尽くし役には立つ。だが王妃教育がなかなか進まない。王妃としての仕事はこなせなかった。そこで優秀なエヴリーヌを側妃にして、王妃としての仕事だけさせようという考えだった。
「私はお断りよ」
しかしエヴリーヌは断固として拒否。修道院も多額の寄付をしてくれて、子供達にも大人気のエヴリーヌの味方をしてくれたので無理矢理嫁がされることはなかった。しかし王命を出されては逆らえない。王命が出る前になんとかする必要があった。
「…」
ルリアーナは、禁じ手を使うことを決める。
ある日からぴたりと、国王からエヴリーヌへの求婚は収まった。その代わり別の公爵令嬢が国王の側妃となった。エヴリーヌほど優秀ではないが、それなりに王妃としての仕事をこなしているようだ。
「それにしても、どうして急に求婚がなくなったのかしら」
「寂しいですか?」
「冗談。せいせいしたわ」
エヴリーヌの笑顔に、ルリアーナはやってよかったと思う。
ルリアーナの禁じ手。…それは、相手の思考に干渉する能力。干渉と言っても、ぱっと閃くようにアイデアを与えるくらいの能力だが。それを使って例の公爵令嬢と結婚してしまえと思考を誘導したのだ。
ただ、この能力は寿命を削る。この能力を与えてくれた天使様曰く、この世でたった一人ルリアーナだけに与えられた能力で、使うたびに寿命が半分減るのだそうだ。そんな恐ろしい能力使う気にならず、一度も使ったことがないルリアーナだったが今回だけはエヴリーヌのために使った。ルリアーナの寿命は半分に縮んだが、実感はなかった。
「これでこれからもずっと一緒ですね」
「ええ。ずっと一緒よ」
エヴリーヌが微笑むから、ルリアーナは今日も幸せだ。
32
あなたにおすすめの小説
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~
水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。
彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。
失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった!
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!?
絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。
一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
転生先は推しの婚約者のご令嬢でした
真咲
恋愛
馬に蹴られた私エイミー・シュタットフェルトは前世の記憶を取り戻し、大好きな乙女ゲームの最推し第二王子のリチャード様の婚約者に転生したことに気が付いた。
ライバルキャラではあるけれど悪役令嬢ではない。
ざまぁもないし、行きつく先は円満な婚約解消。
推しが尊い。だからこそ幸せになってほしい。
ヒロインと恋をして幸せになるならその時は身を引く覚悟はできている。
けれども婚約解消のその時までは、推しの隣にいる事をどうか許してほしいのです。
※「小説家になろう」にも掲載中です
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる