オネエな想い人を振り向かせるため、好みのタイプを研究します!

下菊みこと

文字の大きさ
1 / 1

大好きなナルシス様はオネエなイケメン婚約者である

しおりを挟む
私ことマガリーは、とある人に想いを寄せています。その想い人を振り向かせるため、今日も好みのタイプを研究します!

ということで、情事の現場を覗き見てます。プライバシー?公共の場でやる奴が悪い。

「学園のガゼボでなんて、いけない子だな…」

「マチアス様…好き…」

うわぁ…相変わらずだなぁ…と思いつつも見ていたら後ろから目を塞がれた。

「もう、ダメよ?マガリー。貴女にはまだ早いわ」

「ナルシス様!」

「ちょっといってくるわ」

ナルシス様はマチアス様の元へ走り、女の子を愛していたマチアス様の頭を思い切りぶん殴った。女の子は速攻で逃げた。

「何しやがるクソ野郎!」

「貴方が女遊びするから悪いんじゃない!顔は良いんだから少しは真面目に恋しなさいよ!」

「やだよかったるい!」

ナルシス様の想いも知らず、マチアス様はブチ切れている。そして私はそんなナルシス様が好き。

ナルシス様は私の婚約者。両親から期待されず、兄達からはいじめられていた一人ぼっちの私をいつも守ってくれている。

それなのに。

「マチアス。私はマチアスが好きだから心配しているのよ?」

「余計なお世話だクソ野郎。それよりナルシス、腹減ったから学食いこうぜ。お前の奢りで」

「またー?」

学園で出会ってしまったマチアス様に、ナルシス様の心を取られてしまったのだ。これは婚約者として見逃せない。

ということで、マチアス様を研究してナルシス様を振り向かせるのだ!













おかしい。ナルシス様はマチアス様のどこが良いんだろう。良いところが見つからない。

「…あんな女たらし、どこが良いのかよくわからないよ」

「まったくもって同感よ。私じゃダメなのかしら」

ため息を漏らす私と、同じくため息を漏らすナルシス様。ナルシス様にこんな顔させるなんて、マチアス様のばかー!

「…その…どんなタイプが好きなんでしょうか?」

私はとうとう研究を諦めて、ナルシス様に直接タイプを聞いた。

「明るくて可愛い人ね。ダンスが上手で刺繍が上手くて、そして派手派手なメイクも必要よ」

「なるほど…私頑張ります!とりあえず、今日は先に帰りますね!」

私はナルシス様の好みを知れて、ご機嫌で帰宅する。だから気付かなかった。ナルシス様の呟きに。

「…マガリーはマチアスのわがままな好みを聞いても諦めないのね。でも、マチアスなんかに貴女は渡さないんだから」













私は派手派手なメイクを習得するため、学園の芸能科所属の生徒に頼み鍛えてもらうことにした。が、どこからかナルシス様がその話を聞きつけてなかったことになってしまった。

「ナルシス様酷い!メイク覚えたかったのに!」

「いいのよ!貴女はそのままで!」

「でも派手派手なメイクが!!!」

ナルシス様はため息を漏らすと、私に言った。

「それなら、おしゃれしてより魅力的になりましょうね?派手なメイクはダメよ。貴女がギャルになるなんて許さないわ」

「えー」

ということで、ナルシス様のお家に強制連行されて様々なドレスの着せ替え人形にされた。

「ほらね?どれも貴女に似合うと思ったの!買ってよかったわー」

「え、これもしかして私のなのですか?」

「そうよ、貴女がお嫁さんに来たら毎日着させてあげる!」

私はその言葉にじーんときて、思わず胸を押さえて下を向く。すると、ナルシス様は変なことを言う。

「…そんなに私のお嫁さんは嫌?そんなにマチアスがいいの?」

「え?」

「ダメよ、絶対渡さない!マガリーは私の婚約者よ!」

ナルシス様が嫉妬してくれていることに感動しつつも、何かすれ違いがあるようなので誤解を解く。

「あの、嬉しいです」

「え」

「ナルシス様がドレスを買ってくれて、ナルシス様が私が嫁ぐのを楽しみにしてくれてるみたいですごく嬉しくて…今のも、嫉妬してくれたんですよね?すごく嬉しいです」

「え、でも、貴女…マチアスが好きなんでしょ?」

「え、私が好きなのはナルシス様です!幼い頃からずっと好きでした!」

ナルシス様は一拍おいて、私を強く抱き寄せた。

「じゃあ、私が勘違いしていたの?マチアスのことは好きじゃない?私が好き?マチアスのことばかり追いかけていたのは何故?」

「はい!ナルシス様がマチアス様を好きだから、好みのタイプになろうと研究していただけです!」

「そうだったの…私、マガリーだけを愛しているわ。マチアスは同性のお友達として好きなだけなの。それこそ勘違いよ」

「えー!?」

「私が好きなのは、貴女」

ナルシス様が私の身体を放すと、頬にキスをしてくれた。

「…愛してるわ、マガリー」

「大好きです、ナルシス様!」











「お前らようやくくっついたんだ」

翌日、学園でマチアス様にそう声をかけられた。

「え、わかります?」

「だってお前、朝からナルシスにベタベタに甘えてんじゃん。みんな言わないだけでわかるよ」

「えー、困っちゃーう」

「うざっ」

「えへへ」

マチアス様に頭をチョップされて笑う。

「ちょっとマチアス。私のマガリーに触らないで」

そこにナルシス様が来た。ナルシス様は心が通じ合ってから、ちょっとヤキモチ妬きになった。

「束縛し過ぎると逃げられるぞー」

「うるさいわね!相思相愛だから大丈夫よ!」

ナルシス様の何気ない一言が嬉しい。相思相愛とか、照れちゃう。

「ナルシス様」

「なあに?マガリー」

「愛してます!」

「私もよ!」

「お熱いことで」

これからもずっと、ナルシス様とこうしていられたら嬉しいな。ついでに、マチアス様とも仲良くしてあげなくもない。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

メリザンドの幸福

下菊みこと
恋愛
ドアマット系ヒロインが避難先で甘やかされるだけ。 メリザンドはとある公爵家に嫁入りする。そのメリザンドのあまりの様子に、悪女だとの噂を聞いて警戒していた使用人たちは大慌てでパン粥を作って食べさせる。なんか聞いてたのと違うと思っていたら、当主でありメリザンドの旦那である公爵から事の次第を聞いてちゃんと保護しないとと庇護欲剥き出しになる使用人たち。 メリザンドは公爵家で幸せになれるのか? 小説家になろう様でも投稿しています。 蛇足かもしれませんが追加シナリオ投稿しました。よろしければお付き合いください。

私の旦那様はつまらない男

おきょう
恋愛
私の旦那様であるロバート伯爵は、無口で無愛想な仕事バカ。 家庭を返り見ず仕事に精を出すのみのつまらない男である。 それでも私は伯爵家の妻として今日も面倒な社交の場に出なければならないのだ。 伯爵家の名を落とさないために。あぁ面倒くさい。 ※他サイトで投稿したものの改稿版になります。

婚約者が結婚式の三日前に姿を消した

下菊みこと
恋愛
駆け落ちか、それとも事件か、婚約者が結婚式の三日前に姿を消した御令嬢のお話。 御都合主義のハッピーエンドのSSです。 小説家になろう様でも投稿しています。

ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません

下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。 旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。 ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも? 小説家になろう様でも投稿しています。

王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない

エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい 最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。 でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。

結婚5年目の仮面夫婦ですが、そろそろ限界のようです!?

宮永レン
恋愛
 没落したアルブレヒト伯爵家を援助すると声をかけてきたのは、成り上がり貴族と呼ばれるヴィルジール・シリングス子爵。援助の条件とは一人娘のミネットを妻にすること。  ミネットは形だけの結婚を申し出るが、ヴィルジールからは仕事に支障が出ると困るので外では仲の良い夫婦を演じてほしいと告げられる。  仮面夫婦としての生活を続けるうちに二人の心には変化が生まれるが……

婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました

ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!  フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!  ※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』  ……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。  彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。  しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!? ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています

婚約者を躾し直す

下菊みこと
恋愛
タイトル通り。基本的に素直になれないツンデレもどきの婚約者とイチャイチャするだけ。 マガリーは、ジュールの婚約者。ジュールはマガリーをちゃんと愛しているのはなんとなくわかるが、素直になれない人だった。そんなジュールを受けていたマガリーだが、ある本を読んでジュール自身のためにも彼を躾し直そうと思い立つ。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...