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侍女さん達と仲良くなれました

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「サラ」

「はい、リュカ様」

「ごめんね。本当なら嫁いだばかりの君を一人にして寂しい思いをさせたくはないのだけど、これから執務室で仕事をしなくてはいけないんだ」

そういうとリュカ様は私の頬にキスを落とす。

「すぐに終わらせて、なるべく早く君に会いに来るよ。それまで待っていてくれるかい?」

「はい、もちろんです。お仕事頑張ってください」

私がそういうと、リュカ様はぎゅー、と私を抱きしめて部屋を後にした。あとには私と侍女さん達が残された。

「…サラ様」

「は、はい」

なんとなく緊張する。仲良くできるかなぁ。

「サラ様、お辛くはありませんか!?」

「ご家族と引き離されてさぞ寂しい思いをされているでしょう?」

「無理矢理ドラゴンの花嫁にされて嫌な思いはしてませんか!?」

「私達も同じように無理矢理花嫁にされたのです!まあ、今は優しく一途で美しい夫を受け入れ、こちらでの生活にも慣れてしまいましたが…」

「私達はサラ様の味方ですのよ!なんでも仰って?」

…どうやら仲良く出来そうです。ただし何か勘違いが発生していますが。

「あ、だ、大丈夫です。一月に一度くらいは家に帰るつもりですし、無理矢理花嫁にされたわけではないので!」

「そうなのですか?」

「はい。没落しかけの我が家のために自ら志願して花嫁になりました」

「まあ、そうでしたの」

「でも、慣れない暮らしで色々と戸惑うこともあるでしょうし、本当になんでも仰ってね?」

「常識や礼儀作法や教養なんかは下界とそんなに変わりませんの。きっとすぐに慣れますわ」

「リュカ様は王子様ですし、すごく優しいお方なのです。それに、今代のドラゴンの中でも一番美しく一番強いと言われていらっしゃるから、あの方の花嫁になれたのですから間違いはありませんわ。安心なさってね」

「ありがとうございます!皆さんと仲良くなれて私とっても嬉しいです!改めてよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくお願い致しますわ」

皆さんが優しい方々で本当に良かった。

「さあ、いつまでも花嫁衣装のままというわけにもいきませんし、お着替え致しましょう」

「リュカ様からサラ様にたくさんのドレスが贈られていますわ」

「今お持ちしますから、好きなものをお選びくださいませ」

…ということで、ドレス選びスタートです。

「わあ!素敵!」

リュカ様が私に贈ってくださったというドレスは、どれも上質なものばかりで、センス抜群だった。

「どれにしようか迷っちゃう…」

「好きなだけ悩んでよろしいのですよ」

「うーん…あ、これにしようかな!」

私が選んだのはリュカ様の瞳の様な赤いドレス。色が派手な分つくりは上品なドレスだ。

「まあ!サラ様、とてもお似合いですわ!」

「今髪もセットし直しますわ」

「とてもよくお似合いですわ、サラ様!」

「サラ様、鏡をご覧になって!」

「わあ!凄い!私じゃないみたい」

鏡を見ると驚いた。ドレスと髪型だけで人ってこんなに変わるんだ。いつも中の中くらいの見た目が、今日は中の上くらいになってる。

「リュカ様、早くお戻りになられないかしら」

「こんなに素敵なサラ様のお姿、私達だけで独占していいのかしら」

「リュカ様にもはやく見せて差し上げたいわ」

「ありがとうございます!」

ちょっと恥ずかしいけど、褒められて悪い気はしない。リュカ様、はやく会いに来てくれないかなぁ。
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