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一章:22時10分更新
第8話:透明魔法
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「お前は数少ない、『透明魔法』の使い手だ。透明魔法はあらゆる魔法を打ち消すことができ、ワープができる。この魔法を極めた者は、時間を止めることも出来ると聞いたことがある。」
思わぬ、返答に陽向は焦る。
「俺はそんな希少な魔法を持っているのか!?」
「あぁ。今日から次のクエストまでの間、俺はお前を死ぬ気で鍛えてやる。もちろん、ついてくるよな?」
希望のこもった声で敬太に確認する。
そんな陽向に微笑みながら、敬太は問う。
「あたりめぇーだ!強くしなけりゃ、宝の持ち腐れだ!」
「そう言うと思ってたよ。」
自信満々に陽向は、空っぽの頭から取ってきた、ことわざを交えて答えた。
その言葉を聞いた者は、自然とみんな笑顔になった。
こうして陽向の魔法習得1日目が始まったのである。
属性判別魔法を行なってから2時間後。
2人は特訓の為、空き地に来ていた。
「もぉキツイって!一回休憩しよぉーよ」
開始からおよそ2時間。
いきなり弱音を吐く陽向。
「死ぬ気でついてくるんじゃなかったか?」
呆れた顔で敬太は言い放つ。
「それはそれ、これはこれ!休んだらしっかりやるから!ね?ね!」
子供のようにだだをこねる。
これを、例えるならば
夏休みの宿題を明日やるから今日は休もう。と言って明日もやらない。
そんな状況に似ている。
「それは出来ない。ここで休むと間に合わなくなる。7日で魔法を習得すること自体凄く厳しいことだ。俺でも1ヶ月はかかった。」
衝撃の一言に、陽向は弱気になる。
陽向と敬太の特訓時間の差が陽向のやる気を削いだのだ。
「そりゃ、無理じゃね?俺が7日で覚えれるはずがなくね?」
「大丈夫だ。その点はぬかりなく計算してある。ギリギリ間に合う計算だ。
少し天然が入っているので、心配なところはあるが、陽向は敬太を信じることにした。
「そ、そうなのか…。ちなみにスケジュールは?」
「朝6時に起床。6時から6時半の間に朝ごはん。6時半から7時の間にその日の準備。7時から11時半まで特訓。11時半から12時の間に昼ごはん。12時から6時まで特訓。6時から6時半の間に夜ご飯。6時半から8時の間にお風呂など。8時から8時半の間に寝る準備。8時半に就寝。と、言う感じだ。」
起床時間、お風呂の時間、就寝時間と、まるで中学校の宿泊研修の様にスケージュールが組まれていた。
敬太はそれをなめらかに語る。
だが
すぐに承諾する陽向ではない。
「むりむりむりむり!絶対無理!一日のほとんどが特訓じゃん!」
厳しいスケジュールに絶望した。
高校に入って運動をし無くなった陽向には少しばかり、キツイメニューなのだ。
「なんにせよ、やってもらう。お前の目標の為にも。」
『お前の目標の為にも』
この言葉が心に響く。
そして幾度となく、頭の中を駆け巡った。
その所為で
自分で自分を説得する形になってしまった。
「それはそうだな。まぁ、やるしかないか…!でも、この特訓ってなんの意味があんの?ただ息を深く吸って岩を持ち上げてるだけじゃ~ん!」
そう、陽向はあれから2時間、ただひたすらに深呼吸をしつつ、岩を持ち上げる、という単純作業をやっていたのだ。
「それは、まぁあれだ。現実でメジャーな言い方だと、MPってやつの最大値をあげる特訓だ。この世界ではそのMPを『エルグ』と言うんだが、とりあえず、お前の魔法の場合そのMPをかなり消費するから鍛えなきゃならない。6日間はこの特訓だ。最後の1日で魔法を覚えてもらう。でも、俺では透明魔法を教えられないから最終日だけは知り合いを呼ばせてもらうね。」
『MP』という言葉に陽向は、好奇心をくすぐられた。
しかし
誰が、魔法を教えてくれるか、それが気になった。
透明魔法の使い手。となると、かなり人が絞られるからだ。
「なるほどぉ…。こーんな特訓でMPの最大値が上がるとは思いにくいけど、やるか!あと知り合いってどんな人?きになるんだけど!」
「一言余計だ。どんな人かはその日のお楽しみだ。」
陽向は少し気になっていたので、知り合いについて聞いてみたが
敬太は勿体ぶる。
勿体ぶる可能性として考えられるのは2つ。
1つ目は、俺が知ってしまうと気が動転したり、衝撃を受けてしまう可能性がある。
2つ目は、単に陽向に意地悪をしている
という事だ。
「そっか~じゃあその日の楽しみにしとくわ!さぁ、特訓を再開しよう!」
陽向は必要以上に聞くことはやめた。
そして
気持ちを入れ替え、特訓に集中する。
「おう。」
そして彼らは特訓を再開した。
しかし、、、!
特訓を開始して5日がだった時
陽向に異変が起こる…。
思わぬ、返答に陽向は焦る。
「俺はそんな希少な魔法を持っているのか!?」
「あぁ。今日から次のクエストまでの間、俺はお前を死ぬ気で鍛えてやる。もちろん、ついてくるよな?」
希望のこもった声で敬太に確認する。
そんな陽向に微笑みながら、敬太は問う。
「あたりめぇーだ!強くしなけりゃ、宝の持ち腐れだ!」
「そう言うと思ってたよ。」
自信満々に陽向は、空っぽの頭から取ってきた、ことわざを交えて答えた。
その言葉を聞いた者は、自然とみんな笑顔になった。
こうして陽向の魔法習得1日目が始まったのである。
属性判別魔法を行なってから2時間後。
2人は特訓の為、空き地に来ていた。
「もぉキツイって!一回休憩しよぉーよ」
開始からおよそ2時間。
いきなり弱音を吐く陽向。
「死ぬ気でついてくるんじゃなかったか?」
呆れた顔で敬太は言い放つ。
「それはそれ、これはこれ!休んだらしっかりやるから!ね?ね!」
子供のようにだだをこねる。
これを、例えるならば
夏休みの宿題を明日やるから今日は休もう。と言って明日もやらない。
そんな状況に似ている。
「それは出来ない。ここで休むと間に合わなくなる。7日で魔法を習得すること自体凄く厳しいことだ。俺でも1ヶ月はかかった。」
衝撃の一言に、陽向は弱気になる。
陽向と敬太の特訓時間の差が陽向のやる気を削いだのだ。
「そりゃ、無理じゃね?俺が7日で覚えれるはずがなくね?」
「大丈夫だ。その点はぬかりなく計算してある。ギリギリ間に合う計算だ。
少し天然が入っているので、心配なところはあるが、陽向は敬太を信じることにした。
「そ、そうなのか…。ちなみにスケジュールは?」
「朝6時に起床。6時から6時半の間に朝ごはん。6時半から7時の間にその日の準備。7時から11時半まで特訓。11時半から12時の間に昼ごはん。12時から6時まで特訓。6時から6時半の間に夜ご飯。6時半から8時の間にお風呂など。8時から8時半の間に寝る準備。8時半に就寝。と、言う感じだ。」
起床時間、お風呂の時間、就寝時間と、まるで中学校の宿泊研修の様にスケージュールが組まれていた。
敬太はそれをなめらかに語る。
だが
すぐに承諾する陽向ではない。
「むりむりむりむり!絶対無理!一日のほとんどが特訓じゃん!」
厳しいスケジュールに絶望した。
高校に入って運動をし無くなった陽向には少しばかり、キツイメニューなのだ。
「なんにせよ、やってもらう。お前の目標の為にも。」
『お前の目標の為にも』
この言葉が心に響く。
そして幾度となく、頭の中を駆け巡った。
その所為で
自分で自分を説得する形になってしまった。
「それはそうだな。まぁ、やるしかないか…!でも、この特訓ってなんの意味があんの?ただ息を深く吸って岩を持ち上げてるだけじゃ~ん!」
そう、陽向はあれから2時間、ただひたすらに深呼吸をしつつ、岩を持ち上げる、という単純作業をやっていたのだ。
「それは、まぁあれだ。現実でメジャーな言い方だと、MPってやつの最大値をあげる特訓だ。この世界ではそのMPを『エルグ』と言うんだが、とりあえず、お前の魔法の場合そのMPをかなり消費するから鍛えなきゃならない。6日間はこの特訓だ。最後の1日で魔法を覚えてもらう。でも、俺では透明魔法を教えられないから最終日だけは知り合いを呼ばせてもらうね。」
『MP』という言葉に陽向は、好奇心をくすぐられた。
しかし
誰が、魔法を教えてくれるか、それが気になった。
透明魔法の使い手。となると、かなり人が絞られるからだ。
「なるほどぉ…。こーんな特訓でMPの最大値が上がるとは思いにくいけど、やるか!あと知り合いってどんな人?きになるんだけど!」
「一言余計だ。どんな人かはその日のお楽しみだ。」
陽向は少し気になっていたので、知り合いについて聞いてみたが
敬太は勿体ぶる。
勿体ぶる可能性として考えられるのは2つ。
1つ目は、俺が知ってしまうと気が動転したり、衝撃を受けてしまう可能性がある。
2つ目は、単に陽向に意地悪をしている
という事だ。
「そっか~じゃあその日の楽しみにしとくわ!さぁ、特訓を再開しよう!」
陽向は必要以上に聞くことはやめた。
そして
気持ちを入れ替え、特訓に集中する。
「おう。」
そして彼らは特訓を再開した。
しかし、、、!
特訓を開始して5日がだった時
陽向に異変が起こる…。
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