僕とシークレットボーイ

夏目きょん

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1.5章:魔法習得編

12話:レッツ!属性判別魔法!

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クエストをクリアすると、1週間つまり7日の猶予、それに加えて部屋が与えられる。
しかし
7日以内に次のクエストを受注しなければ、それもクエスト失敗とみなされ、
死んでしまう。

ここからはその7日間の物語である。

「陽向。お前に約束していた通り、魔法マジックを教えてやる。」
優しい表情で語りかける。
ジャージ姿の敬太は初めてだ。
これは本気マジの証。
「おぉ!マジ?!教えてくれぇ!!」
期待に満ちた声が部屋に響き渡る。
「ひ、陽向は魔法マジック使えないの!?わ、私ですら使えるよ!?う、動き止めるのとか、み、水の魔法マジックとかなら…!」
憎たらしいが、憎めない。
それが彼女の不思議なところだ。
「ミクっぽいな、髪の毛の色的に…」

「え、え?!」
いつでも挙動不審のミクである。
「いや、なんでもないよ」

「な、なにさぁ~!」
またしても、鋭い目線でこちらを見ている男がいた。
大方、検討はついている。
「いちゃついてるところ悪いが。始めるぞ。まずはお前の魔法マジックの属性を調べるぞ。」
やはり、敬太だ。
「いちゃつい…いや、悪かったな!始めてくれ!師匠敬太さん!」
敬太の気持ちを考えると言い返せなく、認めざるを得なかった。
「が、頑張ってね!?わ、私は見学してるね!?」
ミクの応援はなぜか陽向をやる気にされる。
「おう!そんで、師匠さんよ!どうやって属性を調べるんだ?」
素朴な疑問を問いかけてみた。
「手と手を合わせろ。そして手が光るように念じろ。そしたら手が光る。その色で属性がわかる。」
半信半疑で陽向は敬太と手を合わせあった。
互いに目を閉じ、集中した。
しかし
「あの~。し、師匠さん?全く光らないのですがぁ~。不具合ですかね?」

何も起きない。
赤色にも青色にも黄色にも光らない。

「属性判別魔法に不具合など存在しない…。ま、まさか!?」
敬太は少し考え、何かの可能性を見つけたかのように、形相ぎょうそうを変えた。
「ミク!部屋の電気を消してくれ!」
いつにない声をあげ、ミクに指示をする。
「う、うん!?」
ミクが電気を消すと陽向と敬太の手が白色、いや透明に近い色で光っていた。
とても眩しい。
それは例えるならば、太陽の光。
「や、やっぱりか。」
予想が的中したと言わんばかりの顔で言う。
「何がだよ!先から何を言ってんだ?」
陽向には状況が読み込めていない。
戸惑う陽向に敬太は丁寧に説明をする。
「お前は数少ない、透明魔法クリアマジックの使い手だ。透明魔法クリアマジックはあらゆる魔法マジックを打ち消すことができ、ワープができる。この魔法マジックを極めた者は、時間を止めることも出来ると聞いたことがある。」
思わぬ、返答に陽向は焦る。
「俺はそんな希少な魔法レアマジックを持っているのか!?」
希望に満ちた声だ。
「あぁ。今日から次のクエストまでの間、俺はお前を死ぬ気で鍛える。もちろん、ついてくるよな?」
微笑みながら、陽向に問う。
「あたりめぇーだ!強くしなけりゃ、宝の持ち腐れだ!」
自信満々に陽向は答える。
「そう言うと思ってたよ。」
みんなが自然と笑顔になった。

こうして陽向の魔法習得1日目が始まったのである。
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