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第2章
第25話 呪いと温泉と毒草〈3〉
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「そ、そんなことありえないわっ! アタシが見込んだ温泉同行隊にスパイがいるなんてっ!」
ローウェが悲鳴を上げる。
狙われている可能性が高く、呪いにも苦しんでいる彼もまたスパイの容疑者から外れる。
「ああ、俺もスパイがいると決めつけるのは早計だと思うぜ。そこの女みたいにギフトで俺たちの位置を把握出来るのかもしれねぇ。ただ、何者かに意図的に狙われていることだけは間違いねぇ!」
ルーブがそう言っている間にも魔獣は押しかけて来る。
今、ウォルトがまた1頭の猪型魔獣を谷の方へ蹴っ飛ばした。
「じゃあ、この山の中にいる俺たち以外の人間を探せばいいんじゃねぇかな? フロル姉貴のギフトでさ」
弓使いの少年ハルトの提案は的を射ていた。
どんなギフトでも効果が及ぶ範囲には限度がある。
もしウォルトたちを襲っている敵がいるとすれば、少なくともこの山のどこかにはいる。
流石に山の外から効果が及ぶようなギフトは考えにくい。
「名案だけど、もう1回広い範囲を探るにはまたウォルトと協力しないといけない。でも、そうするとウォルト以外のみんなで魔獣を倒さないといけなくなるけど……」
一度見つけた温泉の位置は把握しているが、また新たな目標を探すとなると再度ウォルトと魔力を合わせる必要がある。
「フロル、とりあえず1人で探せる範囲で探してみるんだ。案外近くに隠れている可能性もある」
「よし、やってみる!」
ウォルトの指示を受けて、周囲に温泉同行隊以外の人間がいないかを探るフロル。
「……ダメ! 頑張って範囲を広げて頑張ってみたけど、近くに私たち以外の人間はいないみたい!」
「そうか……。フロルの【探索術】が及ばないほどの遠距離からギフトの力を行使しているとすれば、相手は相当ギフトを鍛えた手練れかもしれない」
しかしながら、魔獣をけしかけている敵を倒さなければ移動することもままならない。
「お前らは敵を探せ! 魔獣は俺たちが引き受ける!」
「癪ですが、それが最善策のようですね」
ルーブとマジナのパーティがウォルトの前に立つ。
「……ああ、頼んだ!」
ウォルトは草生神木刀を抜き、再びフロルと魔力を合わせる。
その間は他のメンバーが魔獣の相手をする。
「しゃあっ! 狩りの時間だっ!」
ハルトは背負っていた大弓を構え、矢をつがえる。
「狙撃術――貫ッ!」
引き絞られた弦が鳴り、矢がオーラを帯びる。
「ぶち抜くぜッ!」
放たれた矢は迫りくる猪型魔獣の眉間を貫き、尻の方まで貫通した!
猪型魔獣は地面に倒れ伏し、走っていた勢いのまま数メートル滑って停止した。
「へへっ、どんなもんだい! 俺の狩りの腕前はさぁ!」
ハルトは満面の笑みで仕留めた獲物の尻を叩く。
だが、他のメンバーはそれどころではない。
「1体倒したくらいではしゃいでんじゃねぇ! どんどんおかわり来てんぞ!」
ルーブの怒号も意に介さず、ハルトは仕留めた獲物の尻を凝視していた。
そして、急に慌てて叫び出した。
「この猪の尻……町長さんみたいだよ!?」
「ああんっ!? 何だとテメェ!?」
温厚なローウェもこれにはキレた。
誰だって巨大猪みたいな尻だと言われればそうなるだろう。
特に美容やスタイルの維持に気を使っているローウェにとっては逆鱗だ。
しかし、ハルトは別に尻の大きさを指摘したわけではなかった。
「違う違う! 大きさじゃないよ! こいつの尻に町長さんのと似てるアザがあるんだ!」
「な、何ですって!?」
ローウェがすぐさま確認に走る。
確かにそのイノシシの尻には、ローウェの腰に浮かび上がっているアザと似たものが刻まれていた。
完全に同じではないが、絵柄というか雰囲気は瓜二つだった。
「直感的にわかるわ……! これは私の腰のアザとおんなじよ!」
「ってことは、今この瞬間俺たちに魔獣をけしかけてる犯人は、町長さんを呪った奴と同一人物ってこと!?」
全員がハルトと同じ結論に至っていた。
ローウェに呪いを刻んだ者ならば、その呪いを目印に遠距離からでも位置を把握出来るかもしれない。
そして、すでに呪いによって町長に危害を加えているのだから、こうして魔獣を使って直接的な攻撃を仕掛けてくるのも理解出来る。
「つまり、フロルが敵を発見してそいつを叩き潰せば、全部解決するかもしれないってことだな」
「そうと決まればいっちょやってやりますか、ウォルト!」
フロルとウォルトが力を合わせ、【探索術】による索敵が始まった。
そして、数秒で答えは出た。
「いたっ! ここから北に真っすぐ……4キロくらい先!」
敵は発見出来た。
しかし、この険しい山の中で4キロ先だ。
平原を歩くのとはわけが違う。どんなに急いでも1時間以上はかかってしまう。
さらに敵は何体もの魔獣をけしかけて来ている。
それを相手にしながら4キロもの道のりを進むのは不可能だ。
「じゃあ、俺たちで仕留めて来ます」
そう言ってウォルトはフロルを背負った。
「おいおいおいっ! ちょっと待てぇい! え、4キロ先まで人を背負って行くつもりか?」
「はい。5分もあれば殴り倒せます」
ルーブのツッコミに、ウォルトはそれが当然みたいな顔で言い返す。
「おい、女! お前はそれでいいのか!?」
「大丈夫! ウォルトはすごいんだからっ!」
ルーブは……説得を諦めた。
「お前らが帰って来なかったら俺たちは撤退するからな!」
「ええ、それが正しい判断です」
呪いを受けているローウェをこの場に置いていけば、敵はローウェを含めた全員がこの場に釘付けになっていると思うだろう。
その隙にウォルトたちが敵に突っ込み全滅させる。
何とスマートで完璧な作戦だろうか――
「じゃあ、みんな町長さんのことよろしくお願いします。すぐ帰って来ますんで」
「絶対に帰って来てよねっ! 信じてるから! ウォルトちゃん、フロルちゃん!」
ローウェの声を背に受けながら、ウォルトは地面をグッと踏みしめて走り出した。
次の瞬間には、ウォルトたちの姿は山の木々の中に消えていた。
「……まさか、マジであいつには5分で仕留める力があるってのか?」
ルーブの問いに答えられる者は誰もいなかった。
ローウェが悲鳴を上げる。
狙われている可能性が高く、呪いにも苦しんでいる彼もまたスパイの容疑者から外れる。
「ああ、俺もスパイがいると決めつけるのは早計だと思うぜ。そこの女みたいにギフトで俺たちの位置を把握出来るのかもしれねぇ。ただ、何者かに意図的に狙われていることだけは間違いねぇ!」
ルーブがそう言っている間にも魔獣は押しかけて来る。
今、ウォルトがまた1頭の猪型魔獣を谷の方へ蹴っ飛ばした。
「じゃあ、この山の中にいる俺たち以外の人間を探せばいいんじゃねぇかな? フロル姉貴のギフトでさ」
弓使いの少年ハルトの提案は的を射ていた。
どんなギフトでも効果が及ぶ範囲には限度がある。
もしウォルトたちを襲っている敵がいるとすれば、少なくともこの山のどこかにはいる。
流石に山の外から効果が及ぶようなギフトは考えにくい。
「名案だけど、もう1回広い範囲を探るにはまたウォルトと協力しないといけない。でも、そうするとウォルト以外のみんなで魔獣を倒さないといけなくなるけど……」
一度見つけた温泉の位置は把握しているが、また新たな目標を探すとなると再度ウォルトと魔力を合わせる必要がある。
「フロル、とりあえず1人で探せる範囲で探してみるんだ。案外近くに隠れている可能性もある」
「よし、やってみる!」
ウォルトの指示を受けて、周囲に温泉同行隊以外の人間がいないかを探るフロル。
「……ダメ! 頑張って範囲を広げて頑張ってみたけど、近くに私たち以外の人間はいないみたい!」
「そうか……。フロルの【探索術】が及ばないほどの遠距離からギフトの力を行使しているとすれば、相手は相当ギフトを鍛えた手練れかもしれない」
しかしながら、魔獣をけしかけている敵を倒さなければ移動することもままならない。
「お前らは敵を探せ! 魔獣は俺たちが引き受ける!」
「癪ですが、それが最善策のようですね」
ルーブとマジナのパーティがウォルトの前に立つ。
「……ああ、頼んだ!」
ウォルトは草生神木刀を抜き、再びフロルと魔力を合わせる。
その間は他のメンバーが魔獣の相手をする。
「しゃあっ! 狩りの時間だっ!」
ハルトは背負っていた大弓を構え、矢をつがえる。
「狙撃術――貫ッ!」
引き絞られた弦が鳴り、矢がオーラを帯びる。
「ぶち抜くぜッ!」
放たれた矢は迫りくる猪型魔獣の眉間を貫き、尻の方まで貫通した!
猪型魔獣は地面に倒れ伏し、走っていた勢いのまま数メートル滑って停止した。
「へへっ、どんなもんだい! 俺の狩りの腕前はさぁ!」
ハルトは満面の笑みで仕留めた獲物の尻を叩く。
だが、他のメンバーはそれどころではない。
「1体倒したくらいではしゃいでんじゃねぇ! どんどんおかわり来てんぞ!」
ルーブの怒号も意に介さず、ハルトは仕留めた獲物の尻を凝視していた。
そして、急に慌てて叫び出した。
「この猪の尻……町長さんみたいだよ!?」
「ああんっ!? 何だとテメェ!?」
温厚なローウェもこれにはキレた。
誰だって巨大猪みたいな尻だと言われればそうなるだろう。
特に美容やスタイルの維持に気を使っているローウェにとっては逆鱗だ。
しかし、ハルトは別に尻の大きさを指摘したわけではなかった。
「違う違う! 大きさじゃないよ! こいつの尻に町長さんのと似てるアザがあるんだ!」
「な、何ですって!?」
ローウェがすぐさま確認に走る。
確かにそのイノシシの尻には、ローウェの腰に浮かび上がっているアザと似たものが刻まれていた。
完全に同じではないが、絵柄というか雰囲気は瓜二つだった。
「直感的にわかるわ……! これは私の腰のアザとおんなじよ!」
「ってことは、今この瞬間俺たちに魔獣をけしかけてる犯人は、町長さんを呪った奴と同一人物ってこと!?」
全員がハルトと同じ結論に至っていた。
ローウェに呪いを刻んだ者ならば、その呪いを目印に遠距離からでも位置を把握出来るかもしれない。
そして、すでに呪いによって町長に危害を加えているのだから、こうして魔獣を使って直接的な攻撃を仕掛けてくるのも理解出来る。
「つまり、フロルが敵を発見してそいつを叩き潰せば、全部解決するかもしれないってことだな」
「そうと決まればいっちょやってやりますか、ウォルト!」
フロルとウォルトが力を合わせ、【探索術】による索敵が始まった。
そして、数秒で答えは出た。
「いたっ! ここから北に真っすぐ……4キロくらい先!」
敵は発見出来た。
しかし、この険しい山の中で4キロ先だ。
平原を歩くのとはわけが違う。どんなに急いでも1時間以上はかかってしまう。
さらに敵は何体もの魔獣をけしかけて来ている。
それを相手にしながら4キロもの道のりを進むのは不可能だ。
「じゃあ、俺たちで仕留めて来ます」
そう言ってウォルトはフロルを背負った。
「おいおいおいっ! ちょっと待てぇい! え、4キロ先まで人を背負って行くつもりか?」
「はい。5分もあれば殴り倒せます」
ルーブのツッコミに、ウォルトはそれが当然みたいな顔で言い返す。
「おい、女! お前はそれでいいのか!?」
「大丈夫! ウォルトはすごいんだからっ!」
ルーブは……説得を諦めた。
「お前らが帰って来なかったら俺たちは撤退するからな!」
「ええ、それが正しい判断です」
呪いを受けているローウェをこの場に置いていけば、敵はローウェを含めた全員がこの場に釘付けになっていると思うだろう。
その隙にウォルトたちが敵に突っ込み全滅させる。
何とスマートで完璧な作戦だろうか――
「じゃあ、みんな町長さんのことよろしくお願いします。すぐ帰って来ますんで」
「絶対に帰って来てよねっ! 信じてるから! ウォルトちゃん、フロルちゃん!」
ローウェの声を背に受けながら、ウォルトは地面をグッと踏みしめて走り出した。
次の瞬間には、ウォルトたちの姿は山の木々の中に消えていた。
「……まさか、マジであいつには5分で仕留める力があるってのか?」
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