稀代の英雄に求婚された少年が、嫌われたくなくて逃げ出すけどすぐ捕まる話

こぶじ

文字の大きさ
81 / 83
後日談

【後日談12】帰宅3(セブ視点)

しおりを挟む
 力任せに寝台の中央に引き上げて押し倒し、その口腔を味わいながら、衣服を捲り薄っすらと筋肉の乗った薄い腹に手を滑らせる。この奥まで捩じ込んで激しく突き上げて犯したい。こんな肚奥にまで私を感じて善がる場所があるのだ。何と健気なことだろう。
 口付けの合間に上衣を全て剥ぎ取り、平靴を脱がせ、私自身も旅装の騎士服を脱ぎ捨て寝台の下に放っていく。私の体躯に合わせて作らせた大振りの直剣の鞘が床に叩きつけられて派手な音を立てると、ハバトは持ち前の怯懦を発揮して身体を跳ねさせた。それを強く押さえつけて更に肌を暴いていく。
 快楽に弱いハバトの陰茎はすでに兆していて、下衣越しにそれを撫でるとか弱い嬌声を上げる。久しい行為の為か、より感度が高く好ましい。
 寝台横の収納から使い慣れた衛生潤滑油の小瓶を取り出すと、先程まで表情を蕩けさせていたハバトが不意に「あっ、待って。聞いて」と慌てた様子で、小瓶を持つ私の手を制した。
 これだけ煽られて、待てるわけがない。
 制止を無視して、抵抗するハバトの両手首を片手でまとめ上げた。ハバトでは決して振り解けない強さで拘束する。多少は暴れるかと予想していたが、想定外にハバトは身体の力を抜き、自身の自由を完全に明け渡した。それが私の征服欲を上手く満たし、少しばかりなら話を聞いてやってもいいと考えを改めた。しばしの黙考の後、腕を開放する。

「あの、俺セブさんに謝らなきゃいけないことがあるんです…」

「なんだ」

 ハバトは自身の下衣の腰紐を緩めて脱ぎ捨てると、大胆にも私の手を自身の陰茎へと導いた。ハバトの緩く勃ち上がった陰茎を手のひらで包み込むと、敏感な彼は小さく鼻にかかった吐息を吐いた。

「この奥、触って」

 微かな違和感を覚えながら、言われるがままに陰囊の下に伸ばした指先が、不意にひたりと濡れた。静かに驚きつつも、それ以上の下卑た期待感が胸の奥から込み上げてくる。
 ハバトの次の言葉を待たずに陰囊下を強く押すと、ぬるりと温かな肉間に指先が沈み、ハバトの呼吸が荒くなった。加虐心が湧いて「これは何だ」と馬鹿らしいことを聞いてしまう。そんなこと、わかりきっているというのに。
 睫毛を湿らせた薄茶色の瞳が羞恥で揺れている。

「赤ちゃん産める穴、作っちゃった」

 眉尻を下げてお得意の「ごめんなさい」を呟く。そして、徐ろに自身の両膝を持ち上げて細い脚を開いた。言うまでもなく、挿入の際の体位だ。

「…セブさんはどっちに挿れたい?」

 細やかな悪戯を白状するような控えめな声で、とろりと艶やかなに微笑む様は、私にとっては正に魔女だった。そのような誘惑をされては一溜まりもなく、理性が無様に崩れ落ちていく。

「君は、私を狂わせるつもりか?」

 頭の芯が酷く熱を持ち、どす黒い欲を孕んだ重い息を吐いた。

「セブさん、怒ってますか?」

「怒るわけがない」

「じゃあ、なんで…」

 そんな恐ろしい顔をしているのだ、と尋ねたいのだろう。愛おしい魔女の痴態に狂わされて、表情を繕う余裕など疾うに失くした。ただそれだけのことだ。

「どちらもだ」

「え……あっ、ンッ!」

 しとど濡れた膣に指を沈ませると、私の魔女はあうあうとよく啼いた。想像通り、この中も頗る敏感なようだった。

「どちらも私の為の穴なのだろう?」

 ゆっくり拓かせるように丁寧に中を掻き交ぜると、身体を震わせ嬌声をあげながら健気に何度も頷く。

「ならば、存分に好きにさせてもらおう」

 ハバトの膝裏を掴んで更に臀部を持ち上げ、恥部を全て曝け出させる。陰囊と肛門の間の僅かな隙間に慎ましやかな小振りな割れ目がある。とても狭く、心地が良さそうなそれには、非常に小さな肉芽も付いており、愛液を塗り込めるように強く押し潰すと大きく全身を跳ねさせた。ハバトが快感を拾っている間に、膣に差し込んだ指を増やして左右に押し開く。しっとりとした淫靡な肉の覗くそこに、醜悪な程に熱り立った陰茎を押し当て、ゆっくりと穿っていく。

「あ、セブ、さん、はっ、あっ、ああっ、あああ」

 柔らかい肉筒は一方ならない狭さだが、よく泥濘んで私を受け入れる。呼吸もままならず息も絶え絶えなハバトを追い込むように深く深く口付けると、苦しげにもそれに応える様は酷くいじらしく、私の欲を更に煽る。何度も「愛している」と耳元に吹き込みながら緩やかに揺さぶると、すぐにハバトは声もなく身体を強張らせて達した。膣壁は痙攣しているが、ハバトの陰茎は射精していない。
 甘く弱い絶頂を繰り返しているらしいその膣内から未だに猛っている陰茎を引き抜くと、ハバトは目に見えて安堵の息をついて表情を緩めた。素直なその反応が愛おしくて口の端が上がる。
 この程度で、終わるわけがないというのに。
 弛緩した身体をうつ伏せに転がすと、ハバトから「なに?」と戸惑いの混じった細い声が出た。それには答えず、両膝を付かせて小振りな尻を高く上げさせる。それでやっと、何をされるか理解したらしいハバトが私の名を呼んで再度待てを掛ける。

「今、中がぞわぞわしてるから、代わりに口でさせて…」

 何とも愛らしい懇願が為されるが、残念なことにそれがまた私を酷く嗜虐的にする。

「駄目だ」

 決して逃げられないように強く腰を掴んで一気に膣奥を貫くと、絹を裂くような嬌声が上がる。ハバトの手が苦しげにも寝台のシーツを掻くのを、痙攣し続ける中を無慈悲に抉りながら見下ろす。

 肥大し歪んだ醜い私の念いを満たせるのはハバトだけだ。このあられもないハバトの姿を見ることも、その身体を弄ぶことも、ハバトから許されているのは私だけだ。私の為だけにハバトはここまで自らを差し出す。
 もっと、奪ってしまいたくて堪らなくなる。君は、私に全てを奪われたとしても許すのだろう。

「…出すぞ」

 絶え間なく喘ぎながらも、私の言葉に確と頷く。腰を速めると、彼は藻掻き身体を大きく跳ねさせた。また達したらしかったが、それに構わずに強く穿ち最奥に精液を注いだ。私の射精の気配を察した私の魔女は、極小さな声で「嬉しい」とぼんやり零した。

「…子が欲しいか?」

 幼子のように何度も首肯するのが愛らしくも、私がいるだけでは物足りないのかと大いに妬ける。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

僕の太客が義兄弟になるとか聞いてない

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
 没落名士の長男ノアゼットは日々困窮していく家族を支えるべく上級学校への進学を断念して仕送りのために王都で働き出す。しかし賢くても後見の無いノアゼットが仕送り出来るほど稼げはしなかった。  そんな時に声を掛けてきた高級娼家のマダムの引き抜きで、男娼のノアとして働き出したノアゼット。研究肌のノアはたちまち人気の男娼に躍り出る。懇意にしてくれる太客がついて仕送りは十分過ぎるほどだ。  そんな中、母親の再婚で仕送りの要らなくなったノアは、一念発起して自分の人生を始めようと決意する。順風満帆に滑り出した自分の生活に満ち足りていた頃、ノアは再婚相手の元に居る家族の元に二度目の帰省をする事になった。 そこで巻き起こる自分の過去との引き合わせに動揺するノア。ノアと太客の男との秘密の関係がまた動き出すのか?

【完結】スパダリを目指していたらスパダリに食われた話

紫蘇
BL
給湯室で女の子が話していた。 理想の彼氏はスパダリよ! スパダリ、というやつになったらモテるらしいと分かった俺、安田陽向(ヒナタ)は、スパダリになるべく会社でも有名なスパダリ…長船政景(マサカゲ)課長に弟子入りするのであった。 受:安田陽向 天性の人たらしで、誰からも好かれる人間。 社会人になってからは友人と遊ぶことも減り、独り身の寂しさを噛み締めている。 社内システム開発課という変人どもの集まりの中で唯一まともに一般人と会話できる貴重な存在。 ただ、孤独を脱したいからスパダリになろうという思考はやはり変人のそれである。 攻:長船政景 35歳、大人の雰囲気を漂わせる男前。 いわゆるスパダリ、中身は拗らせ変態。 妹の美咲がモデルをしており、交友関係にキラキラしたものが垣間見える。 サブキャラ 長船美咲:27歳、長船政景の年の離れた妹。 抜群のスタイルを生かし、ランウェイで長らく活躍しているモデル。 兄の恋を応援するつもりがまさかこんなことになるとは。 高田寿也:28歳、美咲の彼氏。 そろそろ美咲と結婚したいなと思っているが、義理の兄がコレになるのかと思うと悩ましい。 義理の兄の恋愛事情に巻き込まれ、事件にだけはならないでくれと祈る日々が始まる…。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

辺境の酒場で育った少年が、美貌の伯爵にとろけるほど愛されるまで

月ノ江リオ
BL
◆ウィリアム邸でのひだまり家族な子育て編 始動。不器用な父と、懐いた子どもと愛される十五歳の青年と……な第二部追加◆断章は残酷描写があるので、ご注意ください◆ 辺境の酒場で育った十三歳の少年ノアは、八歳年上の若き伯爵ユリウスに見初められ肌を重ねる。 けれど、それは一時の戯れに過ぎなかった。 孤独を抱えた伯爵は女性関係において奔放でありながら、幼い息子を育てる父でもあった。 年齢差、身分差、そして心の距離。 不安定だった二人の関係は年月を経て、やがて蜜月へと移り変わり、交差していく想いは複雑な運命の糸をも巻き込んでいく。

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

初夜の翌朝失踪する受けの話

春野ひより
BL
家の事情で8歳年上の男と結婚することになった直巳。婚約者の恵はカッコいいうえに優しくて直巳は彼に恋をしている。けれど彼には別に好きな人がいて…? タイトル通り初夜の翌朝攻めの前から姿を消して、案の定攻めに連れ戻される話。 歳上穏やか執着攻め×頑固な健気受け

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

処理中です...