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狂信者の回想と(ローレル視点)
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“あの方”の事を思い出したのは、娘が九つの頃だった。
娘のガブリエルは、私によく似て美しい子供だ。しかし、引っ込み思案で自身の考えを口にしない、鈍臭い子だった。それが、ずっと許せなかった。
娘が乳飲み子のうちはよかった。ただ単純に子の成長を喜べた。それが、三歳、四歳と子自身の性格が顕著に現れ出すと、私の中で言い知れない不満が膨らむようになった。そこから、私は娘の躾に心血を注いだ。
私の中に、明確な“理想”があった。最初は具体像の無い靄がかった、しかしながら後光差すような神々しい何かだった。それがあの方をはっきり形作るようになったのは唐突であった。
エゼキエル特別位神官
彼の記憶を取り戻した瞬間、今の私の存在意義を直ぐ様理解した。
“現代に、かの素晴らしき白百合の聖人を取り戻さなくてはいけない”
ともすれば、白百合の名を継ぐに相応しいのは、我が血を分けたガブリエル以外にいない。見目こそエゼキエル様により近いのは私自身だが、それはきっと私の使命を示す標なのだろう。第一、私は子を成してしまっており肉欲を知っている。それでは清らかなる聖人足り得ない。
白百合の聖人を成す為の教育は、試行錯誤の連続だったが、得も言われぬ充足感があった。白百合の聖人が顕現すれば、また幾万もの民が癒しと救いを得るだろう。そして、私は聖母となるのだ。
この使命に一生を賭す事に、何も迷いなど無かった。例の存在に気付くまでは。
かの者については、立太子されていない年若い第一王子、という認識しかなかった。
国王は力添えくださる存在なので懇意にしていたが、その息子とは接点も興味もなかった。学生の身分の王族に何が出来るわけでもない。
その無力の少年王族を、王城内で偶然にも見留めた。いや、正確には第一王子と知った上で目を留めた訳ではなかった。
憎き獣のような王弟と、瓜二つだったからだ。
ジェラードの相貌を認識したあの時、瞬時に感じたのは、白百合であるガブリエルを誑かされるのでは、という恐怖だった。第一王子はガブリエルと同じ学院に在籍しているのではなかったか。アシュリーの失敗を繰り返してはいけない。
ただ幸運な事に、アシュリーの時とは立ち場が違う。“白百合は私の庇護下にあり、白百合と王子は恋仲ではない”という事。
ガブリエルとジェラード第一王子を親密な仲にしてはいけない。そう。それで一番の不安の種が潰える。それは、わかり切ったことだ。
しかしながら、胸中にどうしても消せない疑念がある。
私がかつてアシュリー・フローレスだったように、もしジェラードがかの王弟ミラードの生まれ変わりなのだとしたら、“エゼキエルの魂と記憶も現代にもあるのではないか”と。
そして、その懸念と共に降って湧いてしまった“ある甘い期待”を諦め切れずに、私はガブリエルとジェラードを引き合わせる算段を整え始めた。
“エゼキエルの記憶が、ガブリエルの中で眠っているのではないか”、という期待の為だ。
もし、現代にエゼキエルの魂があるとして、それはもしかすれば私の知り得ない幾つも国境を越えた先にあるのかもしれない。ただ、私の魂が同じ国どころか、前世と同家の下に遣わされた事を思えば、エゼキエルの魂がこの国内、それどころかこの王都内にある可能性は十二分にあるのではないか。
そして、エゼキエルの崇高なる魂が宿る、美しき肉体など、この国内の貴族の中で一番の麗しき華である我が娘以外にあり得ないだろう。
エゼキエルとしての明敏な頭脳と高雅な人格の記憶を得れば、きっとガブリエルはその瞬間に他の追随を許さない厳然たる至高の聖人として完成される。
私の心はひどく躍った。
そして、娘の中にあるエゼキエルの魂を揺り起こすには、不本意ながら、ミラードの存在が最も効果的なのではないかと考えた。
飽くまでそっと揺らす程度にしたい。とは言え、もしエゼキエルの魂をミラードの魂が堕落に引き込まんとしても、ガブリエルを奪われないだけの権力と、母親としての権利が私にはある。300年前のように、愚かな不義密通を断ち切らせる為に、息の根まで止める必要はないのだ。
豊饒祭の協議の場でガブリエルと相対したジェラードは、私への品のない威嚇もさる事ながら、案の定、ガブリエルを欲し囲いこまんと動き出した。それによって、ジェラードの内に、かつての王弟ミラードの記憶を内在している事がはっきりした。
ガブリエルを籠絡せんと、常にそばに置こうとするジェラードを私は心底嫌悪した。だが、それはエゼキエルの魂がガブリエルの中にあると、ジェラードも感じたが故の行動であろう事は明白だ。
ガブリエルの聖人としての大成を目前に見て、私は陶酔した。
しかし、もちろんガブリエルとジェラードを汚らわしい関係になどさせはしない。国王という最大のコネを使い、第一王子付きの護衛をこちらの監視の目に一新させた。ガブリエルの身を守る事が最重要だが、ジェラードとその側近の侯爵子息に不審な動きがないか、交友関係も合わせて事細かに監視役から私に直接報告させるようにした。人を挟めば挟む程、信用性も秘匿性が落ちるからだ。
「フローレス公爵閣下、こちらにお掛けになってお待ちくださいませ」
順風満帆。何も怯える必要などない。そのはずなのに、どうにも胸に暗雲が立ち込める。
王城内の応接室に通され、促されるままに豪奢なソファに腰を落ち着ける。
本来は登城などしたくはなかった。
ここひと月程延々と、ジェラードから面会の要請が様々な手立てを用いて届けられていた。しかし、それにこちらが色好い返事をしたことは一度としてない。護衛からジェラードの様子は逐一報告を上げさせているから、こちらとしては直接会って探らねばならない事などひとつもない。獰猛な獣に噛み殺されにわざわざ出向いてやる義理などないのだ。
今日私がここにいるのは、ヴィンセント現国王からの召喚要請の勅書を戴いてしまったからだ。勅書にはご丁寧に「ガブリエルに関する用件」などと存分に含みを持たせた事が書かれていた。
概ねジェラードの差金と考えて間違いないだろう。それは重々承知しているが、正式な国王からの召喚を無視する理由を取り繕うにも骨が折れる。幸いなことに、従兄弟である現国王は私を目にかけている。ジェラードが何を画策し、国王に何を吹き込もうと、公爵家当主である私から国王に正しく直訴すれば、少なくとも力負けするような事には決してならない。
そういった打算もあり、私は今回の召喚に素直に応じたのだ。
毒見を済ませた紅茶に口をつけると、応接室の扉が小気味良い音を発する。謁見の間へ案内する侍従が来たのだろうと、扉へ向かって入室許可の声をかけ腰を上げる。
しかし、私の予想に反し、重厚な扉を開けゆったりと中に入ってきたのは憎き王弟の生き写しだった。
「フローレス公、足労感謝する」
無駄に優雅な所作で向かいのソファに腰かけるジェラードを、悪感情のまま睨めつける。
「国王は所用でまだ体が空かない。俺が歓待役を仰せつかった。しばし有益な話でもしよう」
「ご冗談を。私にとって有益なお話を、殿下がなされるとは思えませんわ」
ジェラードは嫌味には応えずに、国王によく似た王子らしい笑みで私に着席を促した。前世で殺し合った同士が茶菓子を挟んで対座するなど何とも滑稽な光景だ。
室内にいる護衛の顔ぶれをさり気なく確認する。応接室入り口に二人、私の背面側の壁に控える侍女と共にもう一人。そして、たった今ジェラードと共に入室し、その背後に立った者が一人。当然だが、ジェラード側に立つ護衛は私の手配した者なので良く見知っている。全員、公爵家への忠誠心の高い者たちばかりだ。
万が一、ジェラードが私を殺そうとしても無駄であろう。
娘のガブリエルは、私によく似て美しい子供だ。しかし、引っ込み思案で自身の考えを口にしない、鈍臭い子だった。それが、ずっと許せなかった。
娘が乳飲み子のうちはよかった。ただ単純に子の成長を喜べた。それが、三歳、四歳と子自身の性格が顕著に現れ出すと、私の中で言い知れない不満が膨らむようになった。そこから、私は娘の躾に心血を注いだ。
私の中に、明確な“理想”があった。最初は具体像の無い靄がかった、しかしながら後光差すような神々しい何かだった。それがあの方をはっきり形作るようになったのは唐突であった。
エゼキエル特別位神官
彼の記憶を取り戻した瞬間、今の私の存在意義を直ぐ様理解した。
“現代に、かの素晴らしき白百合の聖人を取り戻さなくてはいけない”
ともすれば、白百合の名を継ぐに相応しいのは、我が血を分けたガブリエル以外にいない。見目こそエゼキエル様により近いのは私自身だが、それはきっと私の使命を示す標なのだろう。第一、私は子を成してしまっており肉欲を知っている。それでは清らかなる聖人足り得ない。
白百合の聖人を成す為の教育は、試行錯誤の連続だったが、得も言われぬ充足感があった。白百合の聖人が顕現すれば、また幾万もの民が癒しと救いを得るだろう。そして、私は聖母となるのだ。
この使命に一生を賭す事に、何も迷いなど無かった。例の存在に気付くまでは。
かの者については、立太子されていない年若い第一王子、という認識しかなかった。
国王は力添えくださる存在なので懇意にしていたが、その息子とは接点も興味もなかった。学生の身分の王族に何が出来るわけでもない。
その無力の少年王族を、王城内で偶然にも見留めた。いや、正確には第一王子と知った上で目を留めた訳ではなかった。
憎き獣のような王弟と、瓜二つだったからだ。
ジェラードの相貌を認識したあの時、瞬時に感じたのは、白百合であるガブリエルを誑かされるのでは、という恐怖だった。第一王子はガブリエルと同じ学院に在籍しているのではなかったか。アシュリーの失敗を繰り返してはいけない。
ただ幸運な事に、アシュリーの時とは立ち場が違う。“白百合は私の庇護下にあり、白百合と王子は恋仲ではない”という事。
ガブリエルとジェラード第一王子を親密な仲にしてはいけない。そう。それで一番の不安の種が潰える。それは、わかり切ったことだ。
しかしながら、胸中にどうしても消せない疑念がある。
私がかつてアシュリー・フローレスだったように、もしジェラードがかの王弟ミラードの生まれ変わりなのだとしたら、“エゼキエルの魂と記憶も現代にもあるのではないか”と。
そして、その懸念と共に降って湧いてしまった“ある甘い期待”を諦め切れずに、私はガブリエルとジェラードを引き合わせる算段を整え始めた。
“エゼキエルの記憶が、ガブリエルの中で眠っているのではないか”、という期待の為だ。
もし、現代にエゼキエルの魂があるとして、それはもしかすれば私の知り得ない幾つも国境を越えた先にあるのかもしれない。ただ、私の魂が同じ国どころか、前世と同家の下に遣わされた事を思えば、エゼキエルの魂がこの国内、それどころかこの王都内にある可能性は十二分にあるのではないか。
そして、エゼキエルの崇高なる魂が宿る、美しき肉体など、この国内の貴族の中で一番の麗しき華である我が娘以外にあり得ないだろう。
エゼキエルとしての明敏な頭脳と高雅な人格の記憶を得れば、きっとガブリエルはその瞬間に他の追随を許さない厳然たる至高の聖人として完成される。
私の心はひどく躍った。
そして、娘の中にあるエゼキエルの魂を揺り起こすには、不本意ながら、ミラードの存在が最も効果的なのではないかと考えた。
飽くまでそっと揺らす程度にしたい。とは言え、もしエゼキエルの魂をミラードの魂が堕落に引き込まんとしても、ガブリエルを奪われないだけの権力と、母親としての権利が私にはある。300年前のように、愚かな不義密通を断ち切らせる為に、息の根まで止める必要はないのだ。
豊饒祭の協議の場でガブリエルと相対したジェラードは、私への品のない威嚇もさる事ながら、案の定、ガブリエルを欲し囲いこまんと動き出した。それによって、ジェラードの内に、かつての王弟ミラードの記憶を内在している事がはっきりした。
ガブリエルを籠絡せんと、常にそばに置こうとするジェラードを私は心底嫌悪した。だが、それはエゼキエルの魂がガブリエルの中にあると、ジェラードも感じたが故の行動であろう事は明白だ。
ガブリエルの聖人としての大成を目前に見て、私は陶酔した。
しかし、もちろんガブリエルとジェラードを汚らわしい関係になどさせはしない。国王という最大のコネを使い、第一王子付きの護衛をこちらの監視の目に一新させた。ガブリエルの身を守る事が最重要だが、ジェラードとその側近の侯爵子息に不審な動きがないか、交友関係も合わせて事細かに監視役から私に直接報告させるようにした。人を挟めば挟む程、信用性も秘匿性が落ちるからだ。
「フローレス公爵閣下、こちらにお掛けになってお待ちくださいませ」
順風満帆。何も怯える必要などない。そのはずなのに、どうにも胸に暗雲が立ち込める。
王城内の応接室に通され、促されるままに豪奢なソファに腰を落ち着ける。
本来は登城などしたくはなかった。
ここひと月程延々と、ジェラードから面会の要請が様々な手立てを用いて届けられていた。しかし、それにこちらが色好い返事をしたことは一度としてない。護衛からジェラードの様子は逐一報告を上げさせているから、こちらとしては直接会って探らねばならない事などひとつもない。獰猛な獣に噛み殺されにわざわざ出向いてやる義理などないのだ。
今日私がここにいるのは、ヴィンセント現国王からの召喚要請の勅書を戴いてしまったからだ。勅書にはご丁寧に「ガブリエルに関する用件」などと存分に含みを持たせた事が書かれていた。
概ねジェラードの差金と考えて間違いないだろう。それは重々承知しているが、正式な国王からの召喚を無視する理由を取り繕うにも骨が折れる。幸いなことに、従兄弟である現国王は私を目にかけている。ジェラードが何を画策し、国王に何を吹き込もうと、公爵家当主である私から国王に正しく直訴すれば、少なくとも力負けするような事には決してならない。
そういった打算もあり、私は今回の召喚に素直に応じたのだ。
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しかし、私の予想に反し、重厚な扉を開けゆったりと中に入ってきたのは憎き王弟の生き写しだった。
「フローレス公、足労感謝する」
無駄に優雅な所作で向かいのソファに腰かけるジェラードを、悪感情のまま睨めつける。
「国王は所用でまだ体が空かない。俺が歓待役を仰せつかった。しばし有益な話でもしよう」
「ご冗談を。私にとって有益なお話を、殿下がなされるとは思えませんわ」
ジェラードは嫌味には応えずに、国王によく似た王子らしい笑みで私に着席を促した。前世で殺し合った同士が茶菓子を挟んで対座するなど何とも滑稽な光景だ。
室内にいる護衛の顔ぶれをさり気なく確認する。応接室入り口に二人、私の背面側の壁に控える侍女と共にもう一人。そして、たった今ジェラードと共に入室し、その背後に立った者が一人。当然だが、ジェラード側に立つ護衛は私の手配した者なので良く見知っている。全員、公爵家への忠誠心の高い者たちばかりだ。
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