前世を思い出した侯爵令嬢ののんびり生活

ツナコ

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第1部

17

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 次の週末、いよいよ今日はイーサン様と約束した日、私はイーサン様への恋心を自覚したので、告白しようと決意していた。
 
 今日は海の近くの公園まで遠乗りし、そこでピクニックの予定だ。

 「イクラ、今日は見守っていてね」
 と愛馬を撫でていると、白シャツに茶のベスト、茶の革のパンツに黒ブーツという装いのイーサン様が鹿毛の愛馬に乗って我が家に向かってきている。
 
 颯爽としてやっぱり素敵だ。
 
 「もう外にいたとは。すまない、待たせてしまったか?」

 「い、いえ。少し早く出てしまって」
 好意を意識するとなんだかうまく話せない。

 「そうなのか?では、出発しようか」

 「はい」

 私は、ランチとお手製マカロンを入れたバッグもイクラに
 「よろしく、ごめんね」
 と言いながらくくりつけて出発した。

 ランチはイーサン様も自分で用意する、と毎回言うのだが、メリーの作るサンドイッチは美味しいので、2人分お願いして私がいつも持参している。

 イーサン様には飲み物をお願いしている。

 公園は休憩を挟み片道2時間ほど、ゆっくりと寛げる芝生の広場と、海までの散歩道があり、波止場から遊覧船に乗る事もできる。

 まずは到着してから敷物をひいて座り、水の魔鉱石を使った保冷水筒から水を飲む。

 乗馬後の汗が心地よい。

 それからランチボックス、中身はきゅうりや、チキンのカレー風味、ツナのマヨネーズあえのサンドイッチなど、を開いていく。

 「美味しそうだ」
 とイーサン様が微笑みながら、
 「紅茶とコーヒー、どちらがいい?」
 と保温ポットとマグカップを持ってきた。

 「では、紅茶をお願いします」

 「…はい、どうぞ」
 慣れない手つきで紅茶を注ぎ私に渡してくれる。ふふ、可愛い。

私達はお互い過ごしたバカンスの話をしながら、ランチタイムを過ごす。

 イーサン様はうちの別荘が素晴らしいと褒めてくれ、少し走らせると小高いちょっとした山があり、オリバー兄様と登山をして山頂でキャンプした話、私は秋の国で泊まったホテルの話などをしていた。

 そしてそのタイミングで、
 「イーサン様、その…お誕生日、おめでとうございます。
 こちら、気に入っていただけるか不安ですが、プレゼントです!」
 プレゼントの包みを渡すとイーサン様はびっくりした顔で、
 「俺に?…驚いた…。
 ありがとう、アイシャ。開けてみても?」

 「もちろんです」
 イーサン様が包みを開けてシルバーのネックレスを見ると、
 「…素敵だな。…俺に似合うだろうか」
 と苦笑する。

 「似合うと思って買いました!
 良かったら、つけてみて下さい」
 付け方がわからずワタワタとするイーサン様の後ろに周り、イーサン様、首が逞しい…と思いながらネックレスを止める。

 正面に回ると、やっぱり!
 凄く似合ってる。

 「やっぱり、素敵です、イーサン様」

 「!…ありがとう、大事にする」
 イーサン様は真っ赤になって、少し微笑んだ。
 
 ランチの後、腹ごなしに少し散歩しようとレンガ道をぶらぶらと歩く。

 レンガ道は海まで続いており、潮の匂いのする海風が気持ちいい。

 間もなく砂浜と海が見えてきた。

 「わぁ…きらきらと凪いで、綺麗ですねぇ、イーサン様」
 後ろを歩いていたイーサン様を振り返ると、イーサン様はじっと私を見つめている。

 「アイシャの方が綺麗だ」

 「えっ?」

 「アイシャ、俺は…、その…、貴女の事が好きだ」

 「っ!」

 「…やっと、言えた。
 ずっと言いたくて、勇気が出なくて」
 はにかんで笑うイーサン様に、私は
 「わ、私も好きです!イーサン様…」
 と告白する。

 声が震えてしまう。

 イーサン様は真っ赤になり、
 「…本当に?アイシャ…」
 と私の頬をそっと触れる。

 「…はい」
  
 イーサン様の手に擦り寄るようにすると、イーサン様の手はそのまま私の顎にゆっくり下がって、私の顔を少し上げる。

 それからイーサン様の顔が近づいてきて、彼の暖かい唇と私の唇が触れ合う。

 これはキス…!チュッチュッと啄むようなキスが、段々と強く押しつけるようになってきて、半開きの唇に熱いヌルっとしたものが入ってきた。

 これって舌?

 どうしよう、どうしていいか分からない…!

 私はパニックになりながら、おずおずと舌をイーサン様のにちょんとくっつける。

 するとイーサン様が激しく舌をからめ、角度を変えますますキスが深くなってくる。

 私は初めてのキスがこんなに激しくて戸惑い、絡める水音も恥ずかしくてもうどうしていいか分からない。

 「んんっ…イ、イーサン様っ…」
 何とか口を離すと、

 「…どうか、イーサンと…」
 と再び強く抱きしめられ口づけられる。

 「ふっ…んっ…イ、イーサンっ…」

 イーサンは唇を離し今度は髪を寄せて私の首筋に口つける。

 「あっ…」

 「ずっと…貴女に、触れたかった。
 もう、離さない」
 
 そうやって暫く抱き合ってから、ここは砂浜だという事にはっとお互い気付き、周りに人がいなかったのでホッとするのだった。
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