優しい君を抱きたい

ツナコ

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 朝陽は、既に限界まで勃ち上がった自分の陰茎を、蒼の後孔に当てがい、蒼の両膝を抱え一気に突き入れていく。

「あっ!あぁっ・・・」

 その瞬間、蒼は積もった快感が堰を切るかのように達してしまい、白濁を撒き散らす。

「蒼、もういったの?まだこれからなのに」

「ああ・・・ごめん、我慢しようと思ったのに」
 
 蒼は恥ずかしさに目を潤ませてしまう。真っ赤になりながら、まだぴくんぴくんと痙攣する体を愛おしそうに口付けし、朝陽は抱えた蒼の両膝を、蒼の胸につくほどに広げ、ゆっくり出し入れをくりかえす。
 達したばかりの蒼は、その動きにも耐えきれず身悶える。

「朝陽さん!ダメ!いったばかりだから・・
 ぁあ・・・」

 また蒼の陰茎が僅かに立ち上がり、雫を垂らし始めた。
 朝陽は荒い息遣いで、攻める角度を変えたり、腰を回しながら突き入れたり、様々な攻め方で蒼の官能を刺激してくる。
 蒼は下腹部から全体に広がる快感に、頭が灼ききれそうになり、あられもない声を上げた。

「あーっ!あっ、あっ、いやっ、また、いっ、く、あっあっあーっ!ああっ、あぁーっ!」

 あまりの快感に頭が真っ白になった瞬間、蒼の陰茎からは白濁ではなく勢いよく透明な液体が溢れた。
 蒼は震えながら、
 「はぁ、はぁ・・・うそ、おしっこ、出ちゃった・・・?」

 あまりの恥ずかしさに手で顔を隠した。
 朝陽は愛しげに

「おしっこじゃないよ。蒼、潮吹きしたの。女の子みたいに」

 男にも潮吹きってあるの?!と思いながら、絶頂のあとの脱力感に浸っていると、

「まだだよ、蒼。
 俺まだイッてない、もう少し頑張って」

 朝陽は、ぐったりとした蒼をうつ伏せにし尻のみ高く上げさせ、蒼の引き締まった尻を揉みしだきながら律動を始める。

「っ・・!蒼の中、凄いうねってて気持ちい・・・、俺も出そっ・・・」

 動きが激しくなり、朝陽がぶるっと震える。
 蒼の尻をぐっと掴み、全てを注ぎ込むように幾度も押し付け達し、熱い朝陽の白濁を感じて蒼もまた極まった。

「んっ!ああっ・・・、も、ダメ・・・」

 蒼はがくがくと膝が震え、ぐったりと横たわった。
 朝陽は雄の欲情がまだ収まらない表情で、

「・・・まだ全然萎えない」

 と呟いて蒼の両足を抱える。

「嘘、朝陽さん・・・」

 見ると、朝陽の陰茎は未だ勃ち上がったままだ。

「蒼が好きすぎて、止まらない・・・。もう1回、やろ・・・?」

 有無を言わせず蒼の両足を自分の肩にのせ、ぐっと陰茎を蕾につきいれた。

「これが俺のお仕置き。まだまだ俺の愛を受け止めて」

 ぐぐっと奥まで朝陽のものが入ってくる。今まで入ったことのないところまで朝陽のものを感じて、蒼はか細い喘ぎ声をあげる。

「・・・やっ、怖い・・・っひっ、あ・・」
 蒼の口端から涎が流れるのを朝陽は舐めとり、開いた口に舌を差し入れながら、

「蒼、大丈夫、怖くないよ。愛してる・・」

 と耳元で囁いて、寸前まで陰茎を抜き、奥までまた貫く。
ずっと絶頂が続く感覚に、蒼の痙攣は止まらない。

「ああ!ああっ!ああーーっ!
凄い・・・俺、も、わかんな・・・」

 蒼の陰茎からはひっきりなしに蜜が溢れている。

「はぁっ、蒼、ずっと中がひくついてる...イクのが止まらないんだね。
凄い気持ちいいよ、俺も・・・」

 中を掻き回され、また律動が激しくなり、蒼は呼吸もままならない。 

「うっ・・・蒼・・また、蒼の中に出すよ」

 大きな水音を響かせながら、朝陽は逞しい腕で蒼の両足を掴み、早いスピードで打ちつける。

「あああーーーっ!あぁ、あぁ・・・あ、朝陽さん、俺・・・もう・・・」

 蒼は頭が真っ白なまま、少しずつ気が遠くなっていった。


 

 目を開けると、鏡張りの天井がまず視界に入り、蒼は一瞬自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。

「目が覚めた?」

 バスルームのほうから、朝陽が下着1枚の姿で歩いてきた。
そこでやっと、自分が途中で気を失ってしまったことを思い出し、恥ずかしさで顔が真っ赤になってしまう。
頬を染めながらこちらを見つめる蒼に、朝陽は愛しげに頭を撫でた。

「ごめんね。やりすぎちゃって。
でも、これが今の俺の気持ち。
蒼が誰と、何があっても、俺の蒼への想いは溢れて止まらない。
重くて申し訳ないけど、受け止めてくれる?」

 切ない表情でそんな事を言われ、蒼は、こんなにも思ってくれる朝陽の頬に触れながら、大切にしようと改めて心に誓った。

「・・・俺も大好き、朝陽さん。
本当に、もう、裏切りません。
一緒にいようね」

 そう言ってそっと触れるだけのキスをして、微笑みあう。
まだ付き合い始めて間もない間に、いろいろな事が起こったが、乗り越えて2人、寄り添っていこうと改めて誓ったのだった。
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