卯野の独り言

卯野四葉

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出産の記憶 7

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 そして迎えたナムコ出産の日。今度は予定日より少し早めでした。
 ハチの時と違い、私は2回目のお産、助産師さんの数も足りている、前回担当してくれた助産師さんがまた担当になってくれた、旦那も産まれるまでついてくれている(ハチは実家で預かってくれた)ため、随分と余裕のあるお産になりました。
 助産師さんも、前回の醜態を見ているからか、「今回は落ち着いてるわねー、すごいすごい」と褒めてくれました。褒められたのかな?
 落ち着いてるのは、旦那にあんなみっともない姿を見られたくないだけだからです。見栄です。
 今回は旦那に立ち会ってもらうつもりでいたのですが、出産直前になって、ハチのう○ちの件を思い出し、急遽「出て行け!」と追い出しました。旦那は血が苦手なので、「血見るからやっぱやめとき!」ととっさに気遣いという名の嘘をつきました。
 結果、旦那も血を見ることにもならず、私も醜態を見せることなくウィンウィンのお産だったと思います。
 ハチの時が大きめの子だったから、次のお産は楽だよ、と言った先生。私は一生忘れません。
 結局ナムコ、3600グラム越え。
 ハチよりデカかった。
 ええ、また裂けました。切る前に。
 壊れなかっただけマシか。
 ともあれ、無事ナムコも誕生。ナムコもピュアなおじいちゃんでした。
 産まれた瞬間は旦那のお父さんだったのに、入院中に私の顔に近くなってきました。なぜだ。
 でも一番似てるのはガッツ石松でした。
 ガッツナムコを抱えて退院し、今回はそのまま実家へ。
 あの産後鬱の二の舞はごめんです。なので、今回は事前に実家に帰ると決めていました。
 お陰で、産後鬱になることもなく、産褥期を無理せず過ごせました。ありがとう実家。
 しかし、家から離れて暮らしていたハチがホームシックにかかってしまい、予定では1ヶ月実家にお世話になるところを1週間繰り上げて帰宅しました。
 もうちょっとのんびりしたかったな……。

 それから数年経ち、ハチもナムコも腕白な男の子に育ちました。
 病気の疑惑、感染症の移し合いっこ、怪我、お友達との喧嘩……ハラハラさせられたことは数知れず。悪いことをして雷を落としたことも数知れず。
 ですが、やっぱり我が子は一番可愛いです。
 大変な思いをして出産したけど、そんなものはなんてことないと思える宝物です。

 さらに数年すると、反抗期がくるでしょう。
 ママ大好き、と恥ずかしげもなく口にするハチとナムコですが、そのうち「クソババァ」とか言うんでしょうね。
 その時は赤飯炊いて玄関先に日の丸と花輪立てて、ご近所にご祝儀配って盛大にお祝いしてやる。

「うちの子に反抗期が来ました!」

 と。
 さあこれで反抗できるものならしてみやがれ。
 母ちゃん楽しみに待ってるぞ。
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