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044☆例えば赤が朱く染まれども②
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「メリルラーナ様とシャルロッテ様が愛称で呼び合っていてとっても仲良しで羨ましかったんです」
何一つ間違っちゃいねぇ。
げに素晴らしきかな、美少女たちのきゃっきゃうふふ。
「別に…………てよ」
「?」
「別にシャーリーと呼んでもよろしくてよっ!」
はい~、ツンデレ美少女のデレいただきましたっ!
「シャ、シャーリー……?わ、私の事はアリーと」
デレの破壊力に思わずどもって上擦っちゃったじゃない。
「よ、よろしくってよ、アリー」
「あらまぁ、アリシア様。私はメリルと」
「では私もアリーと」
苦節一年お友達ができたこの感激……ことごとく邪魔する悪魔は本日公務でいないのさ。
「アリー、そろそろ先生が来るよ~」
「ありがとうございます、ベルシュ様」
そうそう、なんと現在私の護衛はベルシュ様とオマケにマシューくん。
そうですあのフォルクキャスト公爵家の問題……おっと、趣味で近衛やってま~す的なベルシュ様です。あとそんなベルシュ様に気に入られてしまった色々と可哀想なマシューくん。こんな風に気配察知で先生がいらっしゃる前に教えてくれるのでとっても便利……って、使いどころ間違っちゃいないか?なんて考えちゃダメ、ノンノン。
最近公務目白押しな殿下が私好みの護衛を配置してくれたので目下鑑賞中。
それもついこの間、私が刃物で狙われたからである。何この学園怖すぎでしょって思うでしょ?実行犯の準男爵家ごとお取り潰しになったんだけど黒幕まで引っ張れなかったとか。トカゲの尻尾切りよね。
という訳で私の周りがデンジャラスなのは変わりない。
「あ、りんごのパイが食べたくなったから明日お茶に誘ってあげてもよろしくてよ?」
マナーの時間が終わりシャルロッテ様がツンデレた。今、今、アリーって呼ぼうとしたのよね?
「ありがとうございます、シャーリー。りんごのパイ楽しみにしておりますね」
「あら、私は誘っていただけないのかしら」
少し拗ねたような言い方のメリル様かわいい。
殿下が公務から帰ってくる前にもっと親交を深めておきたいものだわ。
「……ど……して」
痛くて自分が冷たくなっていく感覚。
じわりじわりと赤く赤く広がる血潮にぼんやりと意識が落ちていく中──……
「──────」
そんな理由で私は死ぬのかと、馬鹿じゃないの?
どこにでも悪意は転がっていてそれは些細な事で芽吹いて花を咲かせ実になる。
今度は気をつけなきゃ。いつか人間不信になりそうだよ。
瞼が落ちると同時に真っ暗闇に落ちて、そして私はまた巻き戻った。
……花の数はあと三個。
何一つ間違っちゃいねぇ。
げに素晴らしきかな、美少女たちのきゃっきゃうふふ。
「別に…………てよ」
「?」
「別にシャーリーと呼んでもよろしくてよっ!」
はい~、ツンデレ美少女のデレいただきましたっ!
「シャ、シャーリー……?わ、私の事はアリーと」
デレの破壊力に思わずどもって上擦っちゃったじゃない。
「よ、よろしくってよ、アリー」
「あらまぁ、アリシア様。私はメリルと」
「では私もアリーと」
苦節一年お友達ができたこの感激……ことごとく邪魔する悪魔は本日公務でいないのさ。
「アリー、そろそろ先生が来るよ~」
「ありがとうございます、ベルシュ様」
そうそう、なんと現在私の護衛はベルシュ様とオマケにマシューくん。
そうですあのフォルクキャスト公爵家の問題……おっと、趣味で近衛やってま~す的なベルシュ様です。あとそんなベルシュ様に気に入られてしまった色々と可哀想なマシューくん。こんな風に気配察知で先生がいらっしゃる前に教えてくれるのでとっても便利……って、使いどころ間違っちゃいないか?なんて考えちゃダメ、ノンノン。
最近公務目白押しな殿下が私好みの護衛を配置してくれたので目下鑑賞中。
それもついこの間、私が刃物で狙われたからである。何この学園怖すぎでしょって思うでしょ?実行犯の準男爵家ごとお取り潰しになったんだけど黒幕まで引っ張れなかったとか。トカゲの尻尾切りよね。
という訳で私の周りがデンジャラスなのは変わりない。
「あ、りんごのパイが食べたくなったから明日お茶に誘ってあげてもよろしくてよ?」
マナーの時間が終わりシャルロッテ様がツンデレた。今、今、アリーって呼ぼうとしたのよね?
「ありがとうございます、シャーリー。りんごのパイ楽しみにしておりますね」
「あら、私は誘っていただけないのかしら」
少し拗ねたような言い方のメリル様かわいい。
殿下が公務から帰ってくる前にもっと親交を深めておきたいものだわ。
「……ど……して」
痛くて自分が冷たくなっていく感覚。
じわりじわりと赤く赤く広がる血潮にぼんやりと意識が落ちていく中──……
「──────」
そんな理由で私は死ぬのかと、馬鹿じゃないの?
どこにでも悪意は転がっていてそれは些細な事で芽吹いて花を咲かせ実になる。
今度は気をつけなきゃ。いつか人間不信になりそうだよ。
瞼が落ちると同時に真っ暗闇に落ちて、そして私はまた巻き戻った。
……花の数はあと三個。
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