婚約者は第二王子のはずですが?!

水月架奈

文字の大きさ
44 / 46

044☆例えば赤が朱く染まれども②

しおりを挟む
「メリルラーナ様とシャルロッテ様が愛称で呼び合っていてとっても仲良しで羨ましかったんです」

 何一つ間違っちゃいねぇ。
 げに素晴らしきかな、美少女たちのきゃっきゃうふふ。

「別に…………てよ」

「?」

「別にシャーリーと呼んでもよろしくてよっ!」

 はい~、ツンデレ美少女のデレいただきましたっ!

「シャ、シャーリー……?わ、わたくしの事はアリーと」

 デレの破壊力に思わずどもって上擦っちゃったじゃない。

「よ、よろしくってよ、アリー」

「あらまぁ、アリシア様。わたくしはメリルと」

「ではわたくしもアリーと」

 苦節一年お友達ができたこの感激……ことごとく邪魔する悪魔殿下は本日公務でいないのさ。

「アリー、そろそろ先生が来るよ~」

「ありがとうございます、ベルシュ様」

 そうそう、なんと現在私の護衛はベルシュ様とオマケにマシューくん。
 そうですあのフォルクキャスト公爵家の問題……おっと、趣味で近衛やってま~す的なベルシュ様です。あとそんなベルシュ様に気に入られてしまった色々と可哀想なマシューくん。こんな風に気配察知で先生がいらっしゃる前に教えてくれるのでとっても便利……って、使いどころ間違っちゃいないか?なんて考えちゃダメ、ノンノン。
 最近公務目白押しな殿下が私好みの護衛を配置してくれたので目下鑑賞中。
 それもついこの間、私が刃物で狙われたからである。何この学園怖すぎでしょって思うでしょ?実行犯の準男爵家ごとお取り潰しになったんだけど黒幕まで引っ張れなかったとか。トカゲの尻尾切りよね。

 という訳で私の周りがデンジャラスなのは変わりない。


「あ、りんごのパイが食べたくなったから明日お茶に誘ってあげてもよろしくてよ?」

 マナーの時間が終わりシャルロッテ様がツンデレた。今、今、アリーって呼ぼうとしたのよね?

「ありがとうございます、シャーリー。りんごのパイ楽しみにしておりますね」

「あら、わたくしは誘っていただけないのかしら」

 少し拗ねたような言い方のメリル様かわいい。
 殿下が公務から帰ってくる前にもっと親交を深めておきたいものだわ。



































「……ど……して」

 痛くて自分が冷たくなっていく感覚。
 じわりじわりと赤く赤く広がる血潮にぼんやりと意識が落ちていく中──……

「──────」

 そんな理由で私は死ぬのかと、馬鹿じゃないの?
 どこにでも悪意は転がっていてそれは些細な事で芽吹いて花を咲かせ実になる。
 は気をつけなきゃ。いつか人間不信になりそうだよ。
 瞼が落ちると同時に真っ暗闇に落ちて、そして私はまた巻き戻った。
 ……花の数はあと三個。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

処理中です...