299 / 369
直輝と決意とクリスマスイブ
7話
しおりを挟む
暗がりのホテルで少しだけ罪悪感を感じつつ、それでも彼女の体温はどこまでも心地よかった。
時刻は既に2時を回っている。
愛さんは先程の恍惚とした表情から1点、妙にしんみりと……そして切なそうな顔へと変わっていた。
「私………いなくなるんだ。」
「いなくなるって、どこに?」
「アメリカだよ、親の転勤でね。」
それを告げる彼女は少しだけ震えていた。
すると、彼女は俺の胸にでこをあててまるで甘えているようだった。
「アメリカなんか……行きたくない。英語もできないし、きっと留学先で腫れ物のように扱われるかもしれない。」
そりゃあそうだ。
俺だって嫌だ。急に孤独になるかもしれない、今ある日常が突然なくなると考えると……彼女の数日の過激な行動にも納得がいく。
「親もさ……私よりかは生活優先だし、学校のみんなもまるで本当は友達じゃなかったかのように素っ気なくされたの。だから……本当の居場所がなくて、君を利用したの、ごめん。」
「……いや、俺でも同じ立場ならそうするかも。」
彼女はきっとここに残る理由が欲しかった。
それはなんでもいい、例えば子どもとか愛する人とか、でもその先はまるで天国のようで、やはり未来はなかった。
「いつ……行っちゃうんだ?」
「2日後の、12月24日。」
「クリスマスイブか。」
妙に鬱陶しかったクリスマスソングが脳裏をよぎる。
俺はどうしたらいいんだろう。彼女の居場所になればいいのだろうか?でも、その選択は何かを捨てることとなる。俺自身の目標とか、友達とか……家族。
迷っていた、いつもみたいに人を助ける方法を考えていた。
「直輝くんって……温かいね。」
「そりゃあ、生きてるからね。」
「はは、まだまだ国語苦手だなぁ。」
「おい、さりげなく酷いな。」
はっきりいって今の行動は傷の舐め合い、愛情ではなくお互いの弱みをぶつけ合う劣情に近かった。
やがて少しずつ……俺たちは一緒の布団でゆっくりと眠る。
妙にシーツの蒸し暑さが心地よく、まるでいま死んでもきっと良い感情なのかもしれないとさえ錯覚していった。
とにかく……今日は疲れた。
明日の自分に何かを委ねるとしよう。
☆☆
朝、俺は目が覚める。
時刻は7時となっていて……愛さんは昨日と同じように俺に身を委ねるように寝ていた。
「流石に……風呂入るか。」
朝は大浴場が空いてるとの事だったのでゆっくり湯船に浸かりたい……そう思って彼女を離そうとする。
「んーん!」
すると、彼女は駄々っ子のようにより強く俺に抱きしめてきた。
彼女もこんな面があるのかというギャップと可愛いと不意に思ってしまう。しかし、流石に1度整理はするべきだろう。
「愛さん……離れてよ。」
「やだー!」
……めっちゃ幼児退行している。確かに彼女は小柄だけど、いつも先を行く大人なイメージだったので拍子抜けだった。
いや、もしかしたらこれが本性なのかもしれない。
それでも離そうとすると……彼女は俺の左の首筋に噛み付いた。
「いってえーー!いや、なんで噛むんだよ!」
「……離そうとする度に噛み跡つけるから。」
「食う気なの?地味に噛む力強くない?」
昨日の今日で彼女の知らない面をたくさん知って脳がバグりそうだった。
もう4~5年の付き合いになり、彼女のことは大まかわかったと思ったけど……俺は彼女を微塵も知っていなかった。
「じゃあ……私に噛み跡つけてくれたら考えてあげる。」
「え……。」
「ほら、私にされて……痛かったでしょ?やり返してみなよ。」
そう言うと、彼女は髪をかきあげ首を見せつける。
それはシルクのように白くそれでいて滑らかな曲線を描いていた。
俺は、とにかく今は少し1人になりたいから彼女の首を甘噛みする。
「ん……。すこしいいけど、足りない。」
俺は少し噛む力を強めた。でも彼女は満足しなかったので、少しムキになってまるでソーセージを噛み切るかのごとく顎に力を入れたら彼女は体をガクッとさせて満足していた。
「あはは……、やればできるじゃん。」
やっと離れると、彼女はどこか幸せそうにする。
首には俺の歯型が強く残っていて、少し赤いのと紫が入り交じったような跡が着いていた。
「じゃあ……俺、風呂行ってくるから。」
「うん、私も行ってくる。」
そう言って俺たちは密着している体を離す。
どこか切なさと未練を感じつつも、いつまでも甘えてる訳には行かないと体にムチを打って俺は温泉へと向かっていった。
温泉はまだ早朝なのもあって俺しかいない。
少しだけ孤独を楽しんで、しっかりと結論を出す事としようとおもった。
今の俺は……中途半端すぎる。
どこかそんな自分を好きになれない自分がいた。
時刻は既に2時を回っている。
愛さんは先程の恍惚とした表情から1点、妙にしんみりと……そして切なそうな顔へと変わっていた。
「私………いなくなるんだ。」
「いなくなるって、どこに?」
「アメリカだよ、親の転勤でね。」
それを告げる彼女は少しだけ震えていた。
すると、彼女は俺の胸にでこをあててまるで甘えているようだった。
「アメリカなんか……行きたくない。英語もできないし、きっと留学先で腫れ物のように扱われるかもしれない。」
そりゃあそうだ。
俺だって嫌だ。急に孤独になるかもしれない、今ある日常が突然なくなると考えると……彼女の数日の過激な行動にも納得がいく。
「親もさ……私よりかは生活優先だし、学校のみんなもまるで本当は友達じゃなかったかのように素っ気なくされたの。だから……本当の居場所がなくて、君を利用したの、ごめん。」
「……いや、俺でも同じ立場ならそうするかも。」
彼女はきっとここに残る理由が欲しかった。
それはなんでもいい、例えば子どもとか愛する人とか、でもその先はまるで天国のようで、やはり未来はなかった。
「いつ……行っちゃうんだ?」
「2日後の、12月24日。」
「クリスマスイブか。」
妙に鬱陶しかったクリスマスソングが脳裏をよぎる。
俺はどうしたらいいんだろう。彼女の居場所になればいいのだろうか?でも、その選択は何かを捨てることとなる。俺自身の目標とか、友達とか……家族。
迷っていた、いつもみたいに人を助ける方法を考えていた。
「直輝くんって……温かいね。」
「そりゃあ、生きてるからね。」
「はは、まだまだ国語苦手だなぁ。」
「おい、さりげなく酷いな。」
はっきりいって今の行動は傷の舐め合い、愛情ではなくお互いの弱みをぶつけ合う劣情に近かった。
やがて少しずつ……俺たちは一緒の布団でゆっくりと眠る。
妙にシーツの蒸し暑さが心地よく、まるでいま死んでもきっと良い感情なのかもしれないとさえ錯覚していった。
とにかく……今日は疲れた。
明日の自分に何かを委ねるとしよう。
☆☆
朝、俺は目が覚める。
時刻は7時となっていて……愛さんは昨日と同じように俺に身を委ねるように寝ていた。
「流石に……風呂入るか。」
朝は大浴場が空いてるとの事だったのでゆっくり湯船に浸かりたい……そう思って彼女を離そうとする。
「んーん!」
すると、彼女は駄々っ子のようにより強く俺に抱きしめてきた。
彼女もこんな面があるのかというギャップと可愛いと不意に思ってしまう。しかし、流石に1度整理はするべきだろう。
「愛さん……離れてよ。」
「やだー!」
……めっちゃ幼児退行している。確かに彼女は小柄だけど、いつも先を行く大人なイメージだったので拍子抜けだった。
いや、もしかしたらこれが本性なのかもしれない。
それでも離そうとすると……彼女は俺の左の首筋に噛み付いた。
「いってえーー!いや、なんで噛むんだよ!」
「……離そうとする度に噛み跡つけるから。」
「食う気なの?地味に噛む力強くない?」
昨日の今日で彼女の知らない面をたくさん知って脳がバグりそうだった。
もう4~5年の付き合いになり、彼女のことは大まかわかったと思ったけど……俺は彼女を微塵も知っていなかった。
「じゃあ……私に噛み跡つけてくれたら考えてあげる。」
「え……。」
「ほら、私にされて……痛かったでしょ?やり返してみなよ。」
そう言うと、彼女は髪をかきあげ首を見せつける。
それはシルクのように白くそれでいて滑らかな曲線を描いていた。
俺は、とにかく今は少し1人になりたいから彼女の首を甘噛みする。
「ん……。すこしいいけど、足りない。」
俺は少し噛む力を強めた。でも彼女は満足しなかったので、少しムキになってまるでソーセージを噛み切るかのごとく顎に力を入れたら彼女は体をガクッとさせて満足していた。
「あはは……、やればできるじゃん。」
やっと離れると、彼女はどこか幸せそうにする。
首には俺の歯型が強く残っていて、少し赤いのと紫が入り交じったような跡が着いていた。
「じゃあ……俺、風呂行ってくるから。」
「うん、私も行ってくる。」
そう言って俺たちは密着している体を離す。
どこか切なさと未練を感じつつも、いつまでも甘えてる訳には行かないと体にムチを打って俺は温泉へと向かっていった。
温泉はまだ早朝なのもあって俺しかいない。
少しだけ孤独を楽しんで、しっかりと結論を出す事としようとおもった。
今の俺は……中途半端すぎる。
どこかそんな自分を好きになれない自分がいた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる