僕のお母さんは△▽女優

kyonkyon

文字の大きさ
37 / 369
第3章 私の過去はAV女優

9話

しおりを挟む
※この作品は「小説家になろう」「note」にも掲載中です

ある日のことだった。

直輝が9歳……小学生の中学年になった時だった。
直輝はしばらく寝たきりになってしまった。
しかし、私はその時は撮影に夢中だった。

撮影に集中してる私の視点に……直輝は気がついたら外れていた。
私が、不意にコンビニに行った時だった。
見慣れた人影を見つけた。
そう、私の直輝だった。
直輝は自分より背丈の高い子ども3人に連れられていた。

「お友達かしら……?」

しかし、私の検討は大きく外れていた。

「おい!ネグレクト!お前うっとおしいんだよ!」
「痛い!やめてよ、圭吾くん!」
「やーい!これ返して欲しければ返してみろよ~。」

私は目を疑った。
直輝は……いつも家では笑顔だったけど、学校ではいじめを受けていた。
そして、優しい直輝はやり返しはせずにただ呆然とたっていて年上の子に暴力を振るわれていた。

私は……隠れてしまった。
この子達に脅えてる訳ではなく……直輝自身に向き合えなくなっていた。
私は、家事代行にお願いをしていて参観日にも来てやれることは出来なかった。
いや、直輝は私が忙しいのを知っていて……あえてそのプリントを破り捨てていたのだ。
そこを子どもたちに目をつけられていて、直輝はいじめられていたのだ。

結局……私はその時間直輝を遂には助け出すことが出来なかった。

☆☆

「ただいま~。」
「おかーさん!おかえり!」

直輝は幸せそうに笑顔で帰ってくる。
なんてポーカーフェイスの上手い子どもなのだろう。
本当は泣き出してしまいたいだろうに。

「ねえ、直輝……嫌なことあったらお母さんに言ってね。」
「え?どうしたの?今日もね、楽しくサッカーしてたんだ!僕は大丈夫だよ!」
「そう!それなら良かった!」

しっかりとした受け答えにいつも騙されていたのだが、よく見ると手足も傷がある。
なんて酷い目に合わされたのだろう。

私は……結局のところ間違っていた。
直輝を守ると思っていたのに……結局売上とかそっちの方を優先して、直輝を守ることすら忘れていたのだ。

自分は……罪悪感でいっぱいだった。
母親失格である。しかも子どもにネグレクトなんて言葉で表現されているのだ、そんなのあまりにも哀れすぎる。

私は、ひとつの決断を降すことにした。
AV女優を……やめよう。

そのためには、少し長めに直輝と対話しておきたい。

「ねえ、直輝?」
「どうしたの?」
「明日、ドライブに行こっか!」
「え!いいの!」
「もちろん、とても綺麗なところに行きましょう。」

☆☆

私たちは朝車を出して長野県まで行くことにしてみた。
東京から3時間ちょいで行けるドライブスポットのビーナスラインというスポットである。
茅野市というところから上り、白樺湖から登っていくところなのだが、そこが綺麗と評判なのでそこに行ってみることにした。

「なんか、こうやってお出かけをするの初めてかもしれないね。」
「そうだね!それにしても……綺麗なところだね、空があんなにも近い。」

直輝の言う通り、山が平原のように小さく見えて遠いところも近く錯覚してしまうくらいの雄大な景色だった。
高いところというのは、たまに見ると自分のちっぽけさに驚かされるという感じも……この日初めて気がついた。
私たちは休憩所のようなところで車をとめるとそこにはカフェがあった。

「ねえ、直輝行ってみない?」
「行きたい!」

私たちは店に入る。比較的お客さんが居たのでそれだけで人気スポットだと言うのが手に取るようにわかった。
そこで、私達はボルシチとティラミスを購入する。

「おいしい!特に牛肉がごろごろしていて美味しいよ!」
「ね!ボルシチってこんな味だったんだ。」

ボルシチはいわゆるビーツの入ったロシアの郷土料理である。人参、玉ねぎ、じゃがいも……そしてコンソメが入っており、サワークリームで味付けをしているので意外と食べやすいのも特徴である。

何より、牛肉がトロトロで美味しかった。

幸せだった。いつの間にか軽んじてた息子との時間は……こんなにもかけがえのないものだったのだ。

私達は……山道を歩くと……ふと、涙が流れてきた。

「お母さん?」
「何?」
「なんで泣いてるの?」
「なんでかな……わかんない……わかんないよ。」
「大丈夫?」

私の中で……感情を整理するつもりが余計ぐちゃぐちゃになってしまった。
この仕事も気に入っていた……しかし、私はこれからも直輝を守らなきゃ行けない……でもこの時には私は25歳、まだまだ精神が塾してはいなかった。


「直輝……ごめんね?そばにいて上げられなくて……とても寂しくて辛い思いをさせていたわ。」
「んーん、そんなことないよ。だってお母さんはいつだって帰ってきてくれるもん。仕事大変なんだろうけど、いつだって僕のことを大事にしてくれるから……僕はお母さん大好きだよ。」
「直輝……直樹……直輝ーー!ごめんね……ごめんね。」

私は、天空の草原でひとつの決意をすることにした。
AV女優をやめようと……もう直輝を傷つけないようにと。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...