僕のお母さんは△▽女優

kyonkyon

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第6章 あの子のお母さんもAV女優!?

5話

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※この作品は「小説家になろう」「note」にも掲載中です

その日、瑞希はケーキを食べることはなく気まずい感じに帰ってしまった。

俺と母ちゃんは夕飯で向かい合わせになり、今日の夕飯はガパオライスとサーモンのタルタルを食べていた。

「上原ちゃん…帰っちゃったんだね。なんかあった?」
「あ…その…うん。」
「言いずらそうね。無理なら話さなくて大丈夫よ?」

流石は母ちゃんだ。
恐らく俺の気持ちを汲み取ってみなまでは聞かないようにしてるのだろう。
母ちゃんは俺の一番の理解者である。

「いや、話すよ。」

一先ず頭の決意を簡潔に言葉に表す。
人の頭は理由なんていつでも後付けをするのだ。
その相談だって、それに該当するだろう。

「瑞希、母ちゃんの事すぐ分かったんだ。アイツの母さんもウチと一緒みたいだ。なんか、それが本人的にショックだったらしいからな。」
「そうなんだ。」

母ちゃんは深く頷く。
こういう時の母ちゃんは沈黙の使い方が死ぬほど上手い。
変に親として話しすぎず受け止めることに徹するのだ。
それは、過去に沢山のことを乗り越えてきた彼女の器の大きさも起因してるのかも知れない。

「上原…亜美ちゃんって子がお母さんだったのかな?」
「知ってたのか?」
「もちろん、私と同じくらい有名でよく私と張り合っていたわ。気が強そうなところとか…似てるところあったもの。」

現役時代の母ちゃんと張り合うということは、その業界ではトップクラスの人気だったのだろう。
それだけでも彼女の過去の大枠は見えてくる。

なぜ、人に対して距離を持つのか。
なぜ、苦手な学歴や勉強に対して執着するのか。
なぜ、女子校に通っていたのか。

「きっと、母親絡みで過去になんかあったんだろうな。」
「かもね!じゃあ、直輝はどうしたらいいと思う?」
「…そんな彼女を尊重して、今まで通り接してみればいいと思う。きっと彼女はまた心を開いて今まで通り接することは出来るはずだから。」

しばらく沈黙が流れる。
すると、母ちゃんはぶわっと表情が優しく微笑む。

「直輝…ちょっとずつだけど人のことわかるようになったじゃん!」
「そうか?」

母ちゃんはうわはは、と笑いお酒を飲む。
今日のお酒は…スクリュードライバーかな?

母ちゃんは改めて偉大だ。
無理にアドバイスをするんじゃなくて、受け止めた上で自分なりの答えを導いてくれている。

それだけでも頼りになることこの上ない。

「明日、彼女にいつも通り接してみるよ。もし、過去の話をしたらきちんと受け止める。」
「さっすが私の息子!間違っても私と同じ道行くなよ~。」
「いかねえよ、ほら…夕飯が冷めるぜ。」

今日の晩御飯も暖かく、それでいて優しい味だった。
シャルロットケーキは…また明日食べるとしよう。

そんな俺にスマホの通知が流れた。

「急に帰ってごめんね!私もびっくりしちゃった。明日もいつも通り接してくれると嬉しいです。」

世の中、案外考えすぎなことが多いのかもしれない。

☆☆

「おはよぉー!」

夏期講習も初めて1週間になるな。
俺はそんなことを思いつつ、昨日母ちゃんの部屋から見つけた本でも読んでいた。

そんな中、瑞希が現れる。

「よぉ、元気そうでなによりだよ。」
「ごめん!昨日は迷惑かけたね!」
「いやいや、こちらももう少し配慮すべきだったよ。」

彼女は驚くほどいつも通りだ。
元気じゃない日が昨日を除くと全く想像できないくらい明るい。

「今日もご指導ご鞭撻お願いします!」
「お!難しい言葉知ってんのな。」
「えへへ~ドラマで見て覚えたの!」

彼女は頭の使い方が良くないだけで記憶力と応用力には光るものを感じる。
俺も彼女の成長をこの夏だけでも見届けていきたい。

ドラマが好きだからこそ、そういった言葉や語彙を取り入れようとしてるのだ。
そこはシンプルに尊敬に値する。

「…ねえ、何読んでるの?」
「ちょっと朝活初めて俺も勉強頑張ろうと思ってな。あの会社のCEOなんかも早起きしてるらしいぞ。」
「CEO!知ってるよ!」
「…お!すげーじゃん。雑学とか好きなんだな瑞希は。」

確か…Chief executive officerだったような気がする。
会社の最高責任者だからな。
まあでも俺はまだ一学生に過ぎないからもしかしたらまちがってるのかもしれないけど。

「CEOはね!超、偉い、お方、の頭文字からとってCEOでしょ!へへん!」
「…大不正解のような、部分的に正解のような。」
「端的に言うと?」
「間違いにきまってるでしょ。」

バカと天才は紙一重というがまさにこの事かもしれない。
ある意味超えらいお方なんだけどね。大喜利としては満点。

「違うの!?」

そんな俺たちを周りが笑う。
どう見ても漫才でしかないな。

「もういいや、とにかく!今日もビシバシ勉強教えるから覚悟しとけよ!今日は生物教えるからな!」
「な…直輝くん…ちょっと顔が怖いような…。」

全く、奇妙なやつだ。
昨日のセンチメンタルな雰囲気はどこに行ったんだ。
そんなことを思っていたら夏期講習が始まった。

「えー…先日の社会科の先生ですが諸事情により退任しましたので今回から私が担当致します。」

ちなみに英語多用の社会の教師を見ることは無かった。
鬱陶しかったがあれはあれでおもしろかった。

瑞希は以前よりは机の上での学習の集中力が上がっていた。
前よりも筆が進み、問題も解いて挙手をしてみんなの前でも問題を解いているのだ。

目まぐるしい成長である。
楽しみではあるけど、俺もうかうかとしてられない。
受験はみんなライバルになりかねないからな。

俺も一日一日を歩んでいこう。
そして、こいつも育てて俺も成長をする。
彼女は良き友人であり、ライバルになりつつあった。

まだまだ夏は楽しみなことばかりだ。
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