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第8章 うちのメイド長はヘビースモーカー
3話
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私は幼少の頃酷い虐待を受けていた。
母親と暮らしていたのだが、母親はシングルマザー。
その時…一人の男が入ってきた。
「お母さん、この人は?」
「新しいお父さんよ。」
「ことねちゃん…よろしくね。」
私は、幼少の頃から頭の回転が早かったのでこの現象に大きな違和感を感じた。
新しいお父さんって何?
生物学上それは事実と離反している。
私は既に居ない父親の精子から生まれたから、この男とは関係の無い他人である。
そんなことを6歳位の頃に覚えていたのを感じた。
父親は…日増しに闇の要素を見せるようになった。
ガシャーン!
「…お父さん、ごめんなさい。お父さんのグラスを割ってしまったわ。」
私は、その時深く反省していた。
しかし、そんな私に来たのは父親としてあるべき受容ではなく…拳が頬に衝撃を与えた。
「てめぇ…ほんと可愛くねえな!」
「ごめんなさい…ごめんなさい…。」
私は、2日に1回くらい…父親から虐待を受けていた。
その暴力は…母親にも及んでいた。
気がついたら母親は衰弱し…私が小学生の間に亡くなってしまった。
唯一の愛する肉親の死を悲しむことが出来ないほどに私の精神は極限状態に追いやられていった。
私の感情も…ほとんどその頃に失っていった。
中学に入った頃だろうか…父親は殴らなくなったのだが、妙に体に触れるようになった。
「お父さん…やめてください。」
「お前も…よく見りゃ綺麗じゃねえか…へへ。ちょっとくらいいいだろ。」
血の繋がってない父親は、私の胸を揉みだし…どんどんエスカレートしていった。
気持ち悪い、でも…拒んだら殴られる。
私は殴られると口の中を出血するので血の味を覚えるのだが…どうにも苦手だった。
父親のまくし立てるような怒鳴り声が苦手だった。
父親の発情した汗と脂が混ざった匂いが苦手だった。
私を犯してる時の父親の快楽に溺れた表情が苦手だった。
私の体は…父親によってある日犯され…ついには処女を奪われていった。
何も感じなかった。
とにかく、身体に異物が入ったという…そんな感覚だけだった。
そんな時、私は死のうかと思ったけど…あるものが目に入った。
それが、父親の吸っていたセブンスターだった。
中学生でそんな物やっては行けないとは分かっている。
でも、死んだ精神の中で私は唯一の好奇心が湧いてきたのだ。
吸ってみる。
不味い。
でも、父親にキスをされた時に感じる臭いと味に近いものがあって、そこに気持ち悪さを抜いた感じだった。
2本目を吸ってみる。
やはり不味いのだが…妙に心が洗われるようだった。
私の人生にはじめて救済が来たような…そんな感覚だった。
私はその時、人生で初めて涙を流すことが出来た。
それだけで、生きてるんだと小さな実感が湧く。
やがて、父親は近所から性的虐待で逮捕され…私は施設に入っていった。
孤立無援…そんな言葉が良く似合う状態だった。
私は施設に行っても1人だった。
友達もできず、他人との距離感が分からない。
虐げられることでしか…私がわからない…そんな焦燥感に駆られてしまった。
なにも好きな物もわからない…タバコを吸うことしか…幸せを感じられなかった。
そういえば1人だけこの施設にぼっちが居た。
「…。」
少女である。
私よりも3歳くらい年下の女の子だ。
「その本…面白い?」
「ユニーク。」
女の子は難しそうな本を読んでいる。
きっと頭がいいのだろう。
「羨ましいわ、あなた本が好きなのね。私は虐待しか無かったから…何が好きか分からないの。」
「読んでみる?」
「え、いいの?」
「もちろんよ。」
女の子は小学生とは思えないほど大人びていて、何を考えてるか分からないから不気味だった。
いや、それは私もか。
「あなた…名前は?」
「さやか、笛吹…さやか。」
私に本の貸し借りをする奇妙な友達ができた。
私は主に小説を借りてたのだけれど…その小説の人物を演じるようになると人間関係は円滑になった。
「ことねちゃん~、とても明るくなったわね。」
「シスター!ほんとですか??」
「ええ、最初のあなたは…この世に希望を見いだせない様な顔をしてたわ。さやちゃんとも仲良くしてくれてありがとうね。」
「もちろんですよ!」
私は…施設の子たちみんなと友達になったと思ったら…私の状況は急変した。
「私に…里親が…?」
「ええ、神宮寺さんって人みたいよ。」
中学後半くらいなってか…私はその演じた愛嬌と頭脳のお陰で今の親に巡り会うことが出来た。
その人は子どもが出来ないとのことで、私を見て家族にしたいと思ったとのこと。
私は、愛されていた。
大学にも活かしてもらったし、様々な習い事もさせてもらったので……虐げられてたあの頃とは比べ物にならないほど私の人生は充実した。
勉強は難しい…でも逆を言うと、私は勉強以外やることがなかったので何とかついて行くことができた。
そんな時だった。
私は大学の女の子に誘われて…メイド喫茶に行く事になった。
メイドなんてアホらしい…恥を知るべきだと思いながら若干ほくそ笑んで入店したら…私は大きな衝撃を受けた。
「「おかえりなさいませ!お嬢様!」」
若い女の子達がこんなにも生き生きとしていて、それでいてお客様は幸せそうにしていた。
ダンスを踊り、英語をしゃべり…こんなタレント性に富んだ仕事があるのかとおもった。
絶望と緊張感だけが人生の感覚だった私にとっては無い感情だった。
お店を出て、友達と帰り道のアメ横を2人で歩いて感想を言い合う。
「どう?ことね楽しかった?」
「…たい。」
「え?ことね、なんていったの?」
「私も…メイドになってみたい。」
そう宣言した後に吸ったタバコは…人生で1番美味しかった。
☆☆
私は、六畳間の風呂なしアパートで目が覚める。
もう、3600回以上同じ景色を見た。
朝起きて、1本タバコを吸う。
アルコールを入れたあとの朝はどうにもズキンとこめかみを刺激する。
いわゆる二日酔い状態である。
「また、同じ夢をみていた。」
私は過去の夢をよく見る。
タバコを吸って、そんな地獄を乗り越えたのかとそんな自分に驚いてしまう。
さて、今日もメイド喫茶でお仕事をしなければいけない。
私はメイド…メイド人間。
メイドであることで自分という人間性を確立する、
そんな小さな狂気を抱えた、歪んだ人間の一日がまたはじまる。
私は幼少の頃酷い虐待を受けていた。
母親と暮らしていたのだが、母親はシングルマザー。
その時…一人の男が入ってきた。
「お母さん、この人は?」
「新しいお父さんよ。」
「ことねちゃん…よろしくね。」
私は、幼少の頃から頭の回転が早かったのでこの現象に大きな違和感を感じた。
新しいお父さんって何?
生物学上それは事実と離反している。
私は既に居ない父親の精子から生まれたから、この男とは関係の無い他人である。
そんなことを6歳位の頃に覚えていたのを感じた。
父親は…日増しに闇の要素を見せるようになった。
ガシャーン!
「…お父さん、ごめんなさい。お父さんのグラスを割ってしまったわ。」
私は、その時深く反省していた。
しかし、そんな私に来たのは父親としてあるべき受容ではなく…拳が頬に衝撃を与えた。
「てめぇ…ほんと可愛くねえな!」
「ごめんなさい…ごめんなさい…。」
私は、2日に1回くらい…父親から虐待を受けていた。
その暴力は…母親にも及んでいた。
気がついたら母親は衰弱し…私が小学生の間に亡くなってしまった。
唯一の愛する肉親の死を悲しむことが出来ないほどに私の精神は極限状態に追いやられていった。
私の感情も…ほとんどその頃に失っていった。
中学に入った頃だろうか…父親は殴らなくなったのだが、妙に体に触れるようになった。
「お父さん…やめてください。」
「お前も…よく見りゃ綺麗じゃねえか…へへ。ちょっとくらいいいだろ。」
血の繋がってない父親は、私の胸を揉みだし…どんどんエスカレートしていった。
気持ち悪い、でも…拒んだら殴られる。
私は殴られると口の中を出血するので血の味を覚えるのだが…どうにも苦手だった。
父親のまくし立てるような怒鳴り声が苦手だった。
父親の発情した汗と脂が混ざった匂いが苦手だった。
私を犯してる時の父親の快楽に溺れた表情が苦手だった。
私の体は…父親によってある日犯され…ついには処女を奪われていった。
何も感じなかった。
とにかく、身体に異物が入ったという…そんな感覚だけだった。
そんな時、私は死のうかと思ったけど…あるものが目に入った。
それが、父親の吸っていたセブンスターだった。
中学生でそんな物やっては行けないとは分かっている。
でも、死んだ精神の中で私は唯一の好奇心が湧いてきたのだ。
吸ってみる。
不味い。
でも、父親にキスをされた時に感じる臭いと味に近いものがあって、そこに気持ち悪さを抜いた感じだった。
2本目を吸ってみる。
やはり不味いのだが…妙に心が洗われるようだった。
私の人生にはじめて救済が来たような…そんな感覚だった。
私はその時、人生で初めて涙を流すことが出来た。
それだけで、生きてるんだと小さな実感が湧く。
やがて、父親は近所から性的虐待で逮捕され…私は施設に入っていった。
孤立無援…そんな言葉が良く似合う状態だった。
私は施設に行っても1人だった。
友達もできず、他人との距離感が分からない。
虐げられることでしか…私がわからない…そんな焦燥感に駆られてしまった。
なにも好きな物もわからない…タバコを吸うことしか…幸せを感じられなかった。
そういえば1人だけこの施設にぼっちが居た。
「…。」
少女である。
私よりも3歳くらい年下の女の子だ。
「その本…面白い?」
「ユニーク。」
女の子は難しそうな本を読んでいる。
きっと頭がいいのだろう。
「羨ましいわ、あなた本が好きなのね。私は虐待しか無かったから…何が好きか分からないの。」
「読んでみる?」
「え、いいの?」
「もちろんよ。」
女の子は小学生とは思えないほど大人びていて、何を考えてるか分からないから不気味だった。
いや、それは私もか。
「あなた…名前は?」
「さやか、笛吹…さやか。」
私に本の貸し借りをする奇妙な友達ができた。
私は主に小説を借りてたのだけれど…その小説の人物を演じるようになると人間関係は円滑になった。
「ことねちゃん~、とても明るくなったわね。」
「シスター!ほんとですか??」
「ええ、最初のあなたは…この世に希望を見いだせない様な顔をしてたわ。さやちゃんとも仲良くしてくれてありがとうね。」
「もちろんですよ!」
私は…施設の子たちみんなと友達になったと思ったら…私の状況は急変した。
「私に…里親が…?」
「ええ、神宮寺さんって人みたいよ。」
中学後半くらいなってか…私はその演じた愛嬌と頭脳のお陰で今の親に巡り会うことが出来た。
その人は子どもが出来ないとのことで、私を見て家族にしたいと思ったとのこと。
私は、愛されていた。
大学にも活かしてもらったし、様々な習い事もさせてもらったので……虐げられてたあの頃とは比べ物にならないほど私の人生は充実した。
勉強は難しい…でも逆を言うと、私は勉強以外やることがなかったので何とかついて行くことができた。
そんな時だった。
私は大学の女の子に誘われて…メイド喫茶に行く事になった。
メイドなんてアホらしい…恥を知るべきだと思いながら若干ほくそ笑んで入店したら…私は大きな衝撃を受けた。
「「おかえりなさいませ!お嬢様!」」
若い女の子達がこんなにも生き生きとしていて、それでいてお客様は幸せそうにしていた。
ダンスを踊り、英語をしゃべり…こんなタレント性に富んだ仕事があるのかとおもった。
絶望と緊張感だけが人生の感覚だった私にとっては無い感情だった。
お店を出て、友達と帰り道のアメ横を2人で歩いて感想を言い合う。
「どう?ことね楽しかった?」
「…たい。」
「え?ことね、なんていったの?」
「私も…メイドになってみたい。」
そう宣言した後に吸ったタバコは…人生で1番美味しかった。
☆☆
私は、六畳間の風呂なしアパートで目が覚める。
もう、3600回以上同じ景色を見た。
朝起きて、1本タバコを吸う。
アルコールを入れたあとの朝はどうにもズキンとこめかみを刺激する。
いわゆる二日酔い状態である。
「また、同じ夢をみていた。」
私は過去の夢をよく見る。
タバコを吸って、そんな地獄を乗り越えたのかとそんな自分に驚いてしまう。
さて、今日もメイド喫茶でお仕事をしなければいけない。
私はメイド…メイド人間。
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